テラーノベル
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{ええこと考えた〜。先にコイツから殺っちゃうか?笑}大晴くんがニタァッと笑い、ゆっくりと俺に視線を向けてくる。
その手には……カッター。
【……佐野、如月を連れて逃げろ!!】
誠也くんの声が聞こえる。
けれど……
俺の身体は、恐怖でまったく動かなかった。
気づけば大晴くんが少しずつ距離を詰めてきていて……
〈……やっ。〉
俺……誠也くんも如月ちゃんも守れへん……。
俺、このまま……死ぬん……?
そんな考えが脳を支配した瞬間……
大晴くんが手にしたカッターを、勢いよく振り下ろした。
俺は思わず、強く目をつぶる。
……しかし。
痛みが来ない。
恐る恐る目を開けると……
俺の前に小島くんが立ちはだかり、大晴くんの手首を力づくで止めていた。
〈……小島くん。〉
《……大晴、もう辞めろ!》
《リチャくん、晶哉と如月ちゃん頼みます! まっさんは末さんの方に!》
{離せ……!お前に俺の何が分かんねん!俺の気持ち分からへんやろ!?俺はな、ずっとコイツらに邪魔されんねん!如月ちゃんだけは、俺のものにするんや!!}
狂ったように叫ぶ大晴くん。
その声が背中に刺さるまま、俺と如月ちゃんはリチャくんに連れられて部屋を出た。
自分の部屋に戻ると、俺はリチャくんに”1人で大丈夫”って嘘をついてしまった。
ホンマは大丈夫なんかちゃうのに。
ホンマは、誰かそばにいてほしかったのに。
ドアが閉まった途端……
どんどん息が浅くなる。手が震える。
あかん。
いつの間にか、過呼吸になっていた。
〈……だ……れ……か、助け……て……死にた……く……な……い……〉
すると……過去の光景が一気に洪水のように溢れてきた。
刃物を向けられたあの日。
泣きながら震えて、助けなんか来なくて。
その時だった……
〔佐野……!?〕
〈……リチャ……く……ん。〉
ドアが勢いよく開き、リチャくんが駆け寄ってきた。
〔ゆっくりでええ……。息吸って……吐いて……。〕
リチャくんはそっと俺を抱きしめてくれた。
過呼吸が落ち着き、呼吸が戻ってきた
リチャくんは静かに聞いた。
〔……思い出したんか?〕
〈……うん。大晴くんにカッター向けられた時……虐められてた時の記憶が全部……蘇ってきた……。あの時も……刃物向けられて……っ……泣〉
言葉にした瞬間、涙が溢れた。
〔……そっか。〕
リチャくんはそれ以上何も訊かず、ただそばにいてくれた。
その優しさに、胸がまた苦しくなる。
俺は、ほんまは強ない。
けど、今だけは……誰かに支えてほしい。
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