ガヤガヤ
8月中旬 私達の地区では毎年盛大な花火大会が開催される
今日は咲良達と来たけど… 早速結衣とお相手さんは2人でどこかに行ってしまい
私たちはいつも通り2人で散策していた
涼
モグモグ
咲良
どんだけ食べんのよ…
涼
んー…美味しい
涼
いる?
咲良
いや…私もうたこ焼き食べてお腹いっぱい
涼
え〜…
涼
今日は全制覇するつもりで来たのに〜
咲良
多分あなたなら全部行けるよ…
涼
じゃあするか
涼
花火までまだ時間あるし
涼
てか結衣達どこ行ったんだ…
咲良
まぁ〜いいんじゃない
咲良
お相手さんと仲良くデート
涼
まぁそれもそっか
しばらく屋台で色んな食べ物を物色していると射的屋が出てきた
咲良
!……可愛い…
ボソッと呟く彼女の視線を追うとまあまあ大きな猫のぬいぐるみがあった
涼
欲しいの?
咲良
ふぇ?
咲良
いや…別に…そんなに…?
咲良
こ…子供じゃないんだし…
涼
ふーん…
涼
……
涼
おじさーん1ゲーム分やらせてー
屋台の人
む、あいよ!
咲良
え?涼ちゃん…?
涼
まぁー黙って見てな
パシュッ、ドンッ
屋台の人
え…ええぇ…1発…
涼
よっしゃー!
涼
ついでにその周りのお菓子も貰ってくか〜
パシュッ、パシュッ ドンッ、ドンッ
屋台の人
な……
屋台の人
お嬢ちゃんすげぇな!
屋台の人
こりゃ参った!持ってけー!!
涼
へへへ
彼女は景品を受け取るとぬいぐるみを私に押し付けた
咲良
!
涼
あげる
咲良
い…いいの…?
涼
ちょっと大きくて邪魔だし〜
涼
持ってってくれるよね?
咲良
……うん!
咲良
(本当…ずるいなぁ…)
毎回毎回ドキドキさせられるのに、彼女は気づいているのかな
ザッザッザッ
いつも彼女と行く秘密の場所
1番花火が綺麗に見える丘の上
涼
あつ…
咲良
う〜…やっぱここ怖い…
涼
はははっ…
涼
ほら
手を差し出すと彼女は少し躊躇してから握った
涼
昔から暗いとこ苦手なんだから
咲良
うーー…
涼
あと少しだから、頑張れ
咲良
うん…
丘に到着すると同時に花火が上がり始めた
涼
お……
涼
丁度始まったな
咲良
うん…
咲良
綺麗…
涼
………
毎年見るこの横顔に何度ときめいたのだろうか
涼
……
涼
咲良
咲良
…ん?
言ってしまったら関係が崩れる そんな事をいつも考えて生きていた
でも、日に日に強くなっていくこの想いを伝えなければ、何も起きない
咲良
どーしたの?涼ちゃん
他の人なんかじゃ嫌 隣は絶対…
涼
………
涼
すぅ……
涼
…ふぅ…
涼
……ずっとさ、言えなかったんだけど
咲良
うん?
涼
私、咲良の事
ドーーーンッ
咲良
!びっくりした…
咲良
大きかったねぇ〜今の!
涼
……
咲良
あ…なんだっけ?
咲良
聞こえなかった…
涼
……ふふっ…
咲良
え?
涼
ふはっ…
涼
もう…台無しだっての…
咲良
…?
涼
好きだよ
咲良
…へっ?
涼
咲良が好き
涼
友達としてじゃなくて、幼馴染としてでもなくて
涼
1人の女性として、咲良が好き
想いを伝えると彼女は困惑した後に下を向いた
涼
(…やっぱり…ね……)
涼
ごめん、迷惑だよね
涼
でも伝えたかっただけだから…
咲良
……私も…
涼
え?
咲良
私も涼ちゃんの事…好き…だよ…
咲良
ずっとずっと好き
咲良
だから…
咲良
だから番になるのも…
咲良
涼ちゃんがいい…の…
そう言うとふわっと彼女の腕に包まれた
咲良
!りょ…涼ちゃん…
涼
………はぁぁぁあ……
涼
……死ぬかと思った…
咲良
…ふふ…なんでよ
涼
いや…ホント…もう…ね
涼
はぁ……
咲良
…はははっ苦しいよ涼ちゃん〜
涼
ごめん…しばらく顔見ないで…ホント
涼
情けない顔しとる…今
咲良
はいはい…分かったよ
しばらくして解放されたが、彼女の頬はまだ赤く染まっていた