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🖤💚　THE GHOST IN MY ROOM

第1話 - 🖤💚　THE GHOST IN MY ROOM

200

2025年07月13日

#mmab

#BL

kino

阿部ちゃんと旅行にきた。

実際は旅行と言うのは少し大袈裟で、普段の生活圏から離れてホテルで一泊しようかと計画してきただけだ。夕方に出て午前中には帰る、そんな短い旅でも俺たちには十分に特別な時間だった。

「……ここ左？」

「うん、合ってる」

運転は阿部ちゃんで、俺は隣でナビを務めた。

出掛けに車のナビをセットしたけど、どうしてか上手くいかなかった。代わりに俺のスマホのナビで今夜の宿泊先をセットし、俺たちは車を走らせた。

「あれ、ごめん、今のところ右だった」

「えっ、もう曲がっちゃったよ？」

「戻れそうなところでルートに戻ろう」

「もー、ちゃんとナビしてよ」

「いや、何か、進行方向が定まってなくてさ…」

ナビを入れていても迷う、なんてこと、あるのだろうか。辺りが薄暗くなり始めていて、初めての道を運転するにはストレスが溜まりそうだ。

「俺、運転変わろうか？」

「お前が運転すると一言も喋らないからやだ」

俺たちは出発してから既に何度かこのやり取りをしている。

そういうわけで、運転はずっと阿部ちゃんだ。俺はスマホの音量を上げて、ナビゲーションの音声を大きくした。

しばらくナビに従って進んでいく。ややあって、急に阿部ちゃんが減速した。

「ちょっと待って」

「えっ、何？」

車を路肩に寄せて、阿部ちゃんが車を降りる。

俺も降りようとしたけれど、左側に十分なスペースが無くて降りられない。

車の中から道路に蹲る阿部ちゃんの姿が見える。一体何をやっているんだろう。

ほどなくして阿部ちゃんはまた運転席に戻ってきた。

「…ごめんね、何か落ちてて。気になっちゃった」

「何かって？」

「これ。ペンダント」

阿部ちゃんが言いながら、俺に向かって手のひらを広げてみせる。そこにはアンティークにも見えるシルバーのペンダントがあった。トップの部分が色んなタイヤに轢かれたせいか歪んで汚れていた。

「何で、そんなの拾ったの？」

「なんとなく、気になったから。別に使ったりしないよ？」

そりゃあ、そうであって欲しい。

阿部ちゃんはあっけらかんと笑って、拾ったペンダントをポケットに入れ、また車を発進させた。こうなってしまうと、阿部ちゃんは意外と頑固だ。置いていきなよと言っても多分もう聞かないだろう。この件はここまでにした方が良さそうだった。

「遅くなっちゃったし、適当にどこかでご飯食べてく？」

「うん、そうしよっか」

途中で食事を済ませてから、俺たちはまたナビを頼りにホテルまで向かった。

まさか、その後の俺たちにあんな夜が待っているだなんて、この時は想像もしていなかったのだった。

◆

ホテルで一緒にお風呂に入っていつものようにそんな雰囲気になって、キスをして、愛撫をして少しずつ熱を上げながらベッドに入ったはずだったのに。

「あっ、あ、あ…」

「すごい、阿部ちゃん…ああ、ヤバい」

肌の薄いところをピンク色に染めて、俺の上で夢中で腰を振る阿部ちゃんを見上げながら、俺は腹筋に力を入れ、押し寄せる快楽の波にさらわれないよう必死で耐えていた。

少しでも気を抜いたら、あっという間に持っていかれそうだった。

「めめっ…めめ、んっ、は、あ」

「ちょ、そんなに動かさないでよ、持たないって…っ」

「あ、あ、だって…ん、めめのが、気持ちよくて、止まんない…っ」

阿部ちゃんがこんな風になるのなんて初めてだったので、嬉しいやら一体何があったのか気になるやら、気持ちいいやらで、頭の中が忙しい。

「気持ちいいっ…あ、あ、いいよぉ、めめ…！」

そう言いながら、恍惚な表情を浮かべる阿部ちゃん。こういうのをトリップしてる、っていうのだろうか。まさか、何か変なもの飲んだなんてことは…

そう考える間も、ずっと阿部ちゃんが腰を使うので、やがて俺も何も考えられなくなってきた。

「あっ、阿部ちゃん…、もうヤバい、出そうっ」

「あぁ…俺も、い、く、おれ、あ、いくいくいくっ、あ、あっ、あーっ！」

目の前がスパークする。

自分で扱きながら、俺の腹に向かって白濁を飛ばす阿部ちゃん。俺も汗で濡れた阿部ちゃんの腰を掴み、その中へと真っ白な欲望を吐き出していた。

「待って、よ…もう無理だよ？」

「やだ…足りない…っ」

「ちょ…！」

一度抜いたそれを口に含まれると、俺の意思に反してそこがまた兆しはじめて目眩がしそうだった。

脳みそが溶けそうだ。阿部ちゃんの方はもうとっくに溶けてなくなってるんじゃないだろうか。

「ねえお願い、欲しいよ、めめぇ…」

せがむように甘えるように、俺のを扱きながら乳首を舐めてくる阿部ちゃん。

プツリと何かが切れるような感覚。さっきからずっとされるがままの俺は、もう我慢が出来なかった。体勢を変え、阿部ちゃんをベッドに押し倒して思うままにその身体を貪る。本当に貪るっていう表現がぴったりの、犬みたいな俺の首に、阿部ちゃんは嬉しそうに腕を回した。

「ん、あ、めめ…そこっ、もっとぉ」

「っは…ここ？　気持ちいい？」

「うんっ、気持ちいい、すごい…っ」

大きく足を広げて俺を受け入れた阿部ちゃんが、また高みを目指して自分の欲望に指を絡めている。

俺はその右手を取った。

「自分で触るの禁止」

「や、あ…なんでっ」

「ちゃんと俺に集中して。触らなくてもイケるよね？」

「ああ、あっ…」

阿部ちゃんが切ない声を上げる。俺は腰の動きを速くした。

「はっ、あっ、すごい…すごい。奥、好きぃ」

「好きなのは、身体だけ？」

「違うよぉ…めめ、好きっ、全部すき…！」

「かわいい」

汗で張り付いた前髪を除けてあげて、ぎゅっと細い身体を抱き締めながら、俺たちはまた熱を吐き出し合った。

「ね、まだ…後ろからもして？」

四つん這いになってお尻を突き出してくる阿部ちゃんに導かれるまま、また身体を繋げる。

それから一体何度繋がったのか。明日の心配も脳裏によぎったし、目の前が真っ赤になる感覚を幾度か味わいながら、阿部ちゃんが意識を手放すまで、それは繰り返されたのだった。

『…もう思い残すことはないよ、ありがとう』

脱力した阿部ちゃんがシーツに沈み込む時、どこからかそんな声が聞こえたような気がしたけれど、俺もそのまま眠ってしまい、本当のところはよくわからなかった。

「あれ…？　俺、何で…」

隣で呟く阿部ちゃんの声に、俺も覚醒する。時計を見るとまだ随分早い時間だった。

「…目、覚めた？　大丈夫？」

俺たちの身体もベッドの上もとんでもなくドロドロで、ひどい有り様だ。阿部ちゃんはそんな様子に驚いて辺りをきょろきょろ見回した後、訝しそうな視線を送ってきた。

「何か、身体中痛いし、めちゃくちゃ腰が重いんだけど？」

「いや、それは俺のセリフだから」

全部あなたのせいですよ、と心の中で呟く。まあ、もちろん、悪い夜では決してなかったんだけど。

ふとそこで、俺は阿部ちゃんの胸元の異変に気が付き声を上げた。

「ていうか…阿部ちゃん、なんで…」

「えっ、なにこれ、やだ」

首にかかったペンダントに、阿部ちゃんは驚き、慌てて留め具を外した。微かな金属音を立てて、シーツにペンダントが落ちる。

「これ、こんなんだったっけ？」

ペンダントトップを指して言う。昨日見た時はもっと歪で、汚れていたはずなのに、それはまるで新しいものみたいにきれいになっていた。

「…覚えてない。っていうかまじで、これ何？　怖いって」

「阿部ちゃんが拾ってきたんだよ？」

「俺が？　拾ったの？　全然覚えてないんだけど…」

「………」

思わず顔を見合わせる。

それから一拍置いて、俺たちは同時に、うわあぁ、と間抜けな声を上げたのだった。

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200

4件

えぇーどこで！？！？びっくり😳 あべちゃんじゃないのにあべちゃん過ぎてどこでおばけ出てくるんだろうって最後まで思ってた😂🖤💚

きゃー🖤💚🫣 拾ったとこから知らないなんて！そして知らずに乱れまくっちゃうなんて！でもこれはこれで通常運転の姿に思えなくもないとこが…もう阿部ちゃんすぎます🫣🫣🫣

kino

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