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午前7時過ぎ。ブルーロックの朝は無慈悲に訪れる。
凪は、3時間ほどの短い眠りから覚めると、隣で死んだように眠り続ける潔をじっと見つめた。
「……潔、朝だよ。起きなきゃ」
揺り動かしても、潔は「……ん、……ぅ……」と微かな声を漏らすだけで、瞼は重く閉ざされたままだ。昨夜、凪の「指先トラップ」で朝方まで搾り取られたのだから無理もない。全身の力が抜けきっており、まるで魂が抜けた人形のように柔らかい。
(……このまま寝かせてあげたいけど、朝飯食わないと倒れるし。トレーニングもあるし……)
凪は、少し考えてから「……ま、いっか」と呟いた。
そして、当然のような顔をして、ぐにゃぐちゃに柔らかくなった潔の身体を、布団ごと、あるいは羽織らせたジャージごと、軽々とお姫様抱っこで抱え上げた。
「……ふわぁ。重くない。潔、羽みたい……」
凪は、寝癖のついた頭で、腕の中に宝物のような潔を抱えたまま、のそのそと食堂へ現れた。
「…………は???」
最初に気づいたのは、もちろん玲王だった。
納豆をかき混ぜる手が止まり、箸が床に転がり落ちる。隣にいた蜂楽は、飲んでいたオレンジジュースを危うく吹き出しそうになり、凛は持っていた焼き魚の骨を折った。
「な、ななな……凪!? お前、何、何して……潔をどうした!!」
玲王が椅子を蹴り飛ばす勢いで立ち上がり、凪に詰め寄る。
だが、凪は眠そうな目のまま、「……潔、起きないから。でも朝ご飯、食べなきゃでしょ」と淡々と答えた。
「起きないって……! 潔! 潔、しっかりしろ!!」
玲王が潔の顔を覗き込むと、そこには絶句するような光景があった。
潔は、凪の腕の中で、完全に意識を飛ばして眠っている。しかし、その頬は異常なほど赤く、潤んだ睫毛の先には涙の乾いた跡があり、何より、その口元からは「……は、……ぁ、……ん……」と、寝言にしてはあまりにも甘すぎる熱い吐息が漏れていた。
「……お前、凪……テメェ……昨日の夜、何した……?」
玲王の声が、怒りで低く震える。
蜂楽も、いつもの笑顔を消して、凪の腕の中にいる潔の「あまりにトロトロな様子」をじっと見つめた。
「……凪ちゃん。……それ、潔が疲れすぎて、腰抜かしてるよね? ……何時間やったの?」
「……やってないよ。……ただ、ずっと……触ってただけ」
凪は、嘘は言っていないという顔で、潔を空いている椅子に「座らせる」のではなく、そのまま自分の膝の上に抱っこしたまま席に座った。
「……よいしょ。……潔、ご飯だよ。あーんして」
「できるわけねーだろ、その状態で!!」
玲王の絶叫が食堂に響き渡る。
そんな喧騒の中でも、潔は凪の体温に包まれながら、「……ん、……れお、……なぎ、……もう……むり……っ」と、寝ぼけて艶っぽい声を漏らすのだった。