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あいつが怖い
心音
皆が口を揃えて言った
初めて言われた日は鮮明に覚えている
当時は中学2年生
昔から目つきが悪かったし
愛想は悪いのは分かっていた
でも、黒髪だったし ピアスもしていなかった
それでも ずっと言われ続けた
本当の喧嘩なんてしたことない
カツアゲとかドロボーとかも したことない
俺は噂に仕立てられたヤンキーだった
いつも1人でいた
もっと友達も作りたかったのに
" ヤンキー " という見た目が 邪魔をした
___誰も俺の内面なんて興味ないんだ。
怖いなら怖いで、 ヤンキーならヤンキーで、 貫きとおすしかないと思ったから
髪も紫色に染めて、ピアスも開けた
心音
俺は見た目だけは 立派なヤンキーになった
そのうち、ヤンキーだから 授業はいないのが普通だと言われ
授業に出なくなっていった
たまには学校もサボった
それがヤンキーだと言われたから
コケただけの傷を 喧嘩だと言われた
また怖がられた
誰も彼もが 俺をヤンキーだと言った
心音
あっきぃ
あっきぃ
あっきぃ
あっきぃ
あっきぃ
心音
…___あっきぃくんは違った。
あっきぃくんは
俺を見た目が怖いからと拒絶せず
内面を見てくれていた
それがどうしても 嬉しくてたまらなくて仕方がなかった
あっきぃ
あっきぃ
あっきぃ
心音
心音
こんな俺に怯えずに
あっきぃ
あっきぃ
心音
あっきぃくんは俺を 普通の生徒として接してくれた
それがただ嬉しかった
心音
この人とは仲良くできると思った
俺は生まれて初めて こんなに仲良くしたい人ができた
俺はあっきぃくんに救われた
心音
心音
あっきぃ
き、聞いてしまった…
心音
あっきぃ
あっきぃ
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