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「ネットで炎上ですか…?」

「ええ、はい…」

とある法律事務所の一室。

弁護士バッジを胸につけた30半ばの男を前に、一人の青年が伏し目勝ちに答える。

弁護士の名前は唐沢直樹。東大法学部在学中に司法試験に合格。

卒業を待たずに中退し大手事務所に勤務。

そして去年、ここ五反田に小さいながらも立派な自分の事務所を作ったというわけだ。

その一方で唐沢の質問に答えているのは長谷川亮太、今回の顧客である。

彼が持ってきた依頼はいわゆる「ネット炎上」であった。

コテハンをつけるという紐付けが容易な形で発言を繰り返し、その中に近所の情報を書き込んでしまったため特定されたという。

「あいつら僕に嫉妬して、僕は何もしていないのに住所をばらまいて…」

「なるほど。分かりました。誹謗中傷は解決可能です。私にお任せください」

唐沢のこの言葉に長谷川の顔が明るくなる。

「本当ですか!あ、ありがとうございます!」

「しかし、最後に確認したいことがある」

一瞬部屋の空気が凍りつく。何とも言えない威圧感がその場を満たした。

「な、なんですか?」

ひと呼吸おいて唐沢は答える。

「隠し事…していないですよね?」

「か、隠し事!?」

「ええ、例えばネット上で不特定多数の人を煽り不快にした、差別発言を繰り返した、なんてことは」

「し、してないですよ!」

長谷川は急に立ち上がり叫ぶ。

唐沢はその顔をじっと見つめる。

「分かりました。信じましょう。炎上、解決してみせましょう」

「あ、ありがとうございます」

「ただし!もしあなたが嘘をついていた場合、それなりの代償を払ってもらいます」

「な…」

「それでも構わないというならば、この契約書にサインをしてください」

長谷川は若干震える手でそこにサインをする。

唐沢はにやりと笑い口にする。

「やられたらやりかえす!倍返しだ!」


(続く)

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