お題箱より素敵な妄想いただいたので…。
べったーのを移しただけです、読みにくいかも
※類彰、彰がじゃっかん女々しいかも※
地雷の方はU⤴️
初恋だった。
今まではただのツンデレな後輩だと思っていたのに、最近は違う。窓辺に頬杖をついて、空を見ている姿だったり、サッカー部のヘルプとして汗を光らせている時だったり。ふと目で追ってしまうようになった。時折、目が合うが、直ぐに逸らされて少し寂しくなってしまう。あぁ、この感情は慣れないな
そんな後輩に突然屋上に呼ばれたとき、どんなことを思っただろう。なにか文句だろうか、なにかしたのか、もしかしたら……なんて、そんなことあるはずが無いのに願ってしまうのは、この異常に熱い思いのせいだ。きっと、
ひやりと冷気が漂う階段を上がる。もう居るだろうか、待たせたら悪いな。なんてぐるぐると思考を回し、扉を開ける
「あ、東雲君。」
「…遅かったっすね、神代センパイ。」
彼はそう零し、じと、とこちらを睨みつける。その顔すらも可愛らしく見えてしまって、末期だな、とふと思った。でも、いつもどおりみたいでほっとする。
「で、突然どうしたんだい?なにか……」
「オレを振ってください、神代センパイ。」
話の途中に彼は言葉を放ち、俯く。予想外で思わず「は、」と息を吐いた。
「し、東雲君?今なんて…」
「だから、振ってください、オレを。」
彼は、今度はハッキリとこちらを向いて話す。そのとき彼は笑っていた。しかし、蜂蜜色の瞳は哀しみに満ちて、複雑な顔だった。
「分かってます、理解されないのは。だって、この感情は、普通異性に、抱くも、のだから。」
ぎゅっと自分の胸あたりのシャツを握りしめ、微笑む。
「…この気持ちに区切りをつけたいんです。それがセンパイからの言葉ってのが我儘なのは、分かってます。でも、そうじゃないと諦めきれない」
涙を1粒こぼし、彼は顔を上げる。そのときの顔があまりに美しくて息を飲んだ。
「だから、一思いに振ってください。」
「………」
「ねぇ、お願い。」
息を吐きながら、彼は自分よりも少し高い位置にある僕の袖を引く。そんな、東雲君も、僕が……その嬉しさはすぐ崩れた。それよりも、怒りが遥かに勝っていた。勝手に、決めつけられては誰でも腹が立つ。それが想い人でも。
「……ごめん、東雲君」
彼の顔を見つめ、そう放つ。ほ、と安心したかのように息を吐き、彼は笑いをうかべた。きっと振られたとでも思ったのだろう。君の感情はそんな生ぬるいものじゃないだろ。
「…伝えるのが遅くなったね、僕も君が好きだよ」
笑いかければ、彼は目を見開き「は?」と間抜けに声をこぼす。
「は、はは…いいんです。優しいんすね、神代センパイ。情けなんてかけないでください。また、離れられなくなる」
ぷつん、
頭の中でなにかが切れた音がした。もう止められなんて出来ない
「…何を言い出すかと思えば。早く認めなよ、僕は君の気持ちをそんな簡単に弄ばない。君自身が分かってるんじゃないか?惚れたんなら、」
東雲色の彼はぐ、と顔を歪める。それは、認めたくない、という意思表示なのだろう。そんな彼の頬を包み、口にキスを落とす。そうすれば、体を硬直させたかと思えば、彼は後ろに座り込んだ。
「ぁ、は?な、ぇ?な、んで」
口元を左手で隠し、目線を上げる。なるほど、こうすれば良かったのか
「…どう?コレで、信じられる?」
「ちが、ちがう。離れたい、のに」
子供のようにぽつぽつとたどたどしい言葉をこぼし続ける。彼の顔は真っ赤に染まり、呼吸は少し早くなっていた。そんな彼の目線に合わせるよう、目の前にしゃがみ込めば、分かりやすく肩が跳ねた。
「……東雲君、君が好きだよ。声、姿、笑い声だって。全てが好きなんだ。司君も勿論好きだよ。でもね、」
彼の顎に手を当てれば、ぎゅっと目を瞑った。可愛いな、と思い、小さく笑う。キスをしたい気持ちを抑え言葉を続けた。
「君に抱いてる好きとは違うんだよ、分かってくれるかな。」
「神代、センパイ」
はくはくと口を開いたかと思えば、唇を固く結ぶ。そして、身を乗り出して僕の耳元で1つ息をこぼす。熱を持ったその吐息に思わず肩が跳ねた
「……は、信じていいんすね。もう離れらんないっすよ」
体を戻し、眉を歪ませながら笑う。
「あぁ、信じていいよ。僕も離さないから、」
立ち上がり、座っている東雲色に手を伸ばす。彼は手を取り、一緒に立ち上がった。そのときにできた身長の差に微笑んだ。これじゃあ、毎日愛しくて仕方ないな。
どうか、離れないでくれよ。愛しくて大好きな君へ。
(筆s)
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