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—夜。
静かな風の音だけが聞こえる。
戦いを終えた俺(炭治郎)は、焚き火のそばで膝を抱えていた。
義勇さんは少し離れたところに立って、黙って俺のことを見ていた。
「……義勇さん。」
思わず声が漏れる。
「俺、怖かったです。みんなが傷ついて……どうすればいいかわからなくて……」
義勇さんはゆっくりと近づいてきて、
言葉もなく、俺の肩に手を置いた。
その手の重みが、なぜかすごくあたたかくて、
張りつめてたものが少しずつほどけていくのがわかった。
「……お前が生きていて、よかった。」
義勇さんの低い声が夜に溶けていく。
その言葉が胸の奥にしみて、
息が詰まるほどに嬉しくて、泣きそうになった。
ただ頷いて、俺は小さく笑った。
—言葉よりも確かなものが、確かにそこにあった。