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煌びやかなモノクロの世界

2 - Episode1『エガオ』

♥

584

2024年08月15日

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Episode1『エガオ』

グレイ

•*¨*•.¸¸♬︎

昼の枯れた様な様子とは変わるネオンの輝く街

見渡せば男の腕に女が絡まり猫撫で声をあげたり

酒に酔った者も多く居る

そんな中一際目立つ真っ黒の服に白い肌の人

腰まである長い美しい黒髪、どちらかと言えば女性らしい声。 しかし少し視点を変えると

華奢なものの節々は何処か少し男性らしさを感じさせ 背はそこらの男よりずっと高い

どっちつかずの外見は性格と同じ様で

子供らしい口調だが実際は多くの男女を堕とし、捨て泣かせている

そんな屑が 『グレイ・アンコーニュ』 という存在だ

出身も性別も殆どの基本的情報が不明 確実にわかるのは彼…彼女?

グレイが他の人間と違う存在である。ただそれだけ

???

グレイ様っ、お荷物お持ち致しますっ!

グレイ

ん、セレスちゃ〜ん

グレイ

別にだいじょ〜ぶだよ〜

セレス

いえ!この奴隷、グレイ様に負担を掛けさせるだなんて言語道断!

セレス

尽くさせてくださいっ

グレイ

わぁ、凄い熱気〜

グレイ

んー、そこまで言うのなら〜、少し持ってて

セレス

はい!♡

グレイ

元気だねぇ〜

この笑顔の女は自称グレイの"奴隷"であり いつもグレイの護衛を果たしているの

単なるエゴかまたはそれ以外の感情でか 何故かグレイは時折呆れつつも彼女を傍に置いている

グレイ

あ!

新しい玩具を見つけた子供の様に グレイは視線をセレスから変え別の女に向ける

グレイ

カリアちゃんっ

カリア

え、グレイさんっ!

カリア

お久しぶりですっ

予想外の相手に出会った。 そんな驚いた表情と笑顔が混ざって 少し子供らしい印象を受ける女性…

いや、少女?何せこの娘は花のJK。

グレイからしたらまだ子供だ

グレイ

お久〜、高校生がこんな時間に出歩いちゃったら〜

グレイ

お巡りさんに怒られちゃうかもよ〜?

カリア

いやぁ、仕事でつい〜

グレイ

あらら〜大変だねぇ

そう言いながらカリアの髪を指に絡ませ

流れる様に頬を指先で撫で

にこりと笑い別れの挨拶を告げ

繁華街の中に足を運ばせる

グレイ

こんばんはぁ〜

セレス

こんばんは

ヒグレ

ふふ、グレイ、セレスちゃん。いらっしゃいませ

口元にミステリアスな笑みを浮かべ グレイとは対象的な真っ白な服に髪の女性

前の職場でグレイの面倒をよく見ていた先輩で グレイも未だに懐いている数少ない人物だ

グレイ

あり?今日はお客様少なめ〜

ヒグレ

今日はまだ開店したばっかりだからね

ヒグレ

もう時期人も増えるわ

グレイ

ほへ〜

ヒグレ

興味無さそうね

グレイ

うん

ヒグレの言葉にそう答え、落ち着いた装飾などを眺めて椅子に座る

いつもの如くヒグレに近い場所に座り適当に注文を終える

???

ヒグレ様っ!…て…

するとドアが開き客が一人入ってくる

???

グレイ…貴方ッ…

グレイ

あ〜、カナエじゃーん

カナエ

ヒグレ様に近付かないで!?

グレイ

え、ヤダ

この娘は過去にグレイにとんでもない額を貢ぎ依存して居たものの捨てられ

現在はヒグレに依存してグレイを恨んでいる。 グレイからしたら傍から迷惑な人種だ

実際のグレイは慣れている事なので然程気にはしていない様でもある

グレイが捨てたものをヒグレが再利用する なんともカナエ本人にも幸せな関係図

グレイ

グレイ売上に貢献してるだけなんだよぉ〜

カナエ

きぃ〜ッ!!!!

セレス

貴方…黙って見ていれば…

セレス

グレイ様にこれ以上声を粗げないで頂けます?

カナエ

はぁ…??

カナエ

貴方もこんな屑の何処が良いんですか!?

セレス

グレイ様は存在そのものが尊い方…
その様な口を次開いたら海に沈めますよ?

グレイ

わぁ〜お

ヒグレ

カナエちゃん、そろそろお止めなさい

カナエ

くっ、…はいヒグレ様

ヒグレ

ふふ、良い子ね

カナエ

ッ〜♡

ヒグレの一言で一瞬にしてとろけた笑顔になった様子は

グレイに依存仕切っていた時とよく似ており

本人が無自覚のうちにこの表情になっているという事を グレイは心の奥で少し面白がっている

ヒグレ

グレイ貴方ホントにこのカクテル好きね

グレイ

うん、赤くて綺麗で好き

グレイ

何のカクテルか知らないけど

ヒグレ

良くそれで飲んでこれたわね

ヒグレ

エル・ディアブロ、またの名を悪魔って名前のカクテルよ

カナエ

グレイにピッタリな名前ですね

皮肉を交えてもグレイにとっては痛くも痒くもない様で

笑顔を崩さないままグレイはヒグレの話を聞いている

因みにセレスはそんなグレイを眺めて満面の笑みを浮かべている

グレイ

セレスちゃんもジュースくらい頼んだら?

グレイ

グレイが出すよ

セレス

え!?この奴隷に…そんな事をして下さるのですかっ

グレイ

あはっ、奴隷は主人の気遣いを無下にできないんでしょぉ?

セレス

はい…♡

カナエ

うげ…

グレイ

んー

グレイ

そろそろお会計〜

カナエ

ようやくですか…

グレイ

もっと居座るよ?

カナエ

チッ…

財布から金を出しながら言うグレイと 舌打ちをして睨むカナエ

何故まぁこんなにも毎回この様な事が起きるのか。

きっと全員がそう思っている

ヒグレ

ふふ、じゃあまたね

グレイ

うん、生きてたら来るね〜

ヒグレ

男の子や女の子に刺されない様にね〜

グレイ

ヒグレ先輩もね〜

縁起の悪い話をするこの二人は 性格の組み合わせだからこそ長続きするのだろうか

カナエ

ヒグレ様が刺される訳無いでしょッ!?

セレス

それはグレイ様もですッ!

グレイ

んー

グレイ

セレスちゃん何かしたいことある?

セレス

えっ、私ですか…

セレス

グレイ様がしたいことならば全て…!!!

答えにならないなぁ、とグレイが思っている中

あ!とグレイが声を上げる

グレイ

そーいえば

グレイ

今日三食全部抜いてた〜

セレス

え‪”‬!?

グレイ

だから〜ここのお料理屋さん行こっ

そう言いながらグレイはセレスの手を引いて料理屋に入って行く

???

いらっしゃいませ〜って、

???

グレイさん!

グレイ

やほ〜レイくん

レイ

お久しぶりですっ、お連れの方ですか?

ここはグレイの友人兄弟の営んでいる料理屋

それなりに人気で、グレイもよく来てとっくに常連客だ

愛想の良い笑顔を浮かべているこの青年は

グレイから見ても可愛らしい部類に入る様で、 偶に玩具として遊ばれている。ちょっと不憫な存在だ

セレス

初めまして、グレイ様の奴隷のセレスと申します

レイ

ど、奴隷?

グレイ

あははっ、可愛い子でしょ?

グレイ

って、あ!レナくん〜

レナ

グレイ…さん

グレイ

わぁ〜相変わらず表情無〜

そう言ってグレイはレナの両頬を解す様に引っ張る

レナ

ウグッ…

グレイ

あはっ

グレイ

解れたぁ〜?

レナ

……

無言で睨むレナに対しグレイはケラケラと笑う、 あくまでいつもどうりの事だ

レナ

席此処だから、注文き待ったら呼んで

レイ

レナ!敬語!

レナ

はぁい!兄さん!

先程までの無表情は一体どこに行ったのか。

兄へと向ける様な笑顔が此方に向かえば どれ程面白いのだろうか

そうグレイが思っているとレイが話し掛ける

レイ

…すみません、グレイさん

レイ

レナがあんな態度取ってしまって…

グレイ

別に良いよ〜

グレイ

セレスちゃん座りな〜

自身の座る席とは向かい側の席を促す

セレス

は、はい!

セレス

わぁ、種類が沢山!

少しはしゃいでいるセレスを頬杖を付きながら少し眺めるグレイ

客観的に見れば友達同士で食べに来ている様にしか見えないが

そうじゃないのが何とも可笑しくて仕方がない

セレス

えぇっと、じゃあこの…焼き魚定食でお願いします

グレイ

グレイ日替わり定食で〜っ

レイ

はい、少々お待ち下さいっ

グレイ

はーいっ

グレイ

ここのお料理美味しいんだよねぇ

セレス

グレイ様がそうおっしゃる料理…とても楽しみで御座いますっ

グレイ

えへへっ、楽しみにしてな〜

???

あ…、グ、グレイさん

聞き覚えのある女性の声が耳に入る

にこりと笑いながら少しばかり 女性的な声にして声の主の名前をあげる

グレイ

あ〜!ローリアちゃんっ

グレイ

こんばんは〜

ローリア

こ、こんばんは

ローリア

えっと、この女の子は…?

セレス

セレス・エスクラヴと申します!グレイ様の忠実なる奴隷ですっ

ローリア

え、ど…???

初めて会った人はどうしてもこんな反応をしてしまう

ローリア自身は可笑しくない。 可笑しいのはセレスとグレイの方だと伝えてやりたい程だ

ローリア

えと…私は

セレス

ローリア・オリミアルさんですよね、存じ上げております

ローリア

え…?何で?

セレス

グレイ様の交友関係は調べております…何せ奴隷ですので

微笑むセレスをが軽い恐怖心をローリアに植え付けかけている様子を見て

グレイが笑いながら制止させ、ローリアをセレスの隣に座らせる。

ローリアの分の注文はいつの間にかグレイがやっていた様で

少し世間話をしつつ料理を食べる。

一足先に彼女達より早く食べ終わったグレイは 弟に『今日は帰るのが遅くなる』 と連絡をしてスマホをしまう

そして彼女達に視線を戻し

ちまちまと動く口元やお箸とお茶碗を持つ華奢な手を見ながら

薄ら笑いを浮かべて彼女達が食べ終わるのを待っている。

途中で

セレス

お待ち下さい!今すぐ食べ終わりますので!

ローリア

は、はい!それに私は私の分を自分で出すので…

ローリア

グレイさんはセレスさんと帰っても大丈夫ですよ!

と言われグレイは少し目を丸くする

グレイ

え?

グレイ

グレイまだ二人を眺めてたぁ〜い

グレイ

こんな可愛い子達を見させて貰ってるんだからお代くらい払うよ〜

グレイ

だからゆっくり噛んで栄養沢山取ってね

等と微笑みながら言う様子は

流石としか言い様の無い程夜の店で磨かれた 持ち前の美貌を活かしたトーク力が発揮されており

二人もグレイに言われたらしょうが無い。 と言わんばかりに先程の半分程度のスピードで食べている

ローリア

グレイさん、ご馳走様でした

セレス

お待たせさせてしまった他にも…お代も…本当に何と言えば

グレイ

あははっ、良いよ良いよ〜っ

セレス

では、グレイ様!お家までお送りを…

グレイ

たんま〜!

そう言いセレスに小声で耳打ちする

グレイ

ローリアちゃん、男の人が怖いから一人で帰るのはほぼ無理だからさ

グレイ

セレスちゃんが送って行ってあげて

セレス

成程

承知しました。と言い セレスとローリアが歩いて行ったのを見てから

グレイもゆったりと歩いて行く

途中で数名のキャッチに声を掛けられたが

全員を無言でスルーするか執拗い人は足を踏んで成敗していた

グレイ

ただいまぁ

高層マンションの一室

此処がグレイの現在住んでる部屋だ。 置いている家具はどれも高級品

この家具の為、どれ程までの男女がグレイに貢いだのかは… まぁ、ご想像にお任せする

おこな

ニー

グレイ

おこなぁ〜

愛猫をグレイは両手で抱え、鼻先をくっ付ける

この邪気の無いグレイの笑顔は間違いなく 餌代や玩具代を貢いでいる人間は見られないのだから

なんとも滑稽だ

グレイ

ただいまっ、お留守番ありがとうねぇ

グレイ

良い子良い子〜

おこな

ニャオン

グレイ

あらら、もう1時…

グレイ

ブラン返ってくるの遅いなぁ…ねー、おこな

おこな

ニャウ

遅い時刻と、正直グレイも疲れている為

ソファに腰掛け、ブランが帰ってくるのを 珈琲でも用意して待とうとグレイが思っていると

玄関の扉が開く

ブラン

はぁぁ、ただいまぁ〜

グレイ

あ、ブラン〜

グレイ

おっつ〜

ブラン

ん〜…

やる気の無い声でそう告げるグレイに似た男

数週間前に突如グレイの家に転がり込んで来た グレイの実弟職業現役ホスト

コレもグレイ程では無いがそれなりに屑だ

ブラン

あぁ、メイク落としだっっっっる…

グレイ

軽くリップ塗ってファンデ塗ってるだけなのに?

ブラン

そういうグレイは今日すっぴんだったでしょ?

グレイ

え?

グレイ

何でわかったの〜?

ブラン

コットンとメイク落としが昨日俺が置いた場所から変わってないから

そう言いながらグレイの隣に座り 化粧を落としてヘアセットをとる

その様子をグレイは少し見て 突如ブランの襟元を掴む

ブラン

え、何!?俺今日何もしてない!

グレイ

笑顔

ブラン

…は?

グレイ

胡散臭い笑顔取れてないよぉ〜?

グレイ

ほーら!いつもの笑顔にしな〜

グレイが慣れた手付きで人差し指でブランの口角を上げる

ブラン

んン…

グレイ

こっちの方が断然良いよぉ

グレイ

ねー、おこな

おこな

ニャウ

ブラン

返事おやめ

グレイ

…ぷっあははっ、やっぱ面白〜い!

ブラン

俺の口角で遊ばないでくれる!?

少し怒り気味なブランとは反対にグレイはケラケラと笑う

ブランもその様子を見て少し口角が上がる

グレイ

ふ〜…

グレイ

じゃあグレイお風呂入るから〜

グレイ

ブランお風呂浸かる?

ブラン

あー、浸かる〜

グレイ

ならお湯はっとくね

ブラン

ありがと〜助かる〜

ボタンを押してお湯をはる

その間にシャワーを浴びる

いつもどうりの光景

布一枚纏わない白い肌が湯気で揺れる

長い前髪を少しかきあげ

少し下に向けていた顔を上げた時 鏡に映ったグレイ自身の姿が目に入った

無駄なものを全て削ぎ捨てた様な体

凹凸も目立たずマネキンや人形の様な完璧さ

『人並み外れた美貌はふとした時に自分自身を苦しめるのか』 とでも思った表情を一瞬した後

両手の人差し指を口角に当てる

そして少し目を細めながら指を上に上げ

笑顔を作る

グレイ

…ふっ、あはっ

グレイ

湿気た表情なんてしな〜い!

グレイ

笑顔笑顔!

鏡に手を当ててそうグレイは笑顔で話す

口を大きく開け、少し子供らしさのある表情

すると一瞬笑いを詰まらせる。 そしてしゃがみ込み 呼吸を整える様に呟く

グレイ

僕、私は…

グレイ

笑顔で、いる…いなきゃ…

グレイ

グレイ…は…

グレイ

グレ…ィは…

グレイ

……

グレイ

___は

グレイ

もっと…完璧なんだから

シャワーの音で邪魔が入り音が途切れ途切れになる

髪が素肌に張り付いている少しの不快感は

然程感じなくなっている

次回…Episode2『瞳』 投稿日…未定

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コメント

93

ユーザー

全員個性豊かで闇と光両方あって面白い…!!✨️

ユーザー

グレイさん…闇深すぎでは?!私の心臓が、持たんぞ!マジで… これで、あのおっさんが来たら余計闇深くなりそう

ユーザー

ピェ……最高…みんなかっわわ… 闇深……( ◜ω◝ )好きっすねぇ…

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