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12月24日
_ 廃墟にて
「 こちら。 ご希望の品です 」
「 あぁ。 間違いありませんね 」
「 約束の金は? 」
「 こちらに。 」
出せ。と、女は部下にケースを渡すよう命じる
「 確認した。 」
バ ン ッ
俺は物陰から銃を発砲する
「 誰だ、! 」
「 ッお前らはめたな! 」
「 私たちではありません。 」
「 もういい。 金は貰ってくからな 」
「 …貴方は先に車へ戻ってなさい。 」
「 かしこまりました。 ボス 」
「 いつまでそこにいるつもり? 」
「 春千夜 」
「 久しぶりだね 」
「 … お前だろ。 梵天に情報流したの 」
「 そこまで分かってて来たんだ 」
「 逢いたかったよ、ずっと。 」
「 俺は逢いたくなかった 」
「 今回だって、お前じゃないと思って 」
「 … 確かめようとした 」
_ なのに。
「 何してんだよ、お前 」
「 春千夜に逢うために反社を建てたんだ 」
「 どうしても最後に逢いたくて 」
「 … 私ね、もう長くないんだー 」
「 逢えてよかった 」
彼女は満面の笑みで言った。
「 さて春千夜、今日は何の日でしょう 」
「 クリスマスイブ 」
「 そう、大正解 」
「 それが何だよ 」
「 私たちが付き合ったのも
クリスマスイブなんだよ? 」
「 そういえばそうだったな 」
「 楽しかったよね 」
「 そういえば春千夜は仕事で
来たんだよね 」
「 私を𓏸しに来たのかな? 」
「 あぁ 」
「 …当たりか 」
「 でも良かった 」
「 最後に話す人が春千夜で 」
「 春千夜 」
「 大好きだよ 」
「 俺も、大好きだった 」
「 … 過去形か 」
彼女は静かにこちらに歩いてくる
そうして、口付けをしてきた
「 何すんだよ 」
「 んー? “ おまじない ” だよ 」
「 おまじない? 」
「 私が死んだ後、忘れない為に 」
「 忘れねぇよ 」
「 分かんないよ 」
彼女は、これから𓏸されるというのに。
俺がこの手で命を奪ってしまうのに。
「 ねぇ 」
「 愛って何なんだろうね 」
「 … さぁな 」
「 きっと愛は呪いなんだよ 」
「 だから、私はこれから死をもって 」
“ *春千夜に呪いをかけるね* ”
𝐅𝐢𝐧 .