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第一話 「放課後の空き教室」
午後四時三十分。
チャイムが鳴り終わり、教室には私だけが残っていた。
「……帰ろ。」
そう呟いて席を立った、その時だった。
──コンコン。
誰もいないはずの廊下から、小さくノックの音が聞こえた。
「……?」
恐る恐る教室の扉を開ける。
廊下には誰もいない。
気のせいかな。
そう思って歩き出した時。
ふと、一番奥の空き教室だけが、少しだけ扉を開けていることに気づいた。
こんな時間に、誰かいるのかな。
……先生?
そっと扉を開く。
夕焼けが差し込む教室。
机と椅子が静かに並ぶその部屋で、一人の女子生徒が窓際に座っていた。
制服。
黒髪。
横顔。
どこかで見たことがある。
その少女はゆっくりとこちらを向く。
「……え。」
息が止まった。
同じ制服。
同じ髪。
同じ顔。
鏡じゃない。
なのに、そこにいたのは──私だった。
少女はふわりと微笑む。
「如月 凛ちゃん……だよね。」
優しい声だった。
安心するような、柔らかい声。
なのに、足が動かない。
「待ってたよ。」
少女は向かいの椅子を軽く引く。
「座って。」
私は一歩も動けなかった。
そんな私を見て、彼女は困ったように笑う。
「何でそんな怖い顔するかなぁ。」
「大丈夫だから。」
「私は、あなたを傷つけたりしないよ。」
そう言って、机の上に一枚の紙を置いた。
白い紙。
#もう1人の私
まろん𓂃 𓈒𓏸🫧
153
中央には、黒い文字が印刷されていた。
『ご面談について』
私は紙から目を離せない。
すると彼女は、静かに微笑んだまま言う。
「今日は、あなたとご面談をするために来たの。」
教室に吹き込んだ風が、その紙を一枚だけめくった。
そこには、こう書かれていた。
面談対象者 ―― 如月 凛
私は、ゆっくりと顔を上げる。
目の前の少女は、変わらず優しく笑っていた。
コメント
3件
うわ、やばすぎる……!!😭💕 「自分とそっくりな自分」と出会うって設定、すでに心臓ドキドキするんだけど!?夕焼けの空き教室のノスタルジックな雰囲気と、優しいのにどこかミステリアスな少女のギャップがエモすぎる……! 「待ってたよ」って言われて足がすくむ凛ちゃんの気持ち、めっちゃわかる〜〜!! 続きが気になりすぎて今夜眠れそうにないよ!!推せる!!🌸✨