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どーも、ちゃです!
たくさんのいいね、コメント、ありがとうございます!さのじん付き合えて良かった🥹🫶
ここで、やわしゅんのお話、挟ませていただきます🙇🏻♀️❤️🤍
柔太朗side🤍
ドアが閉まる。
あとは、二人でやるべきことだって分かっている。
足は自然と廊下に向いた。
静かな廊下に、足音だけが、やけに響く。
さっきのよっしーの顔が、頭に残ってる。
ああやって、ちゃんと吐き出せたなら、きっと、もう一人で抱え込まない。
そう思いながら歩きながら、ふと思い出す。
よっしーの言葉。
“依存してる”
“止まんなくなる”
“全部ぶつけることになる”
同じΩだから、分かる。
あの感覚も、怖さも。
ヒートの時のあのどうしようもない衝動。
一人で抱えて、耐えて、終わらせる。
今まではそれが当たり前で、そう思ってやり過ごして来た。
でも、もし…そこに、誰かがいたら。
よっしーにとっての、はやちゃんのような。
全部受け止めてくれる相手がいたら。
番がいたら…
反射的に、浮かんだ顔…
……舜太。
柔「……は?」
思わず、足が止まる。
一気に、血の気が引く。
なんで…今その顔が浮かぶ?
いや、違う。
ただ近くにいるから。
一緒にいる時間が長いから。
信頼してるから。
それだけ…それだけだろ…
なのに、妙に心臓が落ち着かない。
じわっと、嫌な感覚が広がる。
無意識に顔をしかめる。
こんな風に思う相手じゃない。
一番、変な意味で巻き込みたくない相手。
舜太は、ずっと横で支え合ってきた、親友だ。
なのに、なんで……
舜「柔!」
不意に、前から声がした。
顔上げると、舜太がこっち歩いてくる。
タイミング、悪すぎ。
舜「どないしたん?」
いつも通りの顔。
でも、ちゃんと見てくる目。
柔「……別に」
一瞬だけ間を置いて、平静を装う。
舜「はやちゃんと、じんちゃん」
少しだけ声落として。
舜「大丈夫そう?」
柔「うん」
短く頷く。
柔「大丈夫だと思う」
言い切る。
それは、本心だ。
舜太は、少しだけ安心したように息を吐く。
舜「そっか」
それから、
舜「撮影の順番、変えてもらったで」
さらっと言う。
舜「二人とも、少しでも休めるように」
あぁ…こういうとこ。
自然にやる、その優しさ。
柔「ありがと」
普通に返したつもり。
でも、少しぎこちない感じになる。
さっきのことが頭に残ったままで。
意識しないようにしても、どうしても引っかかる。
その違和感に、舜太が気づく。
舜「……柔?」
少しだけ眉寄せる。
舜「柔こそ…大丈夫なん?」
一歩、近づく。
舜「顔色、あんま良くないで」
柔「大丈夫」
即答。
柔「なんもない」
言い切る。
でも、自分でも分かる。
ちょっと強すぎた。
舜太の視線が、離れない。
柔「じゃ、俺戻るわ」
それ以上、話続けたくなくて、そのまま、横を通り過ぎようとする。
早く、この場離れたくて、俯いたまま。
その瞬間、手首を掴まれた。
舜太side❤️
舜「待てって」
反射的に、引き止める。
さっきの柔。
明らかに、おかしい。
舜「じんちゃんと、なんかあった?」
舜「はやちゃんに、なんか言われた?」
続けて聞く。
でも、それでも違う気がして。
舜「顔色、ほんま悪いで」
ぐっと、少しだけ引き寄せる。
柔が止まって、ゆっくりと振り返る。
その顔に、一瞬、息が止まる。
少しだけ赤らんだ頬に、潤んだ瞳。
見たことない表情。
柔「……っ」
何か言いかけて、すぐ逸らす。
次の瞬間、掴んでいた手を振り払われる。
柔「ほんと、大丈夫だから」
少しだけ早口。
柔は、それだけ言って、そのまま早歩きで離れていく。
呼び止める間もなく、背中が小さくなっていく。
なんやねん、今の…
残された手を、そのまま少し見つめる。
さっきの顔が、頭から離れない。
絶対、大丈夫ちゃうやろ。
胸の奥が妙にざわつく。
心配。
それだけのはずなのに。
何か違う感覚も混ざってて、それが、余計に落ち着かない。
舜「はぁ…」
小さく息を吐く。
視線は、柔の消えた方に向けたまま。
放っとけるわけないやろ…
そう思いながら、でもすぐには動けなくて。
その場に、少しだけ立ち尽くした。
撮影が終わって、スタッフの声が少しずつ遠のいていく。
楽屋に戻る途中で、だいちゃんが先に振り返った。
太「俺、先車行っとくわ」
舜「おー、了解」
軽く手を上げて見送る。
そのまま楽屋に戻ると…誰もいない。
舜「あれ」
さっきまでの空気が嘘みたいに、静かで。
鞄をソファに置いて、一息つく。
柔は…トイレ、言うてたな…
座りながら、ぼんやり思い出す。
落ち着かない。
さっきの廊下での顔。
視線を逸らして、無理やり「大丈夫」って言ってたあの感じ。
撮影中も、どこかよそよそしかった。
目が合っても、すぐ逸らされて…
いつもなら、軽く笑ってくるのに。
舜太「なんなんやろ…」
ぽつりと漏れる。
待つ理由なんて、別にないのに。
でも、足が動かない。
しばらくして、楽屋のドアが静かに開いた。
柔「……あ」
一瞬だけ、目が合う。
柔の表情が、ほんの少しだけ固まる。
舜「おかえり」
できるだけ、いつも通りの声で言う。
柔「……うん」
短く返して、そのまま中に入ってくる。
どこか、ぎこちない。
沈黙のまま、二人で荷物をまとめる。
柔「……帰ろ」
先に言ったのは、柔だった。
舜太「ん」
並んで、楽屋を出ようとする。
そのとき、柔太朗が少し急いだように鞄を持ち上げた。
——コトン
何かが、床に落ちる。
舜「ん?」
視線を落とす。
見慣れない小さなケース。
舜「なんか落ちたで」
自然にしゃがんで、拾おうとする。
その瞬間、
柔「ちょっ、舜、まっ」
柔の焦った声が耳に入ったが、構わずケースを手に取る。
ラベルが、目に入る。
“Ω用 抑制剤”
一瞬、思考が止まる。
舜「え」
理解が、追いつかない。
でも、確実に意味は分かる。
視線が、ゆっくり上がる。
舜「柔、これ……」
喉に、言葉が引っかかって出てこなかった。
柔太朗side🤍
やばい…
落ちた音を聞いた瞬間、血の気が引いた。
見られた。
よりによって…舜太に。
柔「……っ」
伸ばした手は、間に合わなくて。
舜太の手の中にある、それは、見られたくなかったもの。
一番、知られたくなかった相手に。
舜「柔、これ……」
その声が、遠く感じる。
頭の中、真っ白で。
どうする?
なんて言う?
何も浮かばない。
ただ、バレたという事実だけが、ぐるぐる回る。
舜太の言葉を最後まで聞きたくなくて、
柔「返っ…して」
低く、でも震える声で言う。
そのまま一歩踏み込んで、舜太の手から、強引に奪い取る。
舜「あ、ごめん、俺…」
舜太の声。
謝ってるのも分かってる。
でも、今は、それどころじゃない。
何も考えられない。
柔「……っ」
そのまま、顔を上げずに歩き出す。
舜「柔!」
呼ばれる。
背中に、刺さる声。
舜「勝手に見てもうて、ごめん!でもっ…」
止まれない。
止まったら、全部崩れる。
何か言わなきゃいけないのに、言葉が出てこない。
どう思われた?
引かれた?
気持ち悪いって…思われた?
ぐちゃぐちゃに混ざる。
柔「くそっ」
結局、何も言えないまま、足早に外へ出た。
舜太side❤️
取り残されたみたいに、その場に立ち尽くす。
舜太「……柔」
小さく、名前を呼ぶ。
手の中には、もう何もない。
さっきの感触だけが残っている。
頭の中で、繋がっていく。
さっきの違和感。
よそよそしさ。
顔色の悪さ。
全部。
そういうこと…なん?
でも、それ以上に引っかかるのは…さっき、振り返ったときの顔。
少し赤くて、潤んだ目。
あんな顔、見たことがなかった。
胸の奥が、ざわつく。
ドクドクと、心臓がうるさい。
ただの驚きじゃない。
もっと、別の何か。
でも、それが何か分からない。
放っとかれへんやろ…
小さく息を吐いて、ゆっくり外へ向かう。
さっきまでのいつも通りは、もう、どこにもなかった。
柔太朗side🤍
呼吸が浅い。
頭の中は、さっきのことでいっぱいで。
車が停まっているのが見えて、急いでドアを開ける。
そのまま、先に乗り込む。
座席に沈み込むように座って、ドアを閉める。
外の音が、少し遠くなる。
手の中にある抑制剤。
無意識に、ぎゅっと握りしめる。
バレた…舜太に。
一番、知られたくなかった相手に。
喉が詰まる。
視線を落としたまま、動けない。
すると、前の席から声が飛んできた。
太「遅かったけど、どしたん?」
少しだるそうな声。
太「舜太は?」
一瞬だけ間を置いて、
柔「……すぐ来るよ」
できるだけ、いつも通りに返す。
でも、自分でも分かるくらい、少しだけ硬い声。
太「ならええけど」
だいちゃんは、それだけ言って、スマホに視線を落とす。
その軽さに、少しだけ救われる。
数秒後、ドアが開く音。
びくっと肩が揺れる。
舜太だって、分かっているのに、顔を上げられない。
そのまま、隣に座る気配。
何か言われるかと思って、一瞬、身構える。
でも、何も、来ない。
舜「……」
沈黙。
それが、逆にきつい。
それとともに、どこか安堵の気持ちもあって…
同じ空間、同じ車内、逃げ場がない。
でも、距離だけが、やけに遠い。
エンジンがかかり、車がゆっくり動き出す。
窓の外に流れていく景色。
でも、全然目に入ってこない。
舜太に、どう思われたのか。
聞く勇気もない。
確かめるのも、怖い。
隣の気配が近いのに、どうしようもなく、遠い。
会話は、ほとんどないまま。
三人は、いつも通りのようで、全然いつも通りじゃない空気のまま、帰路についた。
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