さっきは友達なんていらないと言ったけれど私には1人だけ心を許している友達が居た。
海奈(しいな)
おはよ!
萌愛(もあ)
おはよう、海奈。
小さな頃から仲が良かった海奈だ。
幼稚園の頃泥遊びがあったんだけど勿論私は参加しなかった。
海奈は私が怖がって泥遊びをしないのかと思って手を引こうとしてくれた。
私は反射的に振り払ってしまった。何故なら手が汚れていたから。
とてもびっくりしていたけれど
それからも嫌ったりせず普通に接してくれた。
萌愛(もあ)
ねぇ海奈?
萌愛(もあ)
海奈は覚えてる?泥遊びの事…
海奈(しいな)
え?
海奈(しいな)
あー…覚えてるよ。でも気にしてないよ?汚れるのが苦手だったんだし…
海奈(しいな)
当時は分からなかったけれど…病気なんだし…
え…病気なら許されるって事?
それは違う気がする…
萌愛(もあ)
あの時は…あの時はごめんね。
海奈(しいな)
もう気にしてないってば!
海奈(しいな)
いきなりどうしたの?
萌愛(もあ)
実は自分もびっくりしててあの日の事、明確に覚えてるの…
萌愛(もあ)
それでね、あの日って12年前の今日なの。
海奈(しいな)
そうなんだ!気にしてる?
海奈(しいな)
だとしたら、大丈夫だよ!
海奈(しいな)
もう忘れてたし…
萌愛(もあ)
本当っ?
海奈(しいな)
うん、勿論だよ。そんな事気にしないで!
女子1
わ、萌愛って喋れたんだ!
女子2
ね、声初めて聞いちゃった!
女子2
ね、連絡先交換しない?
やっぱりだ…話したくても…話せない…
海奈(しいな)
萌愛、ちょっと緊張しちゃってるみたい…
萌愛(もあ)
…あ…えっと…
女子1
あー、そうなんだ。
女子1
じゃ、気が向いたら話してよ!
女子2
またね!
海奈(しいな)
うん、ばいばーい!
海奈(しいな)
萌愛、どうする?
萌愛(もあ)
うーん、悪い子たちじゃ無さそうだけど…話せないし…
海奈(しいな)
大丈夫だって!
萌愛(もあ)
だって私学校でまともに話した事あるのって先生や海奈くらいなんだよ?
萌愛(もあ)
クラスでも目立ってる様な子と上手くやっていけないよ…
海奈(しいな)
そうかなぁ…
海奈(しいな)
じゃ、2人ならできる?
萌愛(もあ)
え?







