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まだ二人をつなぐ関係性に名前はついていないのに、口づけをしてしまった。
カラオケの一室で。
薄暗く、隣の部屋から響き渡る歌声と、
耳元でささやく君の吐息。
香水と服の香りが漂うくらいの距離感。
今日は自分から甘えないと決めていたのに、
そんな日に限って心も体も言うことを聞かない。
君に吸い寄せられるように、私は抱きついた。
暖かい温もりと大きな体で、
私は埋もれそうになっていた。
もう心は君の沼に片足、
ハマっているかもしれない。
お互い生活も仕事もバイトも?
合わないから、きっと付き合っても長続きせず今までの、私の過去の恋と同じように、
蕾をつける前に枯れてしまいそうな気がする。
それでも心には君の温もりも、香りも残って消えない。
今日から心に彼が住み始めたみたいに。
男を弄んで楽しいと思っていた昨日までの自分は、もうここには連れてこれないと思った。
だって、生活が合わなくても何故か心が君の隣に居たいと囁いている気がした。
暗い部屋を出てもそこはビル街が光る夜中。
小指を握った手を君は握り返してくれなかった。
戸惑いながらも振り払わない君の優しさに漬け込む悪い女。
こんな悪い女になりたくはなかった。
これ以上、悪い女には、なりたくないから
これ以上、優しくしないで。
それでも眠れない夜はあの温もりに触れたくなる。
だから君の隣はあけておいて…
そんなこと言えないのに…