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福岡県に住むAさんは,霊感が強く学生時代からたびたび霊を見るそうです。高校時代のある日のこと,彼氏の車に乗っていると奇妙なものを目撃しました。場所は,福津市見坂峠。ちょうど峠を越えて市街地のほうに下りたところでした。コンビニの灯りがこうこうと光る信号で車は止まりました。「ええっ,あれは,,,⁉︎」ふと,道路脇にある電信柱を見ると,男の子が立っていました。異様なムードに危険な気配を感じました。(これはやばい。人なのか霊なのか,どっちだろう?)男の子は帽子をかぶり白い長袖シャツに,紺色の短パンでランドセルを背負っています。下を向いたまま,暗い顔で立っているのです。(多分、生きてる子ね。道に迷ってこの子は家に帰れないんだわ)本能的にそう思いました。だが,次の瞬間,男の子の背後の風景がすけて見えました。(あっ!こんな時間に小学生がいるはずはない。やっぱり霊だ。これは見てはいけない!)ですが,すでにおそく、男の子はAさんの方にゆっくりと顔を向けてきました。やばい,やばい,こっち見ないで!自分の姿が見えているAさんに,すがるような目でうったえかけてくる男の子の霊。Aさんは必死に視線をそらしました。(ごめん,私何も出来ないし,,,、こっち見ないで,,,)(じーっ)とみつめる男の子の視線。(怖い,怖い,男の子の方を見ちゃう)ほんの数十秒の出来事でしたがAさんにとっては何分にも思えました。(早く,早く,早く信号が変わってほしい)Aさんはひたすら見ないふりをしたのです。「やっと青に変わった」赤信号でいらいらしていた彼は青信号になり,ようやく車を発進させました。「しかし,長い信号だったな」彼氏はAさんに起こっていた事件など気にもせず順調に車を走らせました。(本当によかった。あれ以上,あの強い視線で見つめられていたら男の子の方を見てしまったかもしれない)横でハンドルをにぎっている彼氏には見えてないようでした。その日はそのまま帰宅しましたが,彼氏とはその後,二、三日連絡がとれなくなってしまいました。(どうしたんだろ?)Aさんは心配しましたが,数日後,彼氏から電話がありました。「どうしたの?最近連絡がとれなかったけど」彼氏は申しわけなさそうな声で言いました。「ごめんね。Aちゃん,オレさぁ,原因不明の高熱で数日うなされてたんだよ。」医者の出す薬がきかず、あまりにも不自然な高熱なので,ある霊能者のところに行くとこう言われたそうです。「あんたに,子供の霊がついておる」男の子霊は彼氏の方を見ていたのです。
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