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猫の惑星

猫の惑星

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猫の惑星

2020年06月14日

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大和

もうこの星はダメだ

大和

研究者たちの計算では、
このままの人口では食糧が
尽きるのは時間の問題だ

大和

早く他の惑星から
なんとか食糧を調達しないと

国民たち

我らの希望

国民たち

どうか、一刻も早く食糧を調達して帰ってきてくれ

国民たちの期待を背に、大和たちは宇宙へと旅立った

長い旅になるかと思われたが、その星は思いのほか早く見つかった

乗組員

こんなに資源が残っている星がこんなに近くにあるとは!

大和

そうだな、しかし…

その星は辺り一面が緑と水におおわれた美しい惑星だった

機械化が進み、本物の植物などわざわざ見に出かけなければいけない母星とは大違いだ

こんなに豊富な資源がある惑星なら、十分に食糧を提供してもらえるだろう

乗組員

この惑星の住人たちは一体どこに…

不思議な事に探しても 一向に住人らしきものには 出会わないのだ

にゃあー

乗組員

この生き物は
たくさんいるんですが…ね…?

小さくて、にゃあとしか言わないこの生き物は見かけるのだが、 他の生物に出会うことはないのだ

大和

しかし、この生き物が
この惑星の代表だとは考えにくい…

大和たちは何日も惑星の探索を続けた

乗組員

もう諦めて、資源だけもらって
かえりましょう

乗組員

きっとこの惑星に意志の疎通できる生き物はいないんですよ

大和

しかし…

もし、いたら?

黙って許可も取らず、 資源を勝手に持ち帰った我らは 侵略者になってしまう

我々は誇り高く生きている 侵略者になるくらいなら、全国民で 飢え死にした方がマシだ

乗組員

私には、幼い子供がいます

乗組員

自分が誇りをもって死ぬのは
構いません

乗組員

でも、子供たちを殺したくはない!

大和

そうだな……

大和

あと1日だけ探しみよう

大和

それでも見つからなければ、食糧をもらって帰ろう

そして…

結局その日も、見つけることは出来ず乗せる事の出来るだけの資源を持って帰還することになった

その惑星との間には 資源を運ぶ定期航路が出来、 少しづつ食糧が運ばれた

最初は豊富だった資源を 持っていた惑星も、 何年も搾取を続ける事によって 段々と様子を変えていった

国民たち

我らの希望の惑星が…

国民たち

このままでは、あと何ヶ月もつか…

あの惑星が見つかった後も もちろん探索は続けていた

しかし、探索は難航し あの惑星以外資源らしいものを 見つけることは出来なかった

大和

あの惑星だけが、我らの希望なのだ

再び、大和たちは惑星を訪れた

乗組員

こんなに
変わってしまったんですね…

最初に訪れた時の緑豊かな惑星の姿はそこにはなく…

変わり果てた姿になっていた

ただ、水だけは豊富なままで そこは青い惑星となっていた

大和

我が星も水だけは豊富だからな…

水は運ばれることなく、 そこに残ったままだった

にゃおーん

にゃにゃにゃ

気がつくとあの生き物が 足元にすりよってきた

乗組員

まだ残ってたんですね…

このかわいい生き物は、 愛玩用として資源と一緒に 我が星に連れ帰ったのだが…

大和

まだ、この星で生きているものも
いるんだな…

この生き物は母星で爆発的に 人気の生き物になった

今では、ほぼどこの家庭にも 1匹は暮らしている

大和も家に迎えたいとは 思っているのだが、 こんな仕事をしているし家族もいない

1人で留守番させることが 多いと思うと躊躇していた

んなーぉん

この生き物はずっと私の傍から 離れようとしなかった

乗組員

気に入られちゃいましたね

乗組員

せっかくなら、
連れて帰ったらどうですか?

乗組員に進められたこともあり、 私はその子を連れて帰る事にした

にゃにゃにゃーんっ!

宇宙船に着く直前、先程まで私の腕の中で大人しくしていた その子が激しく鳴き始めた

うにゃおーん!

腕からすり抜け、 近くの建造物まで走りだした

乗組員

ここは…なんでしょうか?

そこには四角い謎の石があった

高さは1メートルほどだろうか

大和

くぼみがあるが…

石の上部には謎の形のくぼみがあった

大和

何かはめこめばいいのだろうか…?

しかしこのくぼみに はまりそうなものは 周囲には見つからない

にゃんっ!

その時、腕にだき抱えていた生き物がくぼみに手をあてた

乗組員

これは!?

その途端大きな音をたてて、 目の前の地面に大きな穴があいた

穴には降りるための階段もついていた

乗組員

これは、どこに続いているのでしょう?

大和

それは分からないが…

大和

あっ!

なおーん

あっという間に 階段を降りてしまった生き物を 追いかけて大和たちは 穴の中へと入っていった…

そして、それから何年かたち…

あの日、地下で見つけた大量に 冷凍保存された食糧のおかげで この星の国民たちは 食べ物に困ることなく生活している

巨大な地下空間には、 今になっては誰が蓄えたのか 分からないニクが たくさん保存されていた

乗組員

食糧を貯めていた
あの星の国民たちは
どこに行ったのでしょう?

大和

自分たちで自滅したのか、
他の惑星に移住したのか…

大和

いずれにしても、
今更我々が知る術はないよ

乗組員

そうですね
あの食糧のおかげで我々の星は
助かった、その事に感謝しましょう

大和

しかし、
我らが食べても害はなかったが…

大和

結局あの食糧は
何のニクだったんだろうな

乗組員

そうですね、手足が2本ずつなんて珍しい生き物のニクでしたね

唯一真実を知る猫は、 大和の足元で「にゃあ」と ひと鳴きした

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