テラーノベル
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注意喚起は1話にあり!
スタート!!!
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「…送ってしまったぁ……」
かれこれ30分くらい悩み悩んだ挙句やっっと
送った
もし変な風に取られてたらどうしよう…
いやだとしてもアレは謝らなきゃいけない事だろうし…
いつもイジってくるアイツらも
俺がとおこさんにメッセージを送れた事を驚いているのか部屋の隅で生暖かい視線でこちらを見てくる
「アイツら……」
その視線に少しむず痒しさを覚えつつも
とおこさんとのトーク画面をジッと見つめる
既読が付いた
ビクリと肩が震える。ドクンと心臓が揺れる。
「……」
返事が返ってこない。
いやまて、見てすぐに返事を送れる訳ないだろ。
とおこさんは律儀で丁寧な人だからきっと返事に困ってるんだ…
「ッスーーーー……」
大型犯罪や、リモーネ先生やらにイジられる時とはまた違う緊張が体を襲う
少しでも自分を落ち着かせる為に深呼吸をしてみたり、自分で頬をつねってみたりした
「ッ……」
(いや落ち着かねぇー……!)
息を吸っても吸った気がしない。
あれ、俺今死んでる?
いやいやんな訳ねぇだろ。ついに頭が逝ったか
1度自分を落ち着かせる為にトーク画面を閉じた
ピロンッ
「どわぇッ?!」
その瞬間通知が来る。
呼吸を整える事も忘れてスマホ画面を開く
宛先はとおこさんからだった
「……」
落ち着け自分
そう言い聞かせながらトーク画面に進んだ
そこにはこう書かれていた
〔空いてますよ! 〕
〔葛葉さんが食事に誘ってとは思ってなかったです!〕
〔すごく嬉しいです!〕
「ッはぁぁぁ〜…」
よかった。その気持ちしかこもっていないため息を付く
肘を机に付けて顔を腕に埋める
それなのに心臓の高鳴りが鳴り止まない。
顔が上がらない。トーク画面を見ようとしても
出来ない。
ピロンッ
音に心臓がドクンと反応する。
通知が来て反射的に顔を上げる。
〔時間とかはいつにします?〕
「… 」
「いつにしよっかな…」
「葛葉ぁ……!」
「やばいコレが親の気持ちか……」
「なんかもう俺泣きそう」
「泣け泣け」
「ティッシュはあるぜ…」
「これの為ならMVK永遠に出来る」
「お、頑張ってください」
「嘘嘘嘘嘘」
「僕は応援してるよ…」
部屋の隅から相方兼ボスの葛葉の様子を全員で見つめる
嫌ほどシン…と静まり返った部屋では離れている僕たちでも通知の音がハッキリと聞こえた
通知が来る度多分僕たちも葛葉と同じくらい緊張した。
ワンチャン僕らの方が緊張したかもしれない。
「ッ〜…」
2個目の通知がした時、本当に葛葉死ぬんじゃないかと思った。
一応ここのメンバーの中で葛葉の事を1番知ってるのは僕だろう。
もう葛葉スマホ投げつけないか?
と、思ってしまうくらいには僕も緊張していた
そう思っていたのに葛葉はトーク画面をみるなり、気が抜けた様に優しく微笑んだのだ。
本当に楽しみにしてるのが伝わってきた。
葛葉は多分
謝罪したい。感謝したい。
そんな気持ちで食事に誘ったんだと思う
だけど自覚しない所で楽しみに思ってるんだと思う。
僕はみんなが見た事ない葛葉を沢山見ていた
だけど僕はあんな葛葉の表情を
見た事が無かった
「っ〜〜…」
「ごめん僕泣きそうかも……ッ」
「え、なんで?」
「ガチの親居ますやん?」
「叶さん、ティッシュはありますぜ…」
「あ゛り゛か゛と゛う゛…」
「嘘泣きで草」
まぁ流石に泣きはしない。
これで泣いたら僕は葛葉のなんなんだ。
まぁただ嬉しいのは事実だ
「楽しんできて欲しいなぁ……」
コメント
1件
さすがとおこさん!! 葛葉はギリギリ生きてたか 鴉のみんなはマジでいい仕事してんなぁ