忍術学園の保健室は地獄とかしていた。
「いらない布をもっと!」
「血が止まらない!」
「脈拍がおちてきてます!」
新野先生と伊作、先生方の慌てた声を聞きながら仙蔵は保健室から少し離れた廊下に祈りながら座っていた。
「仙蔵。」
「‥‥‥文次郎。」
顔をあげると、文次郎がたっていた。
左吉を抱えていたからだろう。彼の装束は所々血がついている。
「血がついているぞ。井戸で落としてきたらどうだ。」
そう言うと、文次郎は眉間にシワを寄せた。
「お前もだろう。」
そう言われて装束を見ると、文次郎以上に血塗れだった。
「はぁ。一旦風呂に入ってこい。下級生に見られたらまずいだろう。」
「あぁ。」
仙蔵は突きつけられた着替えを持って、風呂場へと向かって歩いていった。
仙蔵が戻ってくると、保健室は静かだった。
「仙蔵。今治療が終わったよ。」
伊作が頬についた血を拭った。
「今夜、今夜をのりきったらとりあえず一安心だよ。のりきっても、伝七の怪我は酷い。いつ完璧に治るのかも分からない。」
「そうか……」
「そばにいてあげなよ。」
「そのつもりだ。」
仙蔵は保健室の戸を開けた。
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