今作は むぅな 様のフォロワー様500人記念のコンテスト作品となっております!!
ご本人様以外の方も反応おーけーです!
むしろ嬉しすぎて笑みが零れます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
【🏷️タグ】#むぅな500人初コンテスト!
(#むぅなの三色だんご亭)
ワンクッション
irxs様二次制作小説
青桃
※本作には、自殺願望・自殺未遂・精神的苦痛・リアルな死の描写など、トリガーとなる可能性のある表現が含まれます。
※読む方の心身の状態にご配慮いただき、必要であれば回避またはスキップしてください。
ですが、読後に残るものは喪失ではなく、確かな想いです。
自殺願望。
物心着いた頃から、そんなどす黒い感情があった。
そんな感情がピークに達したんだと思う。もう、耐えられない。
だから俺は今、約30メートル以上のある建物の上で、独り、俯いている。
そこから見たくなくても視界に入る夜景が、綺麗だなんて思わなかった。
腐った社会に、綺麗なんて贅沢なものはない。それは濁りきった嘘で、ただの綺麗ごとに過ぎないから。
俺はそんな汚い世界で死ぬのか。
なんて、そんなことを考えていたらきりがない。
ひとつ深呼吸をして、目を閉じたまま夜景に背を向けて。
そしてそのまま、その夜景に全てを投げだして___
(パシッ
___半分宙に浮いた。だけだった。
驚きもなにも、咄嗟に目を開く。
その瞬間にまたどす黒い現実へと引き戻され、体全体に人の温もりを感じた。
桃「ぅッ…!?」
力強く抱きしめられる。理解が追いつかない。
桃「はッ…だれ、、だよッ”!!」
俺のどす黒い感情をぶつけるかのように、そいつを突き飛ばした。
「………」
そいつはというと、満更でも無い顔をしており、口角を少し上げて見せる。
俺は知らないそいつに困惑しながら、数秒の沈黙が流れる。
その空気の中で、言葉が飛び込んできた。
「はじめまして。」
どこか儚い笑顔でそう発せられる。
俺の眉間に皺は寄ったままだ。
たまたま屋上に来たやつが、たまたま俺の自殺を止めに来たのなら、もっと焦っているだろう。
今目の前にしているこいつ以外は、こんな余裕をもった顔はしない。
「俺は………んー…」
「生神、だよ。」
桃「…は?いきがみ、?」
「そそ。死神の反対みたいな感じ。」
「まぁ…..生神ってことにしとこっかなって」
「そう名乗った方が君に伝わりやすいやろ?♪」
桃「なに…..それ」
「そのまんまだよ?しかも君専用の生神♪」
違う。そんなくだらないことを聞いているんじゃない。俺はもっと違うことに___
「あっははwうそうそ、冗談やんかw」
桃「…よ。」
「ん?」
桃「ふざけんなよッ”!!」
桃「勝手に俺の人生まだ進めてんじゃねぇよッ”!!」
桃「こっちはお前が何者とかどうでもいい”!」
桃「俺はッ”!!」
桃「この地獄から一刻も早く、死んででも抜け出したいと思って…」
桃「なのにッ…なのになんでッ…」
桃「また、死ぬの怖くなっちゃうじゃんかぁッ…」(ポロポロ
「…………」
桃「せっかくッ…せっかくけじめつけたのにッ…つけれたのにッ!…」
桃「酷いよッ」(ポロポロ
初めてだ。こんなにも自分の感情に身を任せ、思うように言葉をぶつけたのは。
「….うん、それでいいよ。」
「そういってくれて、安心した。けどさ、」
「俺は、君の未来を待ってるよ。」
その言葉だけを俺に吐き、今度は優しく、包み込むように俺を抱きしめた。
桃「離せよッ!なんなんだよお前ッ!」(ポロポロ
桃「誰なんだよッ!勝手に俺の気持ち踏みにじってんじゃねぇよッ!!」(ポロポロ
青「……….君が死ぬなら、俺も死ぬよ。」
桃「ッ…..ふざけんなよッ…ぅあ”ッ…ぅう”ッ…」(ポロポロ
そいつの温もりが再度伝わってくることで、嫌でも生きているという現実を思い知らされる。
そしてそのまま、名前も知らないやつと、俺の自殺未遂という名の夜は終わった。
「おはよ。」
俺に来るはずのなかった朝を迎えさせたのは、その言葉を聞いてからだった。目を開けるとそいつと目が合う。
単純な驚きで一瞬体が跳ねるが、今の状況を理解するために次の瞬間には脳ごと固まってしまう。
桃「…………」
桃「……、?」
「どしたん?そんな見つめて♪」
桃「………ぇ」
桃「……ぅわっ!?」(ガバッ
やっと理解した。俺はこいつの膝を枕にして寝ていたんだ。
桃「……ぇ、?、…えぇ??」
「ふふ、お腹空いてない?」
桃「ぇ、?………ぃや、」
「っていってもなんも持ってないんやけどな〜!♪」
「がはは〜♪w」
桃「……………」
こいつ酔ってる?これで酔ってなかったら危ない薬やってんな…?
どちらにせよ、頭のネジが外れていることは確かなようだ。
それにお腹なんて空いてるわけがないだろう。
自殺未遂にされた後だそ。食欲なんかない。
桃「…………」(グゥーー
「…………..」
お腹が空いてないわけないだろう。
一晩以上何も食べてないんだぞ。食欲なんかあるに決まってる。
俺は悪くない。生理現象なんだし。
でも俺、死ぬ前に、と思って好きなだけ食べたんだけどな。
それにしても何とかこの気まずい空気を変えてくれ。
桃「…………」(プイ
「…ふふ、ご飯、買いに行こか♪」
桃「…………」
桃「……俺、お金ないけど」
「ふふん✨️お兄さんに任せなさい!」
桃「…………お兄…さん、?」(引
「誰がおじさんや」
桃「っ…w、あははっw」
桃「………ぁ、」
思わず吹き出してしまい、我に返る。
これだと俺がこいつに心を許してしまったようではないか。
横目でちらりとそいつを見る。
そいつはとても幸せそうな顔をしていた。
なんなら少し、目が赤く滲んでいる気もした。
「ほんまにそんだけでいいん?」
公園広場のような広い芝生の上にぽつりとある、早朝にしか現れないキッチンカー。
早朝限定ということもあり、人が多そうだと買いに行く気にはなれなかった。が、運がいいのか今日は俺達しか客はおらず、言わば買い放題。
桃「うん、買ってもらってる側だし。」
「じゃあ俺はいっぱい買っちゃお〜♪」
桃「…………」
なんでこんなにも俺をかまうのだろう。
そちらにとってなんのメリットもないはずだ。
だからこのまま警察か精神病院へと無理やり連れてかれると思っていたのに、そんな素振りはひとつも見えない。
「どこで食べよか?」
桃「さっきのところ…..」
「あの屋上?…んー”、まぁええか」
「なんか昔に戻れた感じするしな♪」
昔……?もしかしてこの人…アニメみたいな青春を送ってきたんじゃ…!?
学校の屋上で友達と昼食を食べる。…絶対にそれだ…。
「おし、じゃあ行くで〜♪」
桃「ぁ……うん」
確かに陽キャなキャラの人だな……。
「美味しい?」
桃「うん…」
「よかったな〜♪」
桃「うん………」
全てを終わらせようとした場所で朝食をとる。
天気は曇り。風が少し肌寒く感じる。
「…………♪」
桃「あのさ…..」
「んー?♪」
桃「あんまりじろじろ見ないでくんない…?」
桃「食べづらいとかそんなんじゃなくて、気まずいんだけど」
「だって俺、君の食べてるとこ見るん好きやから♪」
「あとそんなんじゃ足りひんやろ?ここにあるん全部君の分やから、いっぱい食べてな♪」
これがありがた迷惑というものか……ほんとにこんな人いるんだ、食堂のおばちゃんぐらい優しい……。
桃「ぅえ…..そんな食べられない…..、こともないけど…」
「やんな〜♪」
桃「俺…ほんとにお金もってないよ?」
「ん?そんなん別に俺が払ってるから関係ないよ?」
桃「いやそういう事じゃ…….はぁ、うん、ありがとう。」
「いいえ〜♪」
「ところでなんやけど……君の名は?」
桃「その聞き方やめろ。入れ替わってない。」
桃「……ないこ、だけど…」
「ほおほお、俺は”いふ”って名前なんやけど、ないこには”まろ”って呼んで欲しーなー♪」
桃「、、なんで?」
青「…んー、?特に意味は無くもないかもしれへんけど…..お願い、?」
桃「……何それ。、、分かった」
意味があるのかないのかよく分からないが、そういう趣味なのか。変な人だな。
青「そんでさ、ないこ。」
桃「………」
先程とはまた違う、落ち着いた声のトーンで呼びかけられる。ここからが本題だと言うように。
青「どうしたい?」
桃「………どうしたいって、、何が?」
青「…なんでもえぇよ?♪」
そういいながら、「まろ」と何故かそう呼ばれたいそいつはスっと立ち上がり、屋上の柵に手をかける。
柵といっても、老朽化が進みすぎて柵という役目を果たせていない。
一歩踏み出せば、それは天国か地獄かも分からない、未知への一歩になる。
青「首吊りはおすすめせぇへんな〜、綺麗なまま死ねるとかあるけど、全然嘘。あれ口から色んな体液出てくるし。」
青「しかも、目とかも全然飛び出るで。」
桃「……へ、?」
青「でも弱死とかもあんまり現実的じゃないかな〜…..これは想像できると思うけど、普通に身体は膨れ上がるし、魚には食べられるし。」
青「スリップ現象って言って、長時間水に浸かってると皮膚がふやけてズルっと剥がれ落ちんるんよ。」
桃「…………っ」
その穏やかな表情からはあまりにも想像出来なら現実的な言葉ばかりを吐き出している。
まるで目の当たりにしたことがあるかのように。
青「電車に飛び降りるとか、火事とかで火に炙られて死ぬとか、そんな大勢の他人にトラウマ植え付けてまで死ぬ必要はないし……。」
青「もうなんならナイフ腹刺したまま回して抉ってみる?」
青「上手く行けば”痛くて死ぬ”んじゃなくて、傷口めっちゃ広がるから”体が壊れすぎて止まる”って感じで死ねるで♪」
桃「………ぇ、、?ぃや、、」
桃「…………っ」
少し、想像をした。
自分のお腹に刃物がくい込んでくる感覚。
そこからゆっくりと刃物を回される感覚。
中で何かが切れる感覚。
焼けるような痛みが脳をつらぬく感覚。
叫ぼうとした喉から声は出ず、代わりに逆流してきた胃液と血が出てくる感覚。
そして、俺の待ち望んでいた”死”に。
桃「…………」(ポロッ
桃「怖い…..っ、」(ポロポロ
その恐怖に。痛みに。自分が耐えられるか、なんて問われた答えは、「怖い」。
震えて、掠れている声。泣くことしか出来ない自分。
生きることも、死ぬことも、怖くてたまらない。
もう、どうすればいいのか分からない。
青「生きてみるしかないんちゃう?♪」
目の前が真っ暗になっても、まろの声は聴こえた。
青「簡単なことじゃないってことは、俺も十分わかってる。」
青「でも俺、ないこの未来を待ってるからさ。」
青「なんとなーくで生きてこうや。」
青「これからも、俺がそばにおるから。」
桃「……全部失った俺が、自ら幸せを捨てた俺が、また、まろの幸せを貰ってもいいの、?」(ポロポロ
それなりのプロポーズに、俺も少し回りくどいまろからのプロポーズの再確認をする。
青「これまで独りで生きてこれたんやから、これから二人で進む人生、楽勝すぎるで♪」
曇りきっていた空と心。そこに隠れていた太陽が、眩しすぎるほどに輝いた。
あぁ、やっぱりこの人は______
桃「まろは一体、何者なの、?」
青「…………俺は______」
もし、俺が君の死を何度も見てきたといったら、どう思うだろう。
その数だけ、君を救えなかったと言ったら、どう思うだろう。
今回だって、君がそれでも”死にたい”というのなら、一緒にあのまま落ちて、そして二人とも死んで。
なんてことはさせない。地面に体を強打するギリギリで、俺が君の下敷きになって、君だけでも助けようとした。そしてまた、やり直そうと思っていた。
ごめんな。でも、諦めないでくれてありがとう。
やっと今、君を救えた。
長くなってごめん。いっぱい苦しませてごめん。
今までを想ってしまうと、どうも涙が溢れそうになる。
目の前にいる俺の運命の相手に、俺はそっとキスを落とす。
その顔。久しぶりに見た。やっぱり、俺は君の幸せそうな顔が一番大好きだ。
そして___
青「___俺は、君の生神やで♪」
コメント
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うひゃぁ〜…初コメ失礼しますっ💕 EKてゃから話は聞いてましたけどみんとさんって本当に何というか、文章を作るのがお上手ですね🥹✨何様って感じの感想でちょ~申し訳ないんですけど尊敬してますっ🙏❤️🔥 今回のお話とっっても素敵でした😭 恋てゃはもう語彙力がなくてこの良さが伝えられないけれども、とにかく大好きですっ😵💫♡♡
最高…、やばい口から血が止まらへんッ!
コンテスト参加ありがとうございます! めっちゃ好き…🫶💕︎ みんとちゃむ映画作れるよ!() 映画なみに考えながら読むことが出来る✨ 途中名前を知らないはずのところで青って書いててもしかして桃様も…✨ もう本当にらぶ🫰🏻💞 ちゃんと伏線貼って回収するのまじで尊敬します!感動しますっ✨🫶💕︎︎ まじで愛してる( 何回も拝見させて頂きます! 本当にコンテスト参加ありがとうございます!