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私の名前はアンジェレッタ、通称アンジーと呼ばれているわ。よろしくね。
私は冒険者ギルドで受付嬢をしているのだけれど、最近になってよく同じ依頼を受けてくれる男の子がいるの。それが彼、エルクくん。ちょっと変わった子だけど悪い人じゃないし、それに見た目もいいんだよね。だからなのかしら……私が話しかけるとすごく嬉しそうにして、まるで尻尾を振る仔犬みたいに見える時があるの。もちろんそんな事は口に出したりしないけど。
それでね、今日もその依頼人が来てるんだ。
今度の相手はかなり大物だよ。
あのね……
あぁ、ごめんなさい。
ちょっと待っていてくれるかな。
もうすぐ来ると思うんだけど。
はい、お待たせしました。
えぇっとですね、今回こちらに伺った理由はですね。
実は、あなた様にお願いしたいことがありまして。
は? いえ、その……
そうではなくてですね。
私どもの方で調査したところによりますと、あなた様こそが今回の依頼人にふさわしいと判断した次第でして。
はい。
それはもちろん報酬もいただければと思いますし、もしよろしかったら仕事の内容についても詳しく説明させていただきたいと思っております。
ですからぜひとも一度、当方に足を運んでいただいた方が賢明ではないかと考えております。
はい。
どうぞよろしくお願い致します。
さて。
じゃあそろそろ帰ろうか。
うん、わかった。
またあとで電話するね。
ん? 別になんでもないけど。
どうしてそんなこと言うのかなって思って。
ふぅん。
ねぇ、君はまだ僕のことを好きじゃないのかな。
僕はこんなにも君のことが好きなのに。
なのに君は僕のことをちっともわかってくれないんだね 君にだって僕を理解してもらうことはできないさ 君のほうこそもっと僕のことを考えるべきじゃないのか 僕はいつでも君のことを考えてるっていうのに……
いつものように朝を迎え、いつものように朝食をとり、いつものように仕事に向かう。しかし今日だけは違った。それは突然だった。俺はトラックに轢かれそうになっていた少女を助けようとしたのだ。だがその瞬間、俺の人生は大きく変わってしまった。
「ん?ここはどこだ?」
目が覚めると見覚えのない場所にいた。そこはまるで神殿みたいなところだったが天井は無く空が見えていた。あたりを見渡してみたが何もないただ真っ白な空間が広がっているだけだった。
「えーと、確か女の子を助けたら急に眠くなって……」
状況を整理しようと思った時後ろから何か音が聞こえることに気がついた。振り返るとそこには巨大な扉があった。
「さあ、行きなさい!」と彼女は言った、「今すぐ出発しなさい! そうすれば、また会えるわ」
「でも、どこへ?」と彼は尋ねた。「どこに行けばいいんだい? 教えてくれないか」
「それは自分で考えなければだめよ。自分の目で見なくてはね」と彼女が答えた。
「でも、どうやって?」と彼は再び訊いた。
「あなたは自分の道を歩いて行くしかないのよ」
そう言い放った女の顔が浮かぶ。
その言葉を聞いたとき、男は絶望を感じた。
しかし、それでもまだ希望を捨てきれずにいた。
男の目の前には、一本の道があったのだ。
道はどこまで続いているのかわからない。だが、確実に前に進んでいる実感はある。
やがて、その道は光に包まれた。
新たな一歩を踏み出す瞬間だった。
道はここで終わっていた。
行き止まりである。
男の前に広がった光景は、一面の花畑であった。
「あなたは自分の道を歩んで行ったのね……」
女の呟くような一言が響いて消えた。
それは、あまりにも唐突な出来事だった。
俺はいつも通り会社に出社し、デスクワークをこなしていた。
今日中に仕上げなければならない書類もあり、パソコンに向かってひたすらキーボードを打ち続けていた。
しばらく作業を続けていると、ふと違和感を覚えた。……あれ? なんかおかしいぞ? なぜ今まで気付かなかったんだろう。……このイベントでは、アイテム欄を圧迫する『本』を使わないのか? よく考えてみたらそうだ。この本がなければ、あのイベントは成立しなくなる。
俺は慌てて机に戻り、本を鞄に詰め込んだ。
よし。これで準備完了だ。
そうして再びゲーム画面を見ると――
そこにはもう、俺の姿はなかった。……しまったああぁっ!? すっかり忘れていた。