始めに
この作品はBLです
それをご了承の上、読んで頂きたいです。
キャラ崩壊等々あるかもしれませんが、お願いします
ではどうぞ
お前がいなくなって
生きる気力を亡くして
何年、経つだろうか
お前がいる事が
当たり前じゃないこの世界
今も俺はお前に恋をしている
後から後悔しても、 何も生まれない
お前がいれば こんなだらしない俺を
叱ってくれたのだろうか
それとも、笑ってくれたのか
なぁ
お前がいない世界で
俺はどう生きていけばいいんだ?
教えてくれ
半間
お前と最初に出会ったのは いつだっただろうか
確か、まだ1人の時
数年前
暗い道に煙の匂いが漂う
道の真ん中にいる男の周りには 沢山の人が倒れていた
半間
半間
その男の元に 1人の男が歩み寄った
何かを話して2人の男は連れ立って消えていった
話を終えた俺は 家に帰りベッドに寝転がる
半間
半間
その日初めて人に興味を持った
理由は分からない
だが、気に入ったのだ
俺はアイツに ついて行く事に決めた
ある日
俺達はあるグループの下っ端を しめていた
半間
笑いながら男共を殴る
倒れている奴らは顔が ぐちゃぐちゃだった
稀咲
稀咲
半間
聞きはしたがやはり下っ端からは 何の情報も出なかった
稀咲
稀咲
稀咲
その時の俺はそう、きっと、 可笑しかったんだ
イカれていた
何故、どうしてその思考に至ったのかはわからない
色々と思いに耽っている時に 最近の出来事が思い出された
その出来事の中には 常に稀咲がいて、
急にコイツがいなくなったら
俺はどうなるのか、
想像して、怖くなった
また色の無い世界になる
つまらない、退屈な世界に
稀咲
半間
稀咲
ぼーっと立ち止まっている 俺を置いて稀咲は歩いて行った
俺さっき、何考えて…??
なんでこんな事…?
自分が考えていた事に困惑する
稀咲に
口付けしたい、なんて
そんな事したら終わる
気をつけろ、と自分に注意し 稀咲について行った
なんなんだこの…
胸の、締め付けは
柴大樹と戦う予定だった 松野千冬を縛って動けなくして
俺達は帰路に着いていた
半間
半間
稀咲
半間
稀咲
ニヤッと笑いながら稀咲が言う
…それだ、
俺は稀咲のそういう所が
半間
半間
半間
今言った、この言葉
「 好き 」という言葉
稀咲はきっと冗談だと思ってる
こんな流れでしか 「好き」と言えないなんて
伝えられないなんて
俺は弱い
あぁまただ
胸が、締め付けられる
早く、止まれ
俺の恋は絶対に叶わない
それは俺が1番、わかってる
新品の特攻服に袖を通して、
夜の景色を眺めながら稀咲が問う
稀咲
稀咲
半間
普通に答えるのも癪だったし
半間
お前が死んだら教えてやるよ、と
ひねくれた答えをしてやった
稀咲
と稀咲が笑う
半間
半間
約束
この言葉は人を縛り付けるのでは ないだろうか
何とも悪趣味な言葉だ
俺はそんな言葉を使って稀咲を 縛り付けようとしているのか
コイツを死なせまいと しているのか?
性格悪ぃな
でもまぁいいだろ?
俺の恋は叶わない
せめてこれぐらいさせてくれ
なぁ、稀咲
……ずっと愛してる
マイキー
マイキー
マイキーの声が響き渡り、 関東事変が終わった
混乱している奴らは 中々動こうとしない
マイキー
そうマイキーが声をかけ やっと人が動き出した
天竺の幹部達が マイキーに声をかける
どうやらアイツらが此処に残る様だ
稀咲は動けずにいる
俺はバイクを取りに走った
そして直ぐに跨り飛ばす
稀咲がマイキーに 話しかけられているが気にしない
なぁ
俺はお前を
此処で終わらす気はねぇよ
半間
叫びながらバイクを走らせ 手を差し伸べる
半間
動けない稀咲を バイクの上から担ぎあげた
半間
担ぎあげた稀咲を見ながら言う
まだコイツは焦っている様だ
絶対にコイツを乗せて 逃げ切ってやる
半間
逃げ切ってやろうと思っていたが
どうやらドラケンと花垣が 追いかけてきているようだ
何故花垣はこんなに稀咲に執着する
稀咲
と、焦った稀咲が ハンドルを引っ張る
半間
稀咲にハンドルを取られ コントロールを失う
くっそここまで来たのに…!
「 うおあぁぁ!! 」
半間
フェンスにバイクがぶつかり 体が投げ出される
俺の視界に稀咲は見えない
もしかして、捕まっちまったか…?
稀咲
後ろで稀咲の声がする
俺の後ろに乗ってたからなのか
どうやら、無事なようだ
数分後
まだ体は重く起き上がれそうにない
動かせない
だが声は聞こえてきていた
花垣
花垣
早く稀咲を逃がさねぇと
逃げろ稀咲
お前は逃げねぇと
花垣
と花垣が叫ぶ
どうやら走って逃げている様だ
ドラケンと花垣も追いかけている
花垣は動けないが
ドラケンがいる
俺がアイツを守んねぇといけねぇ
動かない体を叩き
立ち上がった
花垣をおぶって走っている ドラケンを追いかける
そこら辺に落ちていた棒を拾って
振りかぶった
花垣
半間
花垣が気づき ドラケンも振り向くが
関係なく殴りつける
俺が振った棒は腕に当たった
ドラケンにおぶられていた 花垣が着地する
ドラケン
花垣
ドラケン
花垣
花垣が返し走り出す
ここは、俺が時間稼ぎしねぇと
アイツを絶対に逃がしてやる
ドラケン
ドラケン
半間
半間
そう言って持っている棒を振った
今あっちはどうなってるだろうか
流石にまだ逃げきれてはいないか
取り敢えずもっと時間稼がねぇと
だが先程のバイクの衝撃で
ちゃんと体が動かない
現に今、 俺は息が上がり疲れているが
あっちはそんな素振り 全く見せていない
半間
半間
ドラケン
暫くたって
もう俺の体も限界を迎えた
建物の壁に寄りかかり座る
半間
ドラケン
やっぱヤベぇなコイツ
まだヤりたりないようだ
半間
アイツを逃がせるなら
守れるなら
自分の負けを 認めるぐらい造作もない
半間
ドラケンとヤった後
何やら騒ぎが
救急車のサイレンが聞こえて
胸騒ぎがした
誰もいないこの場所を立って
音を頼りに走った
何故救急車?
何故こんな胸騒ぎがする
肩にかかった天竺の特服が ズレて落ちそうになり直す
あの時は逃げきれると 思っていたのに
これからもアイツと一緒に やっていけると思っていたのに
まだ、俺の世界から色は消えないって、そう思っていたのに
走って走って
やっとその場所に辿り着いた
大分遠い所から走ってきたので
息切れしている
血を流し腕が曲がり
惨い姿で倒れている稀咲
なんでこんな事になってるんだ
なんで逃げ切れてなかったんだ
救急車のサイレンが鳴り響く中で
1人横断歩道の上に立っていた俺は
「 派手に逝ったなぁ 」
と涙を流した
そして現在
まだ逃亡生活を続けている俺は
稀咲の墓の前に来ている
あの時の約束を果たしに来たのだ
今更、だが
半間
と稀咲の墓に語りかける
ライターで火をつけ
煙を吐いた
あれコイツ煙嫌いだったっけ
そんなら悪ぃな
なんてもういないのに考える
半間
と缶ビールを置きながら言う
お前は今頃何歳だ?
丁度20ぐらいか
なら酒も飲めるな
半間
と煙草をまた咥えて言う
半間
こうしてお前ともっと話したかった
もっと一緒にいたかった
なぁ稀咲
俺ずっと
ほんとに
お前の事が好きだった
半間
お前がいなくなってからずっと
この世界は
俺1人だけだ
1人だけの孤独な世界
___Fin.
コメント
70件
コメント失礼します…。 切ない😭とても話の雰囲気がステキ…✨
俺が半間くんの世界に色を付けてやるよぉぉぉ