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あの戦闘から数日後―
第三部隊、雪、矢城と美羽は、とあるカフェにいた
一通り2人の検査が終わり、街を案内したところだ
雪
雪
真
雪
雨
界人
雪
おだてられ悪い気はしなかったのか、雪は 「仕方ないな」と言った
矢城は大人げない、とため息をつきながらメニューを手に取る
見慣れた文字から変形はあったが、読むのに苦労はしない
美羽
真
真
勇也
美羽
2人の言葉に、部隊員は頬を緩ませた
美羽
美羽
界人
美羽の言葉が気にかかったのか、界人は美羽に問いかけた
界人
美羽は口元に手を当て言葉を選びながら話す
美羽
美羽
美羽
彼女は嬉しそうに顔を輝かせながら話す
部隊員は好奇心を引き出されている
雨
すると雨は、テーブル備え付けの引き出しからナイフを取り出した
そして彼女は自分の人差し指に刃を当て素早く引き、傷をつけた
真
雨
美羽
雨は一瞬頬を引きつらせたが、彼女の指を美羽に握らせた
三秒ほど経った頃、雨は美羽から手を離した
―その指の傷は綺麗に消えていた
勇也
雪
急な展開に美羽と矢城は困惑の色を浮かべる
美羽
勇也
界人
界人
真
真
真
美羽
真の言葉に美羽は更に目を輝かせた
美羽
彼女の笑顔に和み、穏やかな空気に満たされていた
この先の未来の不安などないかのように―
やがて食事を完全に終え、彼らは席をたった
一番奥の席にいた矢城と界人も、先に続き通路に出る
ここの人たち、みんないい人だな。異邦人の僕やミミにも優しくしてくれる…
矢城は温かな気持ちでそう考えた
サッと界人が立ち上がった拍子に、彼のベストの胸ポケットから何かが落ちる
矢城は慌ててキャッチした
勇也
硬く冷たいそれは、傷だらけのガラケーだった
刹那、矢城の動きが止まる
銃声が響き渡る荒野
男性の亡骸
その亡骸の手に握られたガラケー
それを拾う自分より大きな男性の手
映像が切り替わる
ガラケーを手に持ち、誰かと話す男性の横顔
視線に気づき彼はこちらに微笑みかける
その姿は徐々にノイズに蝕まれて 消えていった――
映像はそこで途切れた
矢城の手には、そのガラケーが握られている
勇也
ハッとしたように界人は振り向く
界人
界人
ガラケーを受け取るその手が僅かに震えていたのを矢城は見逃さなかった
勇也
勇也
勇也
今は使われていないボロボロの駐車場
その一角で、ツーシャとスペルタ―は話していた
スペルタ―
ツーシャ
スペルタ―
スペルタ―
ツーシャ
ツーシャは口角を上げ、スペルタ―を上目がちに見上げる
ツーシャ
スペルタ―
ツーシャ
ツーシャはそう言いながら、空中に画面を創り出した
その画面に映し出されたものは―
ツーシャ
スペルタ―
スペルタ―
ツーシャ
スペルタ―
ツーシャ
ツーシャ
「悪い話ではない」。その言葉にスペルタ―は何も言い返せなかった
スペルタ―
ツーシャ
スペルタ―
スペルタ―は無言で煙草に火をつけ、ツーシャの細い腕に押し当てた
ツーシャは笑うだけだった