月見。
月見。
いい夫婦の日
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんはUターン! ・青黒がお付き合い、同棲中 ・先日🎲さんのチャンネルで投稿された相性診断の動画ネタ×いい夫婦の日ネタ ・nmmn
月見。
黒
静かな部屋に、憂いを帯びた顔をしている人物がいる。
解消しきれないもやもやとした気持ちが、先程から胸の中を渦巻いていた。
頭の中に居座るのは、YouTubeの公式チャンネルによって投稿された動画の内容だ。
“相性悪くない!?”
“悪いね〜”
“相性2しかないぞ!”
周りで囃し立てるメンバー達の言葉が、頭の中で再生される。
・・・たかが、相性診断。そりゃ外れていることだってあるし、そんなたった一つの結果に振り回される必要なんてないだろう。
以前までの自分なら、特に気にすることもなく、そうやって簡単に割り切っていた筈だ。
なのに、さっきから考えるのはずっと、あの結果のことばかり。
虚しく並んだたった二つの星が、何か嫌なメッセージを伝えてくるかのようで。・・・嫌だった。
気にしないようにしようと思えば思うほどそれは逆効果というもので、心のモヤモヤは消えるどころかその曇りを一層強めて行った。
・・・あれから数日経った今も、俺は胸のもやもやを拭えないでいる。
まろとの時間を無邪気に楽しむことすら、上手く出来なくなっていた。
すぐに頭をよぎるのは、あの二つの星。二人の相性。
自分のどんな行動、言葉が、いつ彼の繊細な部分に触れてしまうかわからない。
もしそうなった時、彼は俺の元を去るだろうか。二人がなんとか寄り添っているようなあの星は、孤独になってしまうのだろうか。
彼に嫌われてしまわないかという不安にばかり怯えて、彼の顔すら上手く見れなくて。
あぁもう、こんなこと考えたって何一ついいことはないって分かってるのに。分かってるのに、この思考は止まらない。
そう言えばまろ、ほとけとないことは相性良さげだったな。ないことなんて星四つも並んでたし、かなり良い方だった。
ないふ、人気だもんな。公式ペアの中なら結構人気上位に入ってくるんじゃないだろうか。と言うかまろって公式ペア人気だよな。ないふもだし、青組も・・・。
黒
これ、俺いらないんちゃう?
だってそうやろ、まろはないこと一緒にいる時は本当に楽しそうだし、幼児退行して甘えてる感じもある。ないこになら任せられると言うか、彼相手なら思う存分はっちゃけられるんだろう。お互いがお互いを頼りにしてる感じもする。
ほとけがいる時、仲悪くないとかお互いに言ってるけどアイツは結局楽しそうで、なんだかんだ構いたがりだ。ほとけの誕生日プレゼントだって楽しそうに選んでいた。仲良しなのだ。
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滲んだ視界に、嫌になる。
どうやったって、俺はアイツの一番にはなれない。
まるで気遣いで付けたおまけ程度の星なんて。・・・いっそのことない方が。
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突然耳に届いたその声に、ビクッと体を震わせ思わずソファから立ち上がりかけた。
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嘘だ、声をかけてくれてたのか?全然気付かなかった。
瞳に貼った水の膜に、気付かれていないだろうか。まだ溢れていなかったことだけが救いだ。
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不意に呼ばれた名前に、はっと顔を上げた。いつもはあにきって呼ぶのに、どうして今。
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目の前に差し出されたのは、白くてふわふわの。
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少し大きめのシ○モンぬい。相変わらず垂れた耳が愛おしい。こっちを見つめる顔の緩い口がとにかくかわいい。
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そのかわいさに感動している俺の前に再び出されたまろの手に乗っていたのは白い箱。開けて見てみると・・・、
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箱に書かれた文字を読めば、すぐにとある記憶と結び付く。
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なんでも人気過ぎて数時間並ばないと買えないんだとか。
テレビで放送されていたのを、この間ぼんやりと眺めていたばかりだ。
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何度目かのまろからの贈り物の後、俺は漸く言葉を差し込むことができた。
大声を上げてストップを訴えた俺に、まろが手を止めてどうしたん、と尋ねる。いや違うだろ、どうしたんはこっちの台詞だわ。
ソファに座る俺の膝の上から周りまで、今や物で溢れ返ってしまっている。
気になっていたアクセサリー、そろそろ買い換えたいと思っていたスマホケース、これからの季節を乗り切れそうなもこもこのパーカー、その他諸々。
流れ作業のように次々まろの手から渡される物達に、俺の混乱は深まるばかり。
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一体何があったのか、何が彼をここまで突き動かしたのか、俺には皆目見当も付かなかった。
疑問をぶつける俺に、まろは不満そうに頬を膨らますことも、面白そうに笑うこともなく、数回の瞬きの後口を開いた。
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目の前にぱさりと音を立てて差し出されたその、目を惹く鮮やかな五つの赤。
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と言うか、そのくらい大切にさせてほしい。柔らかい笑顔を浮かべて、まろがその目を細める。
温かくて真っ直ぐな瞳が、俺の目を見据えている。
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優しい声が俺の耳に溶ける。込み上げてくるものを抑えて、俺は無言でその花束を腕の中へと迎え入れた。
黒
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あーあ、ここ数日悩んでいたのが、まるで馬鹿みたいに。
俺が胸に抱えたどんな不安も、君はこんなにも簡単に拭い去ってしまう。
世界一の、魔法使いだ。
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その目を見て微笑めば、まろは静かに息を呑んだ後、ゆっくりその口元を緩めた。
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ちゅ、と軽やかな音を立てて、目元に落とされる口付け。・・・泣いてたの、やっぱバレてたんか。
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滅多に無いまろからのディスりに、思わず声を上げる。でもその声は、とても甘くて。
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唖然として、俺はただ瞬きを繰り返した。
まろのなんの揺らぎもない瞳に灯る、強い自信。
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俺の顔を覗き込むようにしてまろが尋ねる。・・・何もかも、分かってるくせに。
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だって、こんなにも沢山の愛に包まれているんだから。
相性診断なんて知ったものか。彼からのここまで強い愛を、優しい愛を受けていながら、今更何を不安になるんだ。
相性なんて気にしなくたって、彼はこんなにも愛を証明してくれる。
・・・きっと彼はもう、不安になる暇すら与えてくれないんだろう。
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冬が近付く静かな夜に、二人は幸せを分かち合う。
肌寒いこんな夜だって、二人の愛が何よりも温かい。
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コメント
18件
あっごめんなさいちょっと尊すぎてコメント忘れてました あの…え、 え??? あの………え、 天才…なんですか? あの…え、ほんと、え?? え、え? あの語彙力全部飛んでったんですけど…??? えあの天才なんですか?? なんで青黒ってこんなに尊いんでしょう?こんなことあります?死にますけど??
( ◜ω◝ )しゅき 青黒最推しにはたまんないっす…… 月見さんの青黒小説毎回最高すぎて泣くわほんとに、最後がぁぁぁぁ!めったすこ これからも青黒小説楽しみに待ってやす✨