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1人の部屋
ラジオも曲も
何も音もない
きらりと光を反射する鏡
包帯を外し 傷を見る
赤みがかっていて 見るからに痛そう
血は出ていないが
皮膚に隠れていた肉が出ている
20年前の傷跡
古傷と言ってもいいもの
未だに生傷のよう
顔をまじまじと見る度に怖くなる
あの日の事が思い浮かぶ
見捨てられたようで
反対に
空は透明感のある綺麗な青色をしていて
その中で光る太陽は浮いている
まるで俺の口みたいで
傷を見ないように
太陽を見るように目を細める
鏡と睨み合い
時間をかけて包帯を巻き直す
肌を隠すように
口元は白い包帯で隠された