アストレス
次の瞬間、僕は「流れ星」という魔法を発動させた。流星のように光が一筋の線を描いて、昼の空を流れる。その瞬間、歓声が一層大きくなった。
アストレス
リサの顔には、自然と笑顔が浮かんでいた。僕たちは、この瞬間、この場所で、魔法の力で人々に喜びを届けることができたのだ。
アストレス
その満足感に包まれながら、僕は地面に置いておいた布袋を確認する。そこには、観客たちから投げ入れられたコインが次々と溜まっていく。チャリン、チャリンと鳴り響く金属音は途切れることがなく、僕たちの成功を物語っていた。
アストレス
資金の心配がしばらくなくなることに安堵しながら、僕はふとリサのことを考えた。彼女をこの旅で野宿させるのは、やはり気が引ける。まだ幼い彼女には、少しでも快適な環境を整えてあげたいという思いが、僕の中で強くなっていた。
アストレス
「今夜は、ちゃんとした宿に泊まろう」と僕は心に決めた。リサもきっと、それを喜んでくれるだろう。
広場を後にして、リサと二人で商店街へと向かう。そこは広場よりも賑やかで、様々な店が軒を連ねていた。ドワーフの鉱石店、エルフの媚薬店など、見慣れない店が所狭しと並び、多くの商人や客たちが行き交っている。彼らの中には、ヒューマンだけでなく、リザードマンやツノの生えた亜人といった異種族の姿も見える。それぞれが平和に共存している様子に、僕は心の中で微笑んだ。
アストレス
商店街を歩いていると、香ばしい香りが鼻をくすぐった。それは、思わず足を向けたくなるほどの魅惑的な香りだった。香りの誘いに従い、僕たちはその店へと足を運ぶ。到着した途端、空腹が限界を迎えたのか、僕のお腹がグルグルと鳴り、隣のリサにもそれが聞こえてしまった。