話し込んでいたらとっくに夜になっていた……昼から話していたけどやはり夜になると私もジェルもなんと言ったらいいかなんてわかんないけど、何だか緊張感がいきなり襲ってきた……。
遠井あかね
ジェル……どうする?……これから
手ピカジェル
何が?遠井さんが帰らなきゃいけないようならそろそろ帰るって流れになるけど
遠井あかね
まあ、うん……帰らなきゃいけないんだけど……な、なんだろうな……か、帰りずらいって言うか……帰りたくないって言うか……
手ピカジェル
なに……家で何かあった?……
遠井あかね
そ、そう言う事じゃないんだけど……。(上手く言葉が出ない……)
「まだ、一緒にいたい……離れたくない」そんな気持ちを何故か素直に言葉にすることが出来ない。
手ピカジェル
…………
遠井あかね
ジェル……私……
私を見つめているジェルは不意にふわりと微笑んだ……私はその表情に心をうたれた……
手ピカジェル
連れ去っちゃっていいの?なら……あかね……今日は返さない……。
遠井あかね
っ……ジェル……
手ピカジェル
こうして欲しいんでしょ?いいよ?あかねが思うように今日は返さないし、そばに居る。
遠井あかね
……今日のジェル……ずるいよ……
手ピカジェル
ごめんな、意地悪で……
遠井あかね
バカっ……
手ピカジェル
あかねのためならどんな馬鹿にでもなるよ……。
遠井あかね
ジェル……。
手ピカジェル
ほら、じゃあ行こう?今日は俺の家誰もいないしさ、泊まって行ってよ……
遠井あかね
う、うん……/////
初めて感じるドキドキ……これが私が待ち望んでいた乙女ゲームチックな展開だった……なのに今は、それはそれで恥ずかしくてこそばゆい……なんだかジェルの顔が見れない……それに普段は動画の関係とかで曖昧だったりこんな展開あんまり無いから、いざほんとにこうなってみると全然違って手を引かれていることすら心臓が跳ねて飛んでいってしまいそうなぐらいにとくとく音を立てている……。