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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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ビルの中に入ると黒のスーツに紫のネクタイをしている男が目の前に立った。

「仏様と悠佑様ですね。ご案内します。」

「あざーす」

黒服の強面男に案内され、廊下を進みながらあっちこっちに行こうとする仏を引き止めていると目的地に着いたようだ。随分豪華な扉に装飾が施されており、どうやら、かなりいい部屋に通されたようだ。

「それでは、私はこれで。」

扉に手をかけ開けると。赤髪と白髪が既に座っていた。

「あ!悠くん!!こっち座って!!」

そうやって、初兎に指された席は所謂VIP席だった。まぁ、確かにこの会議は俺が主体なのだからここに座るとしよう。今回だけは特別待遇でも文句は言わないことにしよう。

「初兎、、、ここに案内してくれた男達の服ってお前が選んどるん??」

「あぁ、ネクタイだけなwww俺のグループだって分かってええやろ」

普通、部下に自分の色を入れるのだろうか。部下を持ったこと事がない俺には分からなかった。まあ、ひとつ言えるとしたらみな、自分のものとアピールしたいらしい。

「あはっ、アニキ首の跡隠さずに来たんだ(笑)」

「やっぱ、りうちゃんが付けたんだ、、」

「え、ほんまやん!!え、悠くん俺も俺も!付けてええ??」

「初兎さんまで!!みんなアニキに痕つけちゃダメだから!!僕我慢したもん!」

いや、我慢しとったんかい。そんな風に心の中で突っ込みをする。随分久しぶりにみんなで会うという事で、全員気を緩めているのだろうか、その場の空気は穏やかそのものだった。4人で会話に花を咲かせているとガチャリとドアが開いた音がした。ふと、ドアの方を見ると随分高身長の男2人が立っていた。

「ん、全員集合やな」

「あれ、ないちゃんとまろちゃん一緒に来たん?」

「いや、さっき会ったから一緒に来ただけ。」

「よし、はよ、始めよか。」

そうやって、みんなに聞こえるように声を発するとピシッと空気が固まったのがわかった。いくら、ニコニコとしていようがやはり、裏社会の人間。ひとつ、集中するスイッチを入れてしまえば表情なんて固まってしまう物だ。風俗嬢、喧嘩屋、若頭、客引き、情報屋そんな強者揃いの中に放り込まれたただの平凡フリーター。流石に空気に圧倒されそうだが昔、背中を合わせ戦った戦友だと思えば声ははっきりと出せた。

「まず、、俺が今回お前らを集めた理由を確認する。」

「はいはい!りうらはアニキに女の子達がされてきた事を伝えろと言われて来ました!」

「僕は戦闘要員かな〜」

「俺は、裏に紫炎組がついているのか、ついていないのか、と被害を受けた女性が連れていかれる風俗のバックについてるグループの発表やな」

「俺は作戦考える担当、、、なのかな?(笑)」

「まりょは!なんと!どこにその事務所があるのか伝える係なのです!」

「それで、、俺は、、お前らの話をまとめて、作戦考えて、戦う担当やな。」

ひとり、ひとり自分の役職を確認する。やはり、こういった言葉での確認って大事だなと感じるのはネットの世界に信用を置いていないからなのだろうか、はたまた、1人の孤独を知っているが故なのだろうか。そんな事を考えていると仏が声をあげた。

「ちょっと、ちょっと〜?いふくんふざけすぎじゃない!?今真面目な会議中だよ??」

「いやいや、俺かなり重要な役回りやからな!?なんやねん戦闘要員って、しょにだだとかに、雇われ殺し合いする雇われの身やろ??生意気な発言すんじゃねーよばーーか」

「それを言うなら、俺は作戦考える担当なんだけど、、」

「はい、ないこの発言もまろの発言も全部俺の心にくるから喧嘩はおしまい。真面目なお話するで。」

「、、、はい」

少し皮肉じみた事を発言すると急に黙ってしまう男達。こいつらのイメージとしては誰の下にもつかない1匹狼だというのに俺の言う事は聞いてくれる。やっぱりものはいいようだな。

「じゃあ、初兎から、おねがいな」

「ん、分かりました〜っと」

「んじゃあ、まず僕の組の奴らが裏に着いとるって、話やな。これは、まじの話だと言うことが分かった。」

「幹部ではないんやろ?」

「せやな、、下っ端の奴が勝手にやっとるらしい。その上に着いとるやつも、組の方では弱い方の人間やな。それで、風俗の裏についてるグループなんやけど、、完全に俺のミスや。俺ら紫炎組の管轄なんやけど、ちょうど俺の目の見えない場所でおこなわれていることやったんや。」

「りうらが務めているところはちょっと違うんでしょ??」

「おん、、そこはりうちゃんが働いとるから俺も目を通しとるんよ。そこに案内される女達の収入源は主にアダルトビデオ出演なんや。あそこのビルでも収入を出すために働かせとるらしいで。」

「なるほど、、流石に全部芋づる式でお金をとる訳にもいかんからな」

「そういう事!!多分奴らのボスはかなり、頭いい人だと俺はかんがえとる。」

「それに関してはまろもわかるんやろ?」

「うん、奴らのボスはえぐい知能犯でもある。奴らの事務所に丸腰で挑んでみ、初兎の組のやつら全員で行っても返り討ちにされるだけや。しかも、完全に対策バッチリで行ってもあかんのや」

「めっちゃ強いって事??」

「そうや、奴らの行動パターンを完全に把握しても力で押し負けてまう。」

「つまり、文武両道のボスってことなのかな、、?」

「うわっ、なんかアニキみたいな人がボスやってんだね」

「おいごら、仏洒落にならん事は喋んない様に」

「は、は〜い」

ほんとに口を開けば余計な事しか言わない仏にやれやれと言わんばかりだが、まろが仏にしては的確なこと言うやんみたいな顔をしていたのだが1発やってもいいだろうか。確かに、頭が良く、強いと言うのは全国の男には最高の褒め言葉だろうが、今は違う。俺と気持ち悪い男どもを一緒にしないで欲しい。まぁ、存在価値としては俺の方がしたなのかななんて事を考えていると奴らのボスの気持ちも分からなくはない気がしており、自分に驚く。

「てか、、さ、、なんで、元々は、レイプしとったのに急にお金稼ぐようにしたん??」

「ん、しょにだいい所に気づいたな。お金稼ぐようになったと言うより、警戒を高めたって感じなんよ。しょにだ達のグループって裏社会でも結構強いやろ?それに、狙われてから警戒高めて、反抗できないような感じにしたらしい。」

「え、まって、そいつらって、警察にも目をつけられてたってことだよね??警察にはビビらず初兎ちゃん達のグループに怯えてたってこと??」

「そういう事だな」

「いや、警察にビビんないってやばすぎでしょ。りうらびっくりだよ」

「ふふっ、安心しな♡りうらは俺がまもってやるよぉ♡」

「黙っとけ客引き。俺はアニキを守るんじゃ。守られる側じゃねぇ。」

「りうら、ないこに強く当たるのはやめなさい。あと、俺はお前らを守る側じゃ」

「なぁ、、、悠くん?」

「どうした、初兎。不安な事でもあるんか??」

「いや、、、悠くんにしてはいつもより筋肉強ばっとるなって、そんな、緊張しとるん?」

「ははっ、やっぱりバレてまうか。まぁ、当たり前よな。ミスったら全員に迷惑かけてまうから。昔のようにノリと勢いだけじゃ無理なとこまで来てしまったし、、」

「んふっ、アニキ、ふふっ、、ぐふっ、」

「な、なんやまろ!?俺真剣な話しとるんやけど、、!?」

「いやっ、ごめんなアニキ、、ついアニキが弱気になっとって、、珍しくて、いつも、俺らを引っ張るような人間やったのにな〜って」

「まぁ、確かに珍しいね。」

みんなで他愛もない会話をしながら話し合いが進む。本当に俺は恵まれた友を持ったなと実感させられるのはいつも、俺に優しくしてくれる仲間が居たからだろうか。

「よっしゃ、会議後半戦はじめるか!」

とある凡人の問題解決話

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