ジャブジャブ……
男の人が目の前で川に流されている。
ダザイ
キタハラ
俺は北原白秋。 武装探偵社の社員である。
そして目の前で川に入っているのは、 俺の同僚、太宰治。 渾名はだざむ。
ダザイ
キタハラ
彼がどうして川に入っているか? そんなの知らないよ。
「良い川がある」と言って急に飛び込んで、 そのまま川に流されて行った。
俺は流されるだざむが面白くて 一緒にこんなところまで着いてきたのだけれど、
……こんなに流されるなんて思ってなかった。
キタハラ
そろそろ帰らん…?
キタハラ
ダザイ
もちろん彼は答えない。
そうやって川に入っているだざむを眺めていると 1人の少年が近づいてきた。
???
キタハラ
???
???
キタハラ
???
???
キタハラ
キタハラ
???
そうやって少年は少し戸惑いながらも、 川に飛び込み、だざむを救出しに行った。
ジャバッ……ッ!!
???
キタハラ
だざむを助けに行った少年が戻ってきた。
ダザイ
???
???
ダザイ
???
キタハラ
???
少年はすごく戸惑っている。 まあそれはそうだろう…… だって助けた相手が、 自ら川に飛び込んでいたのだから。
ダザイ
???
???
ダザイ
自殺だよ。
???
ダザイ
私は自殺しようとしていたのだ。
ダザイ
???
何言ってんだコイツって顔してて面白い。
ダザイ
キタハラ
え、なんか俺も怒られたんだが。
ダザイ
ダザイ
これは君にも非があると思わないかい??
キタハラ
何言ってんだコイツ。
キタハラ
???
???
キタハラ
キタハラ
キタハラ
???
???
キタハラ
俺が北原白秋!
キタハラ
???
???
ダザイ
ダザイ
???
ダザイ
ダザイ
キタハラ
???
キタハラ
???
キタハラ
???
???
ナカジマ
キタハラ
なかじまあつし…なかあつ… 違うな……あつぴ…あつぴ!!
キタハラ
ナカジマ
キタハラ
キタハラ
ナカジマ
ダザイ
ナカジマ
ナカジマ
そう小さく、残念そうに呟いた。
ダザイ
キタハラ
ナカジマ
聞かれたかと少しだけ彼は焦る。
面白い。
ダザイ
私がマトモじゃないと??
キタハラ
ダザイ
キタハラ
キタハラ
ダザイ
ダザイ
ダザイ
キタハラ
ダザイ
ぐぅぅぅぅ……
キタハラ
ダザイ
自殺愛好家の馬鹿と言い合っていたら、 ぐぅぅと音が鳴った。
ナカジマ
ダザイ
ナカジマ
キタハラ
ダザイ
ナカジマ
ダザイ
ナカジマ
ナカジマ
キタハラ
俺のカバンの中には、 スマホと金平糖だけ。 財布なんか持ち歩くわけない。
キタハラ
キタハラ
ナカジマ
キタハラ
キタハラ
ダザイ
ナカジマ
ナカジマ
キタハラ
ナカジマ
彼がそう言いかけた時、 聞き慣れた怒号が聞こえた。
???
ダザイ
クニキダ
クニキダ
だざむに向かって怒っているのは、 国木田独歩。 渾名はどっぽぽ かわいいでしょ笑 あ、彼もだざむや俺と同じく、 武装探偵社の一員である。
ダザイ
どっぽぽの説教を遮って、 何かを閃いたように云う。
ダザイ
彼に奢ってもらえばいい!
クニキダ
ダザイ
ダザイ
ナカジマ
ナカジマ
ダザイ
ナカジマ
ダザイ
ダザイ
餓死寸前の少年が茶漬けを所望か… 笑
ダザイ
キタハラ
クニキダ
クニキダ
自分の金で頼め!
キタハラ
クニキダ
キタハラ
クニキダ
キタハラ