テラーノベル
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ちゃ
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深夜。
勇 斗は満足げな顔で、仁 人を腕の中に閉じ込めたまま眠りについている。
規則正しい寝息を聞きながら、仁 人は愛おしそうに勇 斗の頬へ手を寄せた。
そして。 暗闇の中で、ふっと口角を上げる。
勇 斗が独占欲丸出しで嫉妬をぶつけてきた今回の出来事はすべて、仁 人が描いたシナリオ通り。
メンバーと話すときも少し距離を近づけてみたり、わざと勇 斗と目を合わさないようにしてみたり。
勝手に嫉妬して、強引に俺を連れ去りに来るように。
ずっと、静かに、計算高く、その瞬間を待ち構えていたのだ。
仁 人は知っている。勇 斗は真っ直ぐで、自信満々で、 少しお門違いなほどに自分を愛していることを。
そして、その独占欲を煽り立てて、 なりふり構わず自分を求めてくる勇 斗の姿こそが、 仁 人にとっては、何よりの『愛されている証拠』だった。
(……こうすれば、お前は絶対に俺から目を離さない)
勇 斗は信じ切っている。 「自分が仁 人を独り占めしている」のだと。
けれど、実際はその独占欲を巧みにコントロールし、 自分の望む方向へ牙を向かせていたのは、仁 人だった。
「……バーカ。お前は一生、俺の手のひらの上だよ」
勇 斗の腕に、さらに深く潜り込む。
勝利者のような微笑みを浮かべて、仁 人はゆっくりと目を閉じた。
すべては、リーダーの戦略通り。
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