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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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今のチームでの新しいプロジェクトの打ち合わせで、俺は山本菜々子さんと一緒にクライアントに会いに行った。



クライアントは有名旅行会社。



ある温泉地のCMを手掛けることになった。



人気の俳優もCMキャラクターに決まった。



ポスターやCM撮影の前には、実際に何度か現場に足を運んで視察もする。



カメラマンとして腕がなる仕事だ。



恭香がいないのは寂しいが…



それでも、毎日の彼女の笑顔が俺の力になっていた。



『本宮さん…さっきからずっと黙ってて、どうしたんですか?』



助手席に乗る山本さんが、俺に言った。



『…ちょっと考え事してた』



『いろいろ考える事があるんですね。御曹司ともなると』



『そういうわけじゃない』



山本さんが言ってる言葉の意図がわからない。



『本宮さん、今度…良かったらお食事でも行きませんか?』



俺は、突然の誘いに戸惑った。



『悪い。そういうの苦手だから』



『そんな風には見えないですよ。いっぱいガールフレンドもいるんですよね、きっと。本宮さんなら周りが放っておかないですよね』



苦手だ…こういう女性は。



『ガールフレンドか…』



『いるんですか?』



隣から注がれる視線。



止めて欲しい。



『…今は、いない…』



『本当に?本宮さんみたいなイケメンが彼女いないなんて、嘘みたい。じゃあ、私、立候補していいですよね?』



嘘だろ…



『それは…』



『本宮さん。私、あなたの彼女になりたいです。初めて会った時から、本宮さんのこと…』



『悪い、今は仕事のことだけ考えたい。それに、彼女はいないが、俺には…ちゃんと想ってる相手がいる』



思わず言ってしまった。



『嘘…誰なんですか…?その人』



俺はまた黙ってる。



『まさか…最近よく話してますけど、恭香ちゃんじゃないですよね?』



え…



思わず息を飲み込んだ。



『まさか本当に…?どうしてあんな子』



『あんな子?ってどういう意味?』



イラッとした。



『…恭香ちゃん、いい子ですけど、やっぱり華がないって言うか…こんな言い方したら可哀想ですけど、そんなに容姿も良くないのにどうしてなんですか?本宮さんみたいなカッコいい御曹司なら選び放題でしょ』



『それが山本さんの本音か』



『…』



『御曹司なんて、俺をそんな風にしか見れない女は…到底彼女にはしたくない。同じ会社の仲間をそんな風に言う山本さんの根性が嫌いだ。仕事が出来るところは評価されてるだろうが、人間としてどうかと思う』



女性にこんな言い方をしたのは、初めてだった。



『ひどい言い方。恭香ちゃんなんかのどこがいいのか全く気が知れないわ』



『森咲は…心が綺麗なんだ。それに…顔も可愛い。あいつの笑顔は、周りを癒して俺を元気にしてくれる』



山本さんは厳しい顔付きだ。



出来れば、仕事の打ち合わせの前にはしたくない会話だったのに。

私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!

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