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入学式から数週間が過ぎた。
とある日の学園からの帰り道――
「へへっ。シンカの姉御! 荷物をお持ちしますぜ!」
「そう? ありがとう、ヘルルーガちゃん」
ヘルルーガはすっかりシンカの舎弟のような存在になっていた。
人族と魔族における戦争で、シンカとヘルルーガは肩を並べて戦っていたと言っていた。
学園入学時のヘルルーガの認識では、彼女たちは同格の存在だった。
だが、入学式の一件に加え、その後も定期的にシンカを襲撃してはコテンパンにされたことで、遂に上下関係を認めたのである。
「お姉様。美味しいお茶が実家から送られてきましたの。一緒に飲みましょう」
「いいわね。ディノスやイリスも誘って、みんなで飲みましょうか」
ユリアとフレアの姉妹関係も良好だ。
まぁ、元々彼女たちは仲が良かったそうだからな。
姉だけ1年早くこの学園に入学したことで、一時的に距離感を間違えていた感じだろう。
「黒竜イリス……。またボクのお尻にあれをしてほしい……」
「この変態め……。また後でやってあげます」
ユノは、すっかりお尻を突かれることに夢中になっている。
彼女は白竜族の最後の生き残り。
性的な経験や知識は一切なかったのだろう。
そんな中、イリスから強烈なカンチョーをくらって快感を得てしまったようだ。
始めての快感があれだったことにより、すっかりハマってしまったらしい。
イリスは汚物を見るような目でユノを見ているが、結局なんだかんだ言ってユノの願いを聞き入れている。
イリスとユノは微妙に仲がいい。
黒竜族と白竜族。
厳密な意味では別の種族なのだが、人族や魔族に比べると近しい存在だしな。
しかし、それはそれとして――
「クハハ! 余のハーレムも、ずいぶんと賑やかになったものだ!」
余は満足気に笑う。
最初は0人だった。
余が入学した年に、イリス、フレア、シンカの3人でハーレムを形成した。
それが今となっては、ユノ、ユリア、そしてヘルルーガが加わったのだ。
全員が余の寵愛を受けるにふさわしい器を持っている。
まさしく余は、最高の気分であった。
「おいおい、待ってくれや! 誰があんたのハーレムだって?」
「わたくしはお姉様にしか興味ありません。お姉様が心を寄せる相手として、最低限の敬意を払っているだけですわ」
「……ボクも似たようなもの。調子に乗らないでほしい……」
ヘルルーガ、ユリア、ユノが口々に言う。
ふむ。
確かに、それはそうだな。
彼女たちは余に惹かれて行動を共にしているわけではない。
ハーレムメンバーとして数えるのは早計だったか。
「クハハ! ま、時間の問題だ! 遠からず、お前たちは余の子を孕むことになるだろう! 覚悟しておくがよい!!」
余は高らかに宣言する。
すると――
「ちっ……。話を聞かねぇ奴だぜ」
「いつか殺してやりたいですわ」
「……ウンコ……」
3人は揃って舌打ちし、忌々しい表情を浮かべたのだった。