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ようやく彼女との距離が少しずつ縮められたと思ったのも束の間。
彼女はプロジェクトの仕事以外で本業の仕事が忙しくなったとかで、なかなか会えない日々が続く。
彼女の部署の忙しさは、こちらの部署にも噂が入ってきて、日々の残業続きや土曜出勤も何週も続いて、大変さがわかる。
仕事モードの彼女に余計な邪魔はしたくなくて、会いたい気持ちも抑える。
連絡は週何回かの携帯での文字でのメッセージのやり取りだけ。
週イチのミーティングも出来るはずが、当然それも今は無くして。
プロジェクトでの彼女の負担も出来るだけ少なくなるように、今はオレが出来る範囲でのサポートをしながら先に進める。
今は声を聞くことも、顔を見ることもひたすら我慢。
忙しい時は食堂にも顔を出さない彼女とは、部署も離れてるせいで、ホントに笑えるくらい会わないもので。
この離れてる時期に、久々に彼女に片想いをしていた時を思い出した。
彼女の存在を知って、好きだと自覚してから、偶然でも彼女に会いたくて、食堂にも何度も通って、必要以上に彼女の部署の近くまで行ったり。
だけど、あの時もこんな風になかなか会えなくて。
だからそんなオレがどうにか彼女と近づく方法。
それがプロジェクトで一緒に仕事を出来るまでオレが認められて彼女のそばにいくことだった。
今ようやくそこまで行けたオレは、今度は彼女のサポートへと徹する。
だから立場が違って今は彼女と関われてサポート出来てることがオレ的には嬉しい。
彼女が仕事が大事なのはオレが一番よくわかってるし、オレに構わず仕事にも集中してほしい。
だから、たまに交換する文字だけのやり取りでもオレは十分。
昔の片想いの頃に比べたら、そんな中でたまにオレのことを思い出してくれて連絡くれるだけで嬉しいから。
それに、オレもちょうどその間に今進めてるもう一つのことに力を入れられて助かる。
そっちにオレも今実際時間に取られて、仕事が終わってから夜もずっとかかりっきりで、彼女と会う時間も取れなさそうだったから、ちょうどよかったかもしれない。
それで会えない理由を下手な言い訳して彼女に心配させるのもイヤだし。
まぁ彼女はきっと仕事に集中してオレどころじゃないだろうけど。
『ようやくうちの仕事落ち着いたよ。樹の方はどう? まだ忙しい?』
すると、彼女からようやく終わったとのメッセージが届く。
そっか。
ようやく終わったんだ。
お疲れさま。
でも、オレ的にはまだこっちのやることが終わってないんだよな。
あぁ、せっかく彼女がようやく忙しい時期が終わったのに、オレ的にはまだその時間が取れなくてもどかしい。
今のこの取り組みさえちゃんと形になりさえすれば、彼女といくらだってようやく会えるというのに。
『お疲れさま。こっちはまだしばらく忙しいの続きそう。まだまだ夜遅くまで仕事続くと思うから、また落ち着いたら連絡する』
そして、オレは彼女のメッセージにそう返事する。
ホントなら彼女に今余裕が出来ているのなら、ほんの少し空いた時間でも、彼女に会いたいたけど。
でも、それをしてしまうと、どうしようもなく彼女とまた一緒にいたくなるから。
だから今は会わずに、一日でも早く今のこの目の前のことを片付けたい。
会わなければ、まだその日を楽しみにもっと頑張れるから。