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童話事件簿

8 - 第8話

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2025年01月27日

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〜凛音〜 なんかだ色々と見えてきた気がする。被害者はかく語った。彼らはどうして呪われたのだろうか。現場に聞くのが一番、早い。そいつ……犯人がいるであろう図書館へ向かおう。まさかとは思ったが、裏側にも入り口がある。駆逐完了、侵入成功、気分はまさに感無量。

「こんなの見つかったらどうなるか……」

「大丈夫だよ。その時、謝ろう」

「何が大丈夫なんだよ……」

 忘れちゃいけないが、桜太郎も自分から事件捜査に首を突っ込んでいる。集めた情報を元に図書館を探索し、仕掛けを解き明かす。これは……何かありそう。真っ暗。足場も悪い。ついに変なところまで来てしまった。つまり人に見つからない間が捜査をできる時間。

「凛音ねえの肝の据わり方はすごいね」

「フォローしてる? 貶してる?」

「フィフティーフィフティー」

 桜太郎が持っていた紙を見つけた。何かがあったのか。

「あかり貸して」

 これは……メモ? よく読めないところも多い。単語は見える。不思議……の……国の……アリス……? すぐには気づかなかったが、ビデオもあるようだ。今の時代にビデオ……? 知っている限りのやり方で再生を試みる。

「そこ止めて」

 ビデオに何か写っているらしい。

「これ見て」

 結構、最近のものらしい。色々な物語の朗読が録音されている。ビンゴだ。私たち以外にも事件を追っているものがいるのだろうか。図書館の地下は実験場に繋がっていた。やったのはアイツかもしれないといったか。やはり犯人は只者じゃない予感がする。実利だけで結ばれた関係は脆く壊れやすいものだ。ボロカス言われる。

 〜桜太郎〜

「これ、不思議の国のアリスは作者のルイス・キャロルがアリスにあげた物語なんだ」

「キャロルには娘がいたの?」

「ううん。アリス・リドルはキャロルが先生やってた学校の学寮長の娘」

「アリスのフルネームってアリス・リドルなの⁉︎」 

「某捻れた世界のゲームから史実、調べだした人はビビっただろうね」

「おっと、それ以上は」

「当時一〇才だったアリスにねだられて作った物語を本にしてあげて、知人の勧めで出版したわけ。それでアリスってどういう話かっていうとね」

 ある昼下がり。アリスは本を読んでいる姉の横で暇を持て余していた。そこへ懐中時計を持った一羽のウサギが忙しそうに走っていた。アリスは興味を持って追いかける。

「うーさーぎーおーいしー♪」

「カーノーヤーマー……じゃないんだよ!」

 そして穴に落ちていった一人と一羽。そこからはひたすらに淡々と不思議なことが起こり続ける。ケーキやドリンクで大きくなったり、小さくなったり、涙の池を渡ったり、ネズミと話しているうちに大量の動物が集まっていたので、みんなでかけっこしたり(最終的に誰が優勝したのか分からなくなってしまったのでアリスが動物たちに景品としてキャンディーをあげて、動物たちはアリスが持っていた指ぬきをもらってアリスに景品として渡した)、ウサギの家で巨大化しちゃったり(騒ぎになってトカゲが煙突に放り込まれてアリスに蹴飛ばされる。重傷を負ったトカゲはモルモットに保護される)、キノコで大きくなったり小さくなったり、蛇と喧嘩したり、公爵夫人の家でメチャクチャしたり(そしてそれをニチャニチャして見ているチェシャ猫……)、三月ウサギとマッドハッターとお茶会したり(訳の分からない会話劇が延々と続いていく)、トランプの庭師たちと薔薇を塗ったり、女王様とクロッケーをしたり、ニセウミガメに話を聞きに行ったり、ロブスターを投げたり、女王のタルトが盗まれたので裁判が起こったり(お茶会で会った皆が証人になっていたり)、アリスが女王と言い合いになって……そこで目が覚める。

「最後、完全にぶん投げたね! アリスのストーリーと設定って全体的に意味不明とも不気味ともとれるよね」

「作者のルイス・キャロルは物語に意味を持たせることを嫌っていた。当時は教育制度に変化が訪れていて、新しい作品の在り方が必要だったんだね」

「何で童話なんて集めてたんだろう」

 凛音ねえが何でか持ってきているお菓子をつまみながら言う。タフでしぶとい。知らずにはいられない。でも本当に何でなのだろうか。もしかしてと思い、先ほど見つけたビデオを再生してみる。ああ、やはりだ。今までの事件で使われていた童話がここに記録されている。そしてこれから使われていくであろう童話も。

「絶対それ他所で言うなよ?」

「人に言える立場?」

「どういうこと?」

「まんまだよ」

 古くなっているであろう箱も見つけた。こんなものは乱暴に開けてOK。今まさに開けられようとしている。大方、調べたが、証拠という証拠はない。他にも恐怖に蓋をして色々なところを一通り調べて回って今日は帰った。

「私、あの図書館、嫌い」

 それが図書館を出てからの第一声だった。正直、僕も同感だ。表面上はあんなに穏やかそうにしておいて地下牢なんて隠し持って。

「だから疑ってるのよ」

 一旦、人が少ない時を狙ってカフェに向かった。二人で肩を並べて事件の再検証だ。いきなり誘われたので二つ返事のイエスを返して。どちらかの家でもよかったが、家は無理そうだったから。一応と注文したコーヒーを啜りながら、ノートにメモをしながら状況を整理していく。地下牢……ビデオ……童話……

「あの地下牢、怖すぎるでしょ」

「だよね……ちょっと待って、僕たち今まで地下牢って言ってた? 地下室じゃなくて?」

 そうだ。よく考えたら果てしなくどうでもいいことなのだろうが、あそこには地下牢としか感じざるを得ない何かがあったのだ。

「やっぱりあの図書館は何か知ってるってことなんじゃない? ビデオだってあったし。あの図書館や童話がどこまで事件に関わっていくのか調べるべきじゃない?」

 やはりそういうことになってくるのだろうか。最初は聞き流すつもりだったが、遅れてゾッとしてきた。否定したかったが……。

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