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※百合

※この物語はフィクションです

まい

…ははっ、意外だな。あんたがこんなこと言うなんて

いつもの大人しく上品そうなイメージとはかけ離れた言葉

まい

(何が目的だ?こいつ…)

かれん

あなた、なつみさんのこと嫌いでしょう?

かれん

だから協力してあげようと思って

彼女はいつものように微笑を浮かべた

こちらの出方を伺うように

まい

…協力?一体何をするつもり?

かれん

わかるでしょう?

あの女を地に落とすの

まい

…!

彼女の顔に微笑は消えていた

びっくりするほど真顔で私を見つめている

まい

(本気なのか…こいつ)

だが、実際なつみのことは嫌いだ

こいつの話に乗ってもいい

まい

そりゃあ、いい考えだな

まい

私は交友関係も広いし、あんたにとってちょうどいいってわけだね

彼女はにっこり笑った

今見ると胡散臭い作り笑いにしか見えない

かれん

話が早くてうれしいよ。あなたにして欲しいことは…

まい

おい、待てよ

だけど、いきなりこいつに従うのは癪に障る

かれん

何…?

彼女は怪訝そうにこちらを見た

まい

一つ聞きたいことがあるんだ

あんたは何ができる?

かれん

…はぁ?

思わず声がでてしまった

かれん

(めんどくさいな…ささっと従えばいいのに…)

まい

私が悪口を流せば、簡単に広まるし、それに情報だってたくさん持ってる

かれん

…つまり、それに匹敵するものを出せと?

まい

そういうことだね

まいは目を細めて笑った

私を試しているようだ

かれん

(匹敵するものねぇ…)

私は今まで向けられきた言葉を思い出した

かれん

(そうだ…ある。まいにもゆのにもないものが)

かれん

…まいちゃんは私にどんなイメージを持ってた?

まい

イメージ?

まい

なんか…大人しいとか、上品とか?

かれん

そう。それよ

私はまいの目を見て、はっきりと答えた

かれん

私は上品で可憐、そして優しくて大人しい

まい

…そう演じてるだけだろ

かれん

でも、大半の人間は私をそう認識してる

まい

…それがあんたの強みとでも?

まいは吐き捨てるように言うと、見下すように笑った

かれん

(これだけじゃあ、足りないか…なら)

かれん

…そんな私がもし、まいちゃんに虐められたーって泣いてたらどうする?

まい

…は?

かれん

みんな、どちらの味方につくと思う?

まい

なんだ?脅してるのか?

まいは動揺したのを隠すように語彙が強くなる

かれん

そういうわけじゃないよ

私はなるべく優しく話した。敵意が無いことを伝えるように

かれん

私の強みは同情を誘うこと

かれん

特に男の子なんかは私を守りたがるでしょうね

そうだ。これが私の強み

ニコニコしていれば勝手に人が寄って来て

困った顔をして頼めば、男の子はなんでもしてくれた

まい

…ははっ、なるほどなー。確かにそうかもしれない

まいは笑った

だけど、その笑みは今までの嘲笑とは違った

まい

いいね。気に入ったよ

まいは私に手を差し出した

まい

あんたに協力しよう、かれん。これはその証だ

私はまいと握手をした

かれん

えぇ、よろしくね。まい

かれん

(これでよしっと…)

私はゆのに作戦がうまくいったことを連絡した

かれん

(わたしはきちんと仕事をした…あとはゆの次第ね)

ゆのの仕事はなつみさんを誘導することだ

なつみさんを疑心暗鬼にさせて、孤立するように仕向ける

かれん

(はぁ…めんどくさいことするなー)

かれん

(これじゃあ何日かかるのよ…それに、私にメリットは特にないし)

でも、これはしょうがないことだ

みーちゃんと私の生活を守るため

かれん

(てかもう、ゆのを殺してしまった方が早いんじゃ…)

「君と協力したいの」

かれん

ゆのが私に向かって言った言葉だ

あの時のゆのは真剣だった

かれん

(まぁ…最後まで付き合ってあげるか…)

かれん

(ゆのが信じる愛の結末…見ててあげるよ)

【創作百合】タヒ体が眠るワンルーム

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