糸師 凛 がW杯で優勝して開放される話
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W杯の決勝戦、点数は2-2。
一進一退の攻防が繰り広げられる中、
日本代表が動いた。
相手チームをどんどん突破し、
ゴールに近づいてゆく一人の選手。
糸師冴、それが彼の名だ。
ゴール近くまで来た冴は、
果たして誰にパスを出すのだろうか。
いいや、確かに自分がシュートするという
可能性を捨てた訳では無い。
しかし、相手チームを突破し続けた冴には
相手チームが二人も着いている。
自分でシュートを打つより、
誰か味方にパスをした方が良いだろう。
そして冴が視線を巡らす。
自分がパス出来る、いや、したい所に居たのは
ブルーロックの申し子である潔世一と、
“弟の”糸師凛だった。
ー…ふと、思ってしまった。
ー…糸師凛、この決勝戦の2点は
全て彼が取ったものだ。
ー…ならば、それを危惧した相手チームが
付きまとうのも当然。
ー…弟の周りには自分と同じく、
二人の敵が着いていた。
しかし、潔世一はどうだろう。
確かにブルーロックの申し子と呼ばれた
彼の元にも付きまとう一人の姿が見られた。
でも、彼なら大丈夫だろう。
一人くらいは振り切ってゴールを打ってくれる
という”信頼”があった。
そして何より、潔世一から感じる
「俺によこせ」 という言葉。
あぁ、こいつなら。
こいつにパスしたらきっとゴールしてくれる。
そう思ってしまった。
そうして俺は潔世一にパスをした。
その決断が、この後最悪の事態を起こすとも
知らずに……
コメント
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うう…最高