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JTRを倒したことでロンドンの街は一時の平穏を取り戻したかに見えた。しかし、透はその余韻に浸ることなく、すぐに次なる脅威を察知していた。
「JTRはただの前哨戦に過ぎなかった…本当の敵はまだ潜んでいる。」
透の表情は険しく、彼の周囲の空気が張り詰める。
「偉人一派」と呼ばれる謎の集団が動き出しているという情報が、呪術師の間で囁かれ始めていた。歴史的な偉人たちの名を持つ彼らは、強力な呪霊を操るだけでなく、彼ら自身も超常的な力を持っていた。
ロンドンの廃工場。そこには透の前に新たな敵が立ちはだかっていた。赤い軍服をまとい、堂々とした風貌の男が透を見下ろしている。
「フフ、まさか我々『偉人一派』が相手になるとは思っていなかっただろう?」
その男は名乗った。
「我が名はナポレオン。かつてフランスを支配した皇帝だ。」
透は冷静に相手を観察しながら答える。
「ナポレオンか…名ばかりの偉人が、俺の前に立ち塞がるとはな。」
ナポレオンの笑みは消え、彼の周囲に強力な呪力が漂い始める。
「ただの呪術師風情が、歴史を作り上げた偉人に歯向かうつもりか?お前はわかっていないようだな。」
ナポレオンが指を鳴らすと、周囲の空気が一変する。透は瞬時に身構え、呪具を手に取った。
「この力は…!」
目の前に現れたのは、ナポレオンの軍隊そのものだった。彼の呪術によって呼び出された幻影軍隊が、規律正しく透を包囲する。
「我が軍に勝てると思うなよ!」
ナポレオンの声と共に、幻影の兵士たちが一斉に透に襲いかかる。
「面白い…だが、俺もただの呪術師じゃないんだよ。」
透は冷静に一歩前に進み、呪具を振りかざす。瞬時に広がる斬撃が、幻影軍を一気に切り裂いた。
「ふん、幻影ごときに惑わされると思うか?」
透は鋭い目でナポレオンを睨みつける。
だがナポレオンは笑みを浮かべたままだった。
「さすがだ…だが、偉人一派は私一人ではない。これを忘れるな。」
その言葉と共に、工場の屋根に複数の人影が現れた。ジャンヌ・ダルク、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アレクサンダー大王――彼らもまた偉人の名を背負った強者たちだった。
「これが…偉人一派か。」
透は、その圧倒的な存在感にわずかな緊張を覚えながらも、すぐに心を引き締めた。
「お前たちがどんなに偉大な名を背負っていようと、俺は怯まない。すべてを倒すまでだ。」