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光の出口へ向かって必死に走る6人。だが、あと一歩というところで、背後の闇から「影」の巨大な腕が猛スピードで伸びてきた!
たけし
「影」の指先が、逃げ遅れた卓郎の足首をガッシリと掴む。凄まじい力で闇の奥へと引きずり戻されそうになる卓郎。ひろしと葉蘭奈が必死に手を伸ばすが、化け物の力には抗えない
卓郎
その時、藍の瞳に強い光が宿った。藍は卓郎の元へ駆け寄ると、自分の手に残った「蒼い光」のすべてを絞り出し、卓郎を掴んでいた「影」の腕を焼き切った!
藍
藍は驚く5人を、全力で光の向こう側――「現代の教室」へと突き飛ばした。5人の体が光に飲み込まれていく。だが、藍だけはその反動で、闇が渦巻く施設側へと踏みとどまってしまう
葉蘭奈
光の向こうから、葉蘭奈が泣きながら手を伸ばす。しかし、藍は悲しそうに、でもどこか満足そうに微笑んで首を振った。出口となる障子が、藍の力に反応して激しく震え始めている
藍
藍の足元まで、無数の「影」が這い寄ってくる。藍は両手で、光り輝く障子をゆっくりと閉め始めた
藍
ガシャン……! と重い封印の音が響き、眩い光が完全に遮断された。後に残されたのは、冷たくて暗い、化け物たちの息遣いだけが響く絶望の部屋。藍はたった一人、漆黒の闇の中へと消えていった――
ガシャン……! と、自分の手で扉を閉めた瞬間、世界から光が消えた。手のひらを通して伝わっていた葉蘭奈やみんなの体温も、今はもう遠い。私の指先には、冷たい鉄の扉の感触だけが残っている
藍
静まり返った畳の部屋。けれど、その静寂はすぐに「ギギギ……」という不気味な軋み音に破られた。部屋の隅、影が濃くなっている場所から、あの「化け物」たちが這い出してくるのがわかる
藍
足が震える。涙が溢れて、視界がにじむ。けれど、私は逃げない。ここで私が扉を押さえていなければ、化け物たちはきっと、あの光をこじ開けてみんなを追いかけてしまうから
藍
私は震える手で、最後の手鏡を胸に抱きしめた。蒼い光はもう宿っていないけれど、その鏡は仲間たちと繋がっていた証。襲いかかってくる無数の闇の腕を前に、私は自分を奮い立たせるように、精一杯の笑顔を作った
藍
暗闇の中、私の小さな叫び声が、施設の奥底へと響き渡った――
放課後の教室に、5人の体が投げ出された。卓郎は慌てて起き上がり、今しがた閉まったばかりの「壁」を、狂ったように叩き始める
卓郎
しかし、そこにあるのはただの古びた教室の壁だけだった。たけしは床に座り込み、声を上げて泣きじゃくっている。美香もひろしも、言葉を失って立ち尽くすしかなかった
葉蘭奈
葉蘭奈は、最後に藍が握っていた自分の手をそっと見つめる。そこには、藍の体温がまだ微かに残っているような気がした。窓の外では、何も知らない下校のチャイムが、皮肉なほど美しく鳴り響いている
ひろし
数年後――。 校庭の片隅、夕日の当たる場所に、5人の姿があった。そこには藍の姿はない。けれど、葉蘭奈の手には一輪の青い花が握られている
葉蘭奈
5人は静かに目を閉じ、空に向かって祈りを捧げる。風が吹き抜け、まるであの時の藍の笑い声が聞こえたような気がして、葉蘭奈は少しだけ微笑んだ――