「あ!うさんくさいやつう?生きてるぅ?」
叶のスマホから聞こえたのは悪魔であるでびでび・でびるの声だった。
「え、でびちゃん?どうして電話かけれるの?」
叶は驚いた。
葛葉と叶達がいた世界と呪術廻戦の世界で電話が出来るなんて思っていなかったのだ。
同じく電話を聞いている五条や生徒達もよく状況が理解できていない。
「そっちに吸血鬼もいる?てか、お前らどこいんの?」
でびでび・でびるが叶達の気お構いなしに話しかける。
「んぇ~、吸血鬼いま~す…。」
葛葉はやっと話せるまで回復した。
叶と葛葉は自分たちに起こった出来事を話した。
「でびちゃん原因分かる?」
叶はこちらの世界に来てしまった原因をでびでび・でびるに尋ねてみた。
「うわー、それは大変だったな。原因は…多分だけど~…。」
でびでび・でびるはもじもじしながら話し始めた。
それを要約するとでびでび・でびるが開くはずだった魔界の扉がなぜか開かなかった。
扉が開かなかった事に焦りいろいろな魔力を使ってしまったのだ。
たくさんの魔力が複合され、事務所の自動ドアが呪術廻戦の世界への扉になってしまったらしい。
しかし、呪術廻戦の世界への扉になったのは一瞬だった。
その一瞬に葛葉と叶は扉を開いてしまったのだ。
「それ……悪魔のせいじゃねぇか!!」
葛葉が叶のスマホに向かって叫ぶ。
「うわぁ、でびちゃんやっちゃったねぇ。」
怒る葛葉に悪い笑顔をする叶はスマホの向こう側にいるでびでび・でびるに向ける。
「ふぇ、ごめんなさいぃ…。戻る方法はあるからぁ!」
でびでび・でびるは元の世界に戻る方法を話し始めた。
その方法は呪霊の体液などを使い、でびでび・でびるが教えた魔方陣を描く。
それに葛葉の魔力を使うことで元の世界の扉を出現させることが出来るらしい。
「えー、呪霊の体液使うの…。」
叶が嫌そうな目をする。
「大丈夫!呪霊の体液なんてすぐ手に入るよ。僕たちは呪術師だからね。」
五条が叶達の会話に入る。
「高いレベルの奴じゃないと無理だからな。違う世界を繋ぐんだから。」
でびでび・でびるは五条の言葉に食い気味で答える。
確かに元々は交わらない二つの世界なのだ。
それを繋ぐためにはそれ相応の呪霊が必要なのだろう。
「でびちゃんがそっちから扉を開けばいいんじゃないの?」
叶が聞く。
「え、無理。なんの魔力使ったか覚えてない。」
スッパリと叶の提案を切り捨てるでびでび・でびる。
叶はでびでび・でびるの返事に顔が真顔になる。
「あの~…俺達も手伝いますよ。葛葉さんと叶さんが元の世界に帰るの。」
虎杖が手をあげた。
「「はぁ!!!??」」
虎杖の言葉をを聞いた伏黒と釘崎は驚いた。
「あ、本当?じゃあ悠仁と恵と野薔薇の三人と一緒に呪霊を倒すついでに探しなよ。ちょうどいいレベルの呪霊をさ。」
五条がソファーから立ち上がった。
「「はあ!!!???」」
五条の言葉にさらに伏黒と釘崎は叫んだ。
急に決まったことにポカンとする葛葉と叶。
真希達は後は後輩達に任せるかのように応接室から出ていく。
「寝泊まりする場所と食事はこっちで用意するから安心ししてね。」
五条も応接室を出ようとする。
「え、いいんですか?」
叶は戸惑いながら五条に尋ねた。
「部屋は余ってるし。大丈夫でしょ。じゃ、僕は学長に報告して来るね~。」
五条はそう言い残して応接室から出た。
「ま、頑張って戻ってこいよ~。」
でびでび・でびるもそれを言ったと同時に電話を切った。
応接室に残った五人。
沈黙が流れる。
「よ、よろしくお願いします。」
叶は少し気まずそうに微笑んだ。
コメント
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今回も、早めの投稿ありがとうございます!