テラーノベル
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──ア・リトル・ワイル・アゴウ
──岩本、深澤
・・・
「反省、終わった?」
「まだ最中」
「迷ってる顔してんなー。…あのさ、めめが阿部ちゃんに何かしたワケじゃないだろ」
「…それは分かってる。でも、感情が追い付かない」
「俺に吐き出して、追い付かせろって。んで…めめ安心させてやってくれよ」
「ふっかに当たって吹っ切れって?…無茶言うな」
「~…無茶なのも、照の気持ちもっ、めめの気持ちも分かるから!だからお前に頼んでんのっ!…お前にしか、頼めないんだよ」
「…、…ふっか」
「辛いのはみんな一緒なんだと思う。ただめめは目の前で阿部ちゃんがいなくなっちゃった分、俺らと違って自分責めてんだよ。…見てて痛々しいわ」
「……うん」
「そこでさ、仲間から疑いの目向けられたらどーよ。辛さ半端なくない?」
「別に、俺は、疑っては…」
「はいっ!自分で自分を否定しないっ!…ホントのホントは?」
「……目黒が阿部どっかに隠してんじゃないかって思ってた」
「ん。それは俺も思ってた。…けど」
「けど?」
「あくまで俺の推測でね。もし隠してんなら阿部ちゃんがいなくなったって電話、して来ないんじゃないかな」
「……あっ」
「ね?する意味ないじゃん?阿部ちゃん行方不明!?って大騒ぎになっても知らん顔してればいいんだしさ」
「目黒はそんな奴じゃねぇよ」
被せ気味の反論に深澤がニッと口角を上げる。瞳は細く穏やかだ。対した岩本は明らかに口篭った後、目を逸らす。顔中に後悔を滲ませて。それには見ずに触れずに、白い壁に焦点を合わせたまま深澤が続ける。
「うん、めめはそんな奴じゃない。んで、それは照もだよな?だったら…」
「待って。俺から言わせて」
「ん」
「…一瞬でも疑ったの、目黒に謝る。ちゃんと。で、みんなで阿部探そうって言う。目黒にだけ背負わせらんないもん」
「照……」
「ふっかも面倒掛けてごめん。俺…まだまだガキだな」
「俺がいないとダメだろ?」
「ふはっ…~そうかも」
「それってホントのホント?」
「ホントのホントのホント」
「…ホントが一個多いじゃんよ~!」
「はははっ」
カン。
二人が持つアルミとスチールがぶつかる子気味良い音を皮切りに未だ手付かずだった缶を傾け、ゴクゴクと仲良く一気飲みした。
──ア・リトル・ワイル・アゴウ
──目黒、渡辺、宮舘、佐久間
・・・
興奮しきりな渡辺を三人掛りで宥める事数十分。漸く喚いた喉が乾いたのかコーヒーを呷って飲み干す渡辺に続き宮舘がホットティーで唇を湿らせ、佐久間がまたチビりと手の中の缶を啜った。続きたかった目黒は立ち上がり潰れてひしゃげた缶をゴミ箱へ投げる、そのタイミングで佐久間が自販機へ自身のスマホを翳した。
「好きなの押して」
「……ゴチになります」
「あ、佐久間、俺も」
「タメは自分で買ってくださーい」
「ケーーチっ!」
五歳児に帰って叫ぶ渡辺と、言いながらもスマホを翳したままの佐久間との遣り取りを傍で見詰める目黒の頬にやや赤みがさす。やっと微笑めたか…安堵の息を零した宮舘が話を戻すためにゆっくり紡ぎ出す。
「さっき仮定の話をしたでしょ、翔太」
「さっきって……闇がなんちゃら?」
「そう。目黒がいた真っ暗な世界は闇…だとしてね、阿部の意識は今そこにいるんじゃないかなって俺と佐久間は考えてるの」
「…実際蓮はさ、見えなかった目は何ともないんだろ?」
「えっ…、…うん。問題なく見えてるし、違和感も全然ないです」
「その見えなかった目が見えるようになった時の事を思い出して欲しいんだけど…変わった事や気付いた事はある?」
「…………」
宮舘に問われて考え込む目黒。見守る年長の面々に言葉はなく。揃って黙り、急かしはせずにただ待つ。暫くして目黒が悔しげに眉根を寄せて首を振る。
「何もなかった…と思う。真っ暗だったのが急にサーっと晴れて、阿部ちゃんの顔が見えて…先に部屋を出て行くまで変わった事はなかった、はず」
「何か、音とか声とかは?」
「……ううん、聞いてない」
「ん、オッケー。全部予想範囲内」
朗らかな声を上げ佐久間が目黒の肩を気安く叩く。傍で聞いていた渡辺は片眉を跳ねさせ、訝しげに問い返す。
「佐久間の予想なんだろ?実際どうだかは分かんないじゃん」
「そうなんだけどね。目黒と俺達が一歩踏み出す切欠にはなる」
「……つまり?」
代わりに答えた宮舘へ渡辺が視線を移す。俺の番とばかりに佐久間は二人の間へひょっこり割って入り。
「つまり、闇が何なのか、なんで蓮を狙ったのかは分かんない。でも阿部ちゃんが自分で誘われて行ったんなら、光は見えて来るって話」
「…行ったのが阿部で良かったのかもね。俺達の誰かだったらパニック起こして詰んでたよ」
「真っ暗で何も見えな~い、怖~~い!よりココは何処で俺はどうなってるんだろう、を先に考えるタイプだもんね」
「あはは。もしかしたら謎解きを楽しんでそうまである」
「あるあるっ!目キラキラさせてさぁ…~すっげー可愛いんだよな、謎解きん時の阿部ちゃん」
「あの。阿部ちゃん可愛いって言うの俺だけでいいんで」
電光石火でツッコミに入る目黒を佐久間が嬉しそうに、頼もしそうに眺める。宮舘もまた、瞳を弧型に緩めて同じく。
「蓮はそれでいい」
「うん、目黒はその方向で阿部をよろしく 」
四つの力強い眼差しを真っ向から受け止めた目黒は頭を下げる。意思が固まった瞬間だった。
「……俺、阿部ちゃんの所行って来ます」
「じゃ、案内するわ。行こうぜ」
駆ける勢いで消えて行く黒とピンクを見送ってから、渡辺が唇を尖らせて小さく零す。
「…、…結局何がなんだか分かんないままなんだけど」
「考えるな、感じろ」
「は?」
「って、前に佐久間が言ってた」
「はぁ…で?俺は何をすればいいの」
「確か近くに神社あったよね。一緒に行って、阿部の事お願いしようか」
「いいんじゃない。行こ」
「夜の神社、怖くない?」
「~…り、涼太がいるからへーき」
「ふふふっ…そう」
「…あっ、そういえば佐久間のモノマネ!〝真っ暗で何も見えな~い、怖~~い!〟ってアレ絶対俺だろ!」
「さぁ?どうでしょう」
「笑ってんじゃねぇかよ!やっぱり俺だったんだな!」
軈て無人に戻る二箇所のロビー。
静かに始終まで見聞きし、そして終えた阿部が瞼を開き。
対面で待つ目黒の瓜二つへと微笑んだ。
「……君が何故めめの姿をしているのか漸く分かったよ、ジョン」
#❤️💙
コメント
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不思議世界早く解明できて元に戻って欲しいな 謎解きの世界 続き待ってます♪楽しみ

💚ちゃん、わかったの!?続き気になります💦 💜💛のターンがなんかジーンと来ちゃいました🥹そして今回も🖤→💚←🩷が垣間見えて喜んでおります…😙