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「…ん‥」
…あ、れ…?
…ここ、どこ…?
ゆっくり目を開けて、周りを見渡す。
…癒良の病室か…。
ふと、窓の外を見た。
空は、キラキラと輝いていた。
地平線が真っ赤に燃えていて、もっと上の方は空色と淡いピンク色でグラデー
ションになっていた。
そして、これは夕日ではなく朝日だと分かった。
「…っ!!」
そして俺は気づいた。
…癒良の余命が残り18日になっていた。
「…スー、スー…」
癒良の顔を見ると、スヤスヤと気持ち良さそうに寝ていた。
「…癒良、こんな可愛かったっけ…?」
昔は、暴れん坊将軍って感じだったのに…
今は、女の子って感じ。
顔は丸くて、まつ毛は長くて、肌はスベスベで凄く白い。
俺は気づいたら手を出していて、癒良に触れようとしていた。
「…んー…」
癒良がゆっくり目を開けたから、俺はサッと手を引いた。
「おはよ、癒良。」
「虹……おはよ」
「どうした?」
癒良が…なぜか一瞬不思議そうに顔をしかめていた。
「なんかね、朝起きたら虹がいるのが不思議で…(笑)」
「なんでよw」
「幼稚園の時はよく一緒に寝てたから、懐かしいなと思ってね〜」
「あ、そかっか、一緒に朝を迎えるのは久しぶりだよね。」
その瞬間、癒良がビックリしたように目を見開いた。
俺はなぜビックリしているのか分からなくて、首を傾げた。
「…朝、なの…?」
「あ…」
癒良はその瞬間怯えたように、小さくなって震えていた。
それは、死への恐怖なのか分からなかったけど、
でもっ…!!!
俺は癒良に、少しの時間で幸せになってほしいと願っていた。