雨は、嫌いじゃない。
梅雨
特に理由はないけれど
私の名前も、梅雨、だし。
梅雨
梅雨
梅雨
梅雨
梅雨
校門の前をくぐり抜けた
とき、
ずぶ濡れになっていた、
君を見つけた。
梅雨
君は大きな瞳で
私を見つめた。
梅雨
梅雨
梅雨
梅雨
梅雨
驚いたような表情をして
傘を受け取らない君に
私は強引に傘を差してあげた。
梅雨
梅雨
そう言って私は
ダンボールに入っている
君に、
ずぶ濡れになっていた
捨てられた子犬の君に、
背を向けて
雨の道を走り出した。
梅雨
梅雨
突然降って来た通り雨は、
もう姿を消そうとしていた。
梅雨
梅雨
梅雨
やっぱり私は
雨は、嫌いじゃない。