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ˢªⁿ
25
リリア💙🤍
94
🫧想美🎐🍏
1,357
あれから十二年
彼女と決別して十二年
未だに 俺達は再会していない
彼女とは 会えないままだ
どれだけ探しても
どんなに君を追いかけても
君の名前すら 掴めない
君の笑顔も 忘れてしまった
だから
だから
君がいた この場所で
君が好きだった この場所で
もう 、全部
心も 、体も
消してしまおうか
君に捧げようか
ヒ ュ ー
万 次 郎
彼女が好きだった屋上
今日 この場所で
俺は俺に 終止符を打つ
万 次 郎
万 次 郎
そっと夜風が頬を撫で
俺の白髪を風靡させる
万 次 郎
俺は最期の瞬間を前にして
彼女の
璃雨の事を 想い出していた
彼女と決別してから
いや
彼女を突き放してから
十年以上の月日が流れた
彼女の優しい声も
彼女の綺麗な瞳も
彼女の眩しい笑顔も
もう
万 次 郎
今でも覚えているのは 名前とその髪
それから 自殺希望者だった事
今は 生きているのか
それとも 死んでいるのか
どちらにせよ もう俺達は
戻れないんだ
拝啓 、璃雨へ
拝啓 、璃雨へ
九回目の後を 覚えていますか?
九回目の事を 覚えていますか?
あの時 君は俺にこう聞きました
あの時 俺は君にこう言いました
『 何で止めたの? 』
『 月が綺麗ですね 』
理由を話すのは ちょっと苦しいけど
その意味は 知っていますか?
まず前提として
その意味は
俺は貴方と “ 同じ ” でした
『 貴方の事が好きです 』
“ 自殺希望者 ”
同じだったから 君を助けた
君が俺と 同じ気持ちだったらと 今でも願います
貴方は 俺の中の一等星だった
貴方は 今でも俺の一等星です
星の無い夜に もう一度
星の無い夜に もう一度
貴方と共に 夜を見たかった
君に好きだと 伝えたかった
ザワ ザワ
騒めく地上が 潮時を告げる
辺りの反応は 大差なく
アイツ 飛び降りるんじゃね?
そんな恐怖と興味が 混じり合い
スマホを持った人間が 俺を晒し上げていく
まったく 何が愉しいのか
万 次 郎
そうだ こんな時
“ アイツ ” なら どうするだろうか
あの白銀色の “ 一等星 ” なら
ここにはいない “ 一等星 ”と 自分を重ねた
万 次 郎
万 次 郎
楽になると言う幸福
人生が終わると言う恐怖
極限まで早くなった心臓
万 次 郎
だから彼女は
俺が止める度
安心した様に笑ったのか
万 次 郎
万 次 郎
万 次 郎
にっと口角を上げ
先に散った 仲間のもとへ
ト ン ッ
跳んだ
◌ 𓈒 ゚ 𓐍゚
青い海で 溺れた時のような
そんな感覚がした
ふわりと浮き 口から零れた泡さえ綺麗で
そんな俺に 手を伸ばす君も
同じぐらい
綺麗だった
ガシ ッ
万 次 郎
右手に 感触があった
万 次 郎
堕ちていくはずの身体は 宙で止まり
夜を彩る星だけが 輝いていた
いや違う
輝いていたのは 星だけじゃない
万 次 郎
黒と紺の混じった夜
暗闇のような夜に 輝く白銀色
優しい瞳は 今でも変わらない
万 次 郎
そう問いかけると
彼女は困ったように 眉をひそめ
璃 雨
璃 雨
ずっと見たかった あの
“ 一等星 ” の笑顔を 夜に咲かせた
万 次 郎
万 次 郎
璃 雨
璃 雨
そう言って笑う彼女の瞳も
心做しか 潤んでいる気がした
ずっと掴めなかった 彼女が
今
俺の右手を 握っている
璃 雨
掴みあった右手越し
優しくて暖かい
温もりだけが
ただ そこにはあった
璃 雨
璃 雨
万 次 郎
いつか 俺が言った台詞
今もふたりぼっちで
それでも立場は逆で
璃 雨
璃 雨
万 次 郎
万 次 郎
いつかの様に 愛を囁く
ふたりぼっちの屋上には
無数の星が 咲いていた
屋 上 ふ た り ぼ っ ち 。
月 波 璃 雨 T s u k u b a R i u
×
佐 野 万 次 郎 S a n o M a n j i r o
f i n
T h a n k s f o r r e a d i n g !
コメント
40件
泣いたぁぁ😭 最高だわ、、
主様のお話、気になったのでこちらの作品も拝見させて頂きました⸜🙌🏻⸝ ほんとに最高すぎます🫠🤍短いお話なのにすごいまとまっていて 最高な終わり方です ...✊🏻💕 これから主様のお話にコメントさせてもらうんですけど、 迷惑なら言ってください🙏🏻 ̖́-