コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
じゃぱぱ
朝目覚めるとゆあんくんは居なかった。
慌ててスマホの電源を入れて 曜日を確認する。
「金曜日」
昨日の記憶は途中から ぷつりと無くなっており 何事を無かったかのようにまた 「金曜日」が始まった。
昨日ゆあんくんは死んでない。
死んでないはずなんだ。 ずっと俺が近くに居た。 離れていない。
なのに…どうして、
じゃぱぱ
いつも来ているはずのゆあんくんから のメールが来ていない。
年も曜日も月も日にちも 何一つ変わっていないというのに。
今まで必ず来ていたメールが。 来ていないのだ。
この世界はループしているのでは 無いのか?
そうでないならなんなんだよ。
俺はひとまずゆあんくんに メッセージを送る。
「今日一緒に学校行こ。」
じゃぱぱ
家を出るギリギリの時間になっても ゆあんくんからの返信は来ない。
電話をしても出て貰えない。
時間がギリギリすぎて ゆあんくんの家に寄る時間は無いし…
じゃぱぱ
学校で会うことが出来るのだ。
学校について例の如く呑気な顔して 席に座っているゆあんくんが居たら 一番に質問攻めだ。
ゆあんくんが俺からのメッセージを 既読無視する事はあっても 未読無視する事は無かったのに…!
どんなに忙しくても一旦家に出てから 「今無理」って言ってくれるのに…!
速攻切られるけど 一旦出てくれる事が嬉しくて それだけで良かったのに 今日はそれもなくて 相手にすらされていない 俺の独りよがりのようだった。
じゃぱぱ
じゃぱぱ
学校に着いて急いで 教室に入ったものの そこにゆあんくんの姿は 見当たらなかった。
先生に聞いてみると 「あーお休みするって連絡来たわよ。 仲良しなのに知らなかったのね。」 って。
おかしいじゃないか。
ループはどうしたんだよループは。
前日に立てた俺の仮説は悉く折られた。
トリガーはゆあんくんの死 だと思ったのにゆあんくんが生きてても俺はまだ金曜日の中。
トリガーも何もループという 仮説自体が否定されようとしている。
じゃあなんなんだ。
俺が知らないもっと複雑な現象なのか。
そうなってくると俺はもうお手上げだ。
でも今出来る事があるとしたら…
じゃぱぱ
「えぇ…?!なんでなんで?」
じゃぱぱ
「嘘ぉ…」
仮病で学校を飛び出したものの 仮病の演技を忘れるほど 俺は必死だった。
一つの可能性を持って走った。
じゃぱぱ
俺はチャイムに向かって 元気よく声を掛けた。
てっきりゆあんくんのお母さんの 明るい声が聞こえてくると思ったのに 聞こえてきたのはゆあんくんの声で。
それが妙に安心した。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
扉を開けて出てきてくれたゆあんくんが俺にそんな事を聞く。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ゆあんくんの部屋に上げてもらうの なんて何年ぶりだろうか。
いつもは俺の家で遊ぶからゆあんくん の家に行く機会もなかった。
そんな懐かしさに浸る暇もなく 俺たちは向かい合って座り 黙りこくっていた。
目の前に置かれた二つのコップに 入れられた麦茶。
コップの表面は結露していて 三つほど中で積まれている氷が からんと崩れ動く音がする。
エアコンは付いておらず 窓を開け放ち扇風機が忙しそうに 首を回しながら風邪を送る。
緊張からなのか この部屋の暑さからなのか 俺達の額には汗が馴染んでいた。
俺は間違えなく前者だ。
正直暑さなんて気にならない くらいには緊張している。
俺が考える一つの可能性が 事実だった時俺はどうすればいいのか 分からない。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
俺は突然こんな事を言った。
普通の人なら意味が分からない かもしれないがもしも俺と同じ境遇 なら黙ってはいられない。
俺はゆあんくんの少しの動揺も 見逃すまいと穴が開くほど ゆあんくんの目を見つめた。
ゆあんくんの視線は膝の上で 強く握られた彼の拳に刺さっていた。
ゆあん
ゆあん