萌愛(もあ)
時刻は午前5時。
私は無意識に身体を起こした。
潔癖症の私は小さな頃から潔癖症だった。病気だと分かったのは小学校に上がってからだけど
小さな頃は汚れるのが苦手で無口な変わった子…と保護者の間では囁かれていたらしい。
その“無口”の原因が分かったのも潔癖症と分かった時と同じ時期で
母親が家では普通に話せるけど学校では話さない事を医師に相談した事で列記とした病気という事がわかった。
場面緘黙症という病気だった。
今でも本当に仲の良い友達の前でしか学校では話せない。
話そうと思っても喉に何か詰まったように話せなくなってしまうのだ。
萌愛(もあ)
直せないのかって?
場面緘黙症はクラスメイトなどに笑われる等の恐怖感で話せなくなってしまう事が多いから
街に出て知らない人に道を聞いたりして人と話せるようになると言うが
前にやった時たまたまその人が不親切で知らない人も恐怖の対象となってしまった。
私が心を開くまで待ってくれる。そんな友達がいればいいのにね、
母親はそんな風に言うけれど私はそうは思わなかった。
友達なんていなくても生きていけるし友達に費やすお金や時間は正直ムダだしそんなことだったら
参考書や本を買うのにお金を使いたいし時間は勉強や読書に当てたいと思っているから
出かける時以外は勉強や読書をしたりスマホをひたすらいじっているかだった。
そんなの寂しいかもしれないけれど友達が居ないことで困った事なんてないし誰も気にしていなかった。
萌愛(もあ)
萌愛(もあ)
扉のレバーにハンカチを巻き扉を開ける。
萌愛(もあ)
お母さん
萌愛(もあ)
お母さん
お母さん
萌愛(もあ)
お母さん
お母さん
お母さん
萌愛(もあ)
ニュースキャスターの明るい声がなんだか鬱陶しい。
これから学校だと言うのにこんなにテンションが高いのは好きではない。
落ち着いているキャスターの方が良いとチャンネルを変える。
お母さん
お母さん
萌愛(もあ)
溜息をつきながらチャンネルを戻す。
萌愛(もあ)
萌愛(もあ)
萌愛(もあ)
お母さん
母親の言葉を全て聞き終える前に冷たくドアを閉めた。
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