司会者
どんどん入学式は進んでいき、 そろそろ呼ばれる頃かな、 と席を立つ用意をする。
JUNGKOOK
心の中でそう活を入れた時、
司会者
体育館に響く、司会の声。
司会者
名前を呼ばれ、 立ち上がる。
JUNGKOOK
少し声が裏返った気もしたけど、 気に壇上へと歩き出した。
一気に集まる視線。
人前に出るのが苦手な僕は、 内心逃げ出したくていっぱいだ。
でも、改めて実感できる。
あぁ僕、やっと高校生になれたんだって。
少しだけど、やっと…… 追いつけたんだって。
本当はね、 自分が描いていた未来予想図と、 全く違うんだ。
それは3年半前、 テヒョニヒョンが僕の前から去っていったから。
いつも引っ張って、 守ってくれたあなたがいなくなったあの日から、 これからどうしていいのかわからなくなった。
でもね、僕、 どうしても諦めたくない。
どんなに嫌われたって、 嫌がられたって……。
……諦められないよ……
だからテヒョニヒョンが通う学校に僕も入学したんだ。
司会者
長々と代表の挨拶を読み上げ一礼をすると、 館内が拍手に包まれる。
今にも恥ずかしさに倒れてしまいそうな僕は、 少し早足で自分の席に戻った。
JUNGKOOK
今日はもう、 早く帰って休もう。
それで明日、 テヒョニヒョンに会いに行こう。
3年の教室に。 ビックリさせてやるんだ。
司会者
明日、 3年ぶりにテヒョニヒョンに会える。
JUNGKOOK
司会者
僕は自分の耳を疑った。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
急激に、早くなる心臓の鼓動。
苦しいくらいの胸をぎゅっと押さえながら、 じっと壇上を見つめる。
JUNGKOOK
司会者
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
僕が新入生代表に出たのを見て、 体育館から出ていってしまったのかもしれない……。
普通は、 そんなことくらいで出ていくなんて発送は浮かばない。
それでも、 テヒョニヒョンなら、 ……ありえる。
だってテヒョニヒョンは、 それほど僕を__。
僕は下唇をぎゅっと噛み締めた。
わからない、わからないけど、 もしかするとまだ、 テヒョニヒョンがこの辺にいるかもしれない。
急いで立ち上がり、 体育館の出口に向かって走り出す。
在校生の挨拶が始まった中、 僕の行動にあたりがざわついてるのがわかった。
JUNGKOOK
でもいいんだ。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
体育館を出て、 あたりを見渡す。
出たところに人影はなく 体育裏に向かった。
JUNGKOOK
__息が…止まった。
心臓が、脈が、体中が… ドクンと音を立てて震えたのがわかった。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
目の前にいる。
ずっと会いたくてしかたなかった、 テヒョニヒョンがいる。
壁にもたれかかり、 顔を手で覆いながら頭を抱えるように座り込んでいる。
最後に会った時と比べて、 身長も伸びていて、 髪型も変わっていて、 でも… それでも… 確信した。
JUNGKOOK
…目の前にいるのは絶対、 テヒョニヒョンだと。
僕が待ち望んだ、 世界で1番、 大好きな人だと。
めいっぱいの声で名前を呼べば、 ビクリと揺れるテヒョニヒョンの体。
顔から手を離して目を大きく見開くと、 ゆっくりこちらの方を向いた。
V
そして、 僕を見ながら、 何かを言おうとしてぐっとこらえたテヒョニヒョン。
『グガ』って言いそうになったのかもしれない。
昔から、 テヒョニヒョンは僕のことをそう呼んだ。
ゆっくりとテヒョニヒョンに近づいたのも束(つか)の間、
V
久しぶりに聞く、 テヒョニヒョンの声。
それは、 敵意のこもった拒絶だった。
JUNGKOOK
V
冷たい一言に体が硬直する。
なにそれ、 知らないふりなんて…
さっき僕の名前、 言っちゃいそうになっていたの知ってるよ…?
それに、テヒョニヒョンが僕のことを…… 忘れるはずない。
だって、僕はテヒョニヒョンに “傷“ として、 深く刻み込まれているはずだから。
JUNGKOOK
V
JUNGKOOK
V
JUNGKOOK
V
テヒョニヒョンの顔から、 ひどく動揺しているのが手に取るように伝わってきた。
どうしてここにお前がいるんだって、 言いたそうな顔。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
V
V
JUNGKOOK
JUNGKOOK
V
V
JUNGKOOK
V
心底鬱陶しそうなテヒョニヒョンに、 体がビクッと震える。
もう、 僕の話なんて聞いてくれない。
コメント
7件
この高校に転入したいんですがどうすれば良いですかね((
こんなところでがとのろでになってますよ!
全然大丈夫ですよ👍めっちゃ面白いしテテとグクはどうなるのかなってわくわくしますよd=(^o^)=b