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2304年12月6日午前4時32分19秒
『東シナ海』近海で突如として超巨大地震が起きた。
深海およそ2700mの深海から押し寄せる、衝撃波。
人類はこれを地震と感知し、東アジアと東南アジアに津波警報が出された。
しかしそれの意味はなかった。
日本は九州・南西諸島を中心に大津波の被害にあった。
その津波は2011年3月11日の東日本大震災をも超える津波だった。
そして、突然時間と共に訪れる、環境汚染。
地上は、東南アジアと東アジアの一部が空気中放射線濃度が約60%増加した。
人類や動植物は次々に死んでいった。
生き残ったのはごく一部の人類と変異した動植物のみ。
人類よ。
死んだ星で
生き残れ!!
episode:1 Surviving
突如として、それは起きた。
「うぉわぁ!?」
研究所が大きく揺れ始めた。私が立っていられないほどに、
「星舘さん。マグニチュード16.7の超巨大地震を東シナ海近海で観測しました!!」
バランスを崩し、色々なものが倒れたり落ちてきたりする中、
情報を報告してくれる部下。こんなときでも思う。
(こいつらは優秀だな)
と転びながら私、星舘蓮はそう思っていた。
揺れが収まり、情報収集の為にテレビをつけたら始めると、
九州と南西諸島に大きな津波が押し寄せていた。
だが、それは本州も例外ではない。
私たちに危機が迫っている。
私はどうでも良い。研究結果も。もう一度やり直せる、でも、部下の命はやり直すことはできない!
「全員、逃げろ!どんな物事よりも自分の命を優先しろ!」
「えっ!?でも…」
突然ののとに戸惑う部下。普段私は大声をあげないからな。
「研究なんて、またいくらでもやり直せる。取り敢えず今は生き延びることを考えろ!」
私の声が、全員に届いたかどうかは分からない。
でも今、私よりも今後の見込みのある若い物を見殺しにするわけには行かない!
(とにかく高い山に逃げれば…)
「!?」
(御嶽山が近いよな!?)
(確か、ここから二時間。逃げ切れる)
私は、大急ぎで車に乗って逃げた。
その後私のいた研究所は標高375.6mにあったのにも関わらず、呑み込まれた。
293年ぶりに、全てを呑みこんだ。
被害にあったのは日本だけではない。
東南アジアの島々はいくつか海に沈んだ。更に地盤沈下により津波前の沿岸部は入り江、浅瀬となった。
世界はこの事件を後にこう呼んだ。
『神々の怒り』
私は、イギリスの研究機関に拾われた。
そこではこの大規模地震の原因を探していた。ただいくつか不自然な点がある。
各国の研究者が会議を開き、今回の災害の原因を話し合った。
「東シナ海沖と検知されたが、検知された場所はフィリピン海プレートより遠く、オーストラリアプレートも離れています。これを異常現象と言わずなんと言うのか。皆様の意見を聞きたい」
と1人の科学者が言った。
今の議題は、これは果たして本当に地震なのかという議題だ。
「Isn’t it an undersea volcano?」
〜海底火山では無いのか?〜
とイギリスの科学者が言った。でも私はそれを否定した。
「The shaking was detected near Thailand, so the location is strange.」
〜揺れを検知したのはタイ付近だから、位置的におかしい〜
と答えた。さらに私は自分の意見を発言した。
「And a lot of radioactive materials are coming out. I think it’s just an explosion.」
〜それに放射線物質が大量に出て来ている。ただの爆発では無いかと私は思う〜
と、私は思ったことをそのまま話した。
そして、皆が頭を抱えて考え始めたので、私も思考する。
(イギリス英語とアメリカ英語は少し違うから喋る時に神経使うな…)
(ていうか、タイの沖だから仮に新たな海底火山の噴火として、でも、火山噴火の揺れ方と少し違う気がする…)
(もし、別の何かだとするのならそれは、私たちの未だ辿り着いていない”自然の力”)
(今考えて、放射線濃度が何故上がった?)
(火山噴火による地中からの放射線・有毒ガスの放出と見るのが”今現在”可能性が高い)
(でも、あそこまでの放射線放出は火山噴火にしても、まずあり得ない。)
考えても今までの実録で、ここまでになるとは思えなくなり、頭を悩ませて行く、星舘がオーバーヒートしそうな頭で最終結論は…
「放射線爆発…海底を突き破って出て来た……?」
(まぁ,あり得るわけないか……)
何を私はバカなことを言い始めたのかと思いながら、科学者達に提案をした。
「I think we should do a seabed survey for the time being. I think it’s faster to research and gather information before thinking about what happened.」
〜取り敢えず海底調査をするべきかと思います。何が起きたのかを考える前に調べて、情報を集めた方が早いかと思います。〜
私はそう提案した。この超常現象は会議室で起きているわけではない。
会議終了後、解散した後私は1人、薄暗い資料室で、あるものを探していた。
「あった。」
PCの腐る程大量にあるデータの中から、ひとつを探していた星舘は、ひとつの資料を目に付けた。
『地球空洞説』
なんとも意味不明なタイトルの、資料の中身はフランス語でこう記されていた。
『地球には上から順に地殻・上部マントル・遷移層・下部マントル・D”層・外核・内核と、層になって地球は形成されている。
でも、実際に私たちはそれを見ていないのに、なぜそれが言い切れるのか、私には到底理解が出来ない。
私は地球の中は空洞でできていると思う。
そしてそこには未知の生物が住んでいると思う。
過去にアメリカが、海で謎の音を拾った。
それは巨大生物の、寝息だ。私達はそれらを絶対に起こしてはならない。
もし、起こしてしまった時は必ず、人類に危害をもたらすだろう。
D”層から空洞になっていてそこには私たちの知らない未知の世界が広がっている。
そこには決して人類が踏み入れてはいけない領域なのだろうと私は思う。
これまでの未確認生物や巨大生物は一体どこでどのように生まれるのか、それが私の生きているうちに分かることはないだろう。』
(何を言ってるんだこいつは?)
と読んで率直にそう思った。何個か
(あー、はぁ、)
と思うところはあるが、結局はただの大昔に分かったことを信じたくなくロマンを定説と唱えたいだけの理想に過ぎない。
(くだらねぇ。マジで時間の無駄。)
と少し腹を立てながら、再び昔の資料を私は漁る。
だが、何百年もの前から巨大生物の存在は仄めかされて来た。
だが、結局私はそれはただの理想論だとしか思えない。
ただロマンに憧れて想像上に生まれたものにしかならない。夢を見過ぎだ愚か者が
(今回は恐らく新たなる海底火山噴火による、ものだと思う。)
(一度爆発してしまえば、凄いことになるので、恐らくそうだと思う。)
「これで別のやつだったら…」
(いいや、あり得るわけないか。)
と薄暗いPCの光だけが刺す部屋で、一人考えていたのだった。