青春とはなんだろうか、と
心の中で問う
だけれども
答えは全く出てこない
「青春した〜い!」
なんて叫んでも
青春は招かれる訳ではない
夕焼けが校舎を染めた
秋風が頬を撫でた
夏の暑さが少し緩んだ
カラスが遠くで鳴いた
だから、私は呟いた
私
部活も終わり 下校する友人を待つ時間
部活も違えばクラスも違う
ただ、家が近いだけ
今はそれだけの関係だが あの子と出会って八年
人生の半分以上 一緒に居ることになる
私
私
私
私
自分で気づいて 自分で笑ってしまう
周りには誰もいないが 万が一聞かれていたら恥ずかしい
口を閉じると、怖いと有名な 先生の声が聞こえた
怖いと有名な先生
私
思わず口に出してしまった
2階にある多目的ホールから 鮮明に聞こえる
確か卓球部の顧問だっけ…
うるさくて鬱陶しくて 面倒くさいで有名なあの先生
卓球部も、もう帰るかな
クラスメイト
呼ばれたので振り返ると
クラスメイトが手を振っていた
私
軽く手を振って見送ると
私はまた校舎の方に目を向けた
…あ、この風景 めっちゃ青春っぽい…
中庭の方の窓から夕日が差して
昇降口の方に光が伸びていた
ふと壁の時計を見ると五時
下校時間…
思考がまとまらない内に それを告げるチャイムが鳴った
少しすると 足早に階段を下る音がする
私
やがて、昇降口前では 「ばいばーい」 なんて言葉が飛び交って
友人
友人
待ちかねた友人が現れた
私
友人
私
友人
校門へ駆け出す奈央が見える
「早く帰れー」って先生達の声
「完全下校時間すぎるぞー」 って急かす声
全部が夕焼けに照らされて
かけがえのない一瞬に思えるのは 思い過ごしですか
私
友人
私
少し笑って目を逸らした
ふと上を見ると 夜じゃないのに月が見える
夕月、っていうんだっけ。
夕焼けの月、と書いて夕月
もし、もしも、ね。
いつか未来で奈央と 夕月を見れたら
この日々を「青春」と 呼ぶ日が来るのかな
私
友人
友人
私
友人
どこかあどけなく 奈央が笑った
そういうとこ 本当変わんないな…
10年後も 変わらなかったりしてね
いつかこの会話も 青春と呼べますように
私の青春を見つけて行きます
──だから
待ってて、未来の私──
コメント
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すみません 神ですか!?天才ですか!?
でも、声じゃなくて背がでかいんですけどね笑