○○
○○
○○
○○
動画の撮影が終わると
私はふうっとため息をついた
お悩み相談系のYouTubeチャンネル
【トマトのお部屋】
顔出し、ほぼ1人喋り。
照明、カメラ、マイク
全て1人でこなしてきた
再生回数は爆発的ではない
だけど地道に伸びてきている
今では20万人のチャンネル登録者数
○○
私はお悩み相談を中心に動画を撮っているため
視聴者の悩み事をDMで募集している
DMに送られてきた沢山の悩み事に
私は目を通した
○○
その時1人の女の子の相談が目に入った
【元彼を忘れられないです。どうしたらいいですか】
○○
編集用のメモをとりながら
私はポツリと呟いた
送ってきた女の子は
高校1年生の時に付き合っていた彼氏が忘れられない
些細な理由で別れてしまったけど
今でも忘れられない...らしい
彼は前に進んでいるのに、 私は立ち止まったままです。
どこか
自分に重なる
だけどその過去は
もう整理が着いたつもりだった
○○
もう私には関係ない
そう思い編集を始めようとしたその時
ピンポンがなった
○○
時計を見ると夜の12時を回っていた
○○
私はおもむろに立ち上がり
玄関に向かった
恐る恐るドアを開けると
そこに立っていたのは長身の男性だった
黒いジャージに
濡れた髪
鋭い目つき
第一印象は“怖い”だった
え、何この人
というか誰?
私が警戒していると
○○
私は一瞬でこの場の状況を理解した
○○
○○
○○
淡々とそう言うと
踵を返して彼は家に入っていった
本当に隣だったんだ
○○
○○
私は頭にハテナを浮かべながらも
部屋の中に入った
私はレンジでチンをしたお弁当を
机に広げた
○○
ふとさっきのお隣さんを思い出す
○○
○○
○○
○○
時間を見ると朝の五時を回ったいた
○○
○○
私は急いで取り掛かった
動画の編集が終わったのは8時半だった
○○
○○
私は事務所に入っているため
提出期限というものがある
コンプラ違反はないか
間違っているところは無いか
事務所が確認してくれる
30分後 原マネから「OK」というスタンプが送られてきた
○○
終わったという安心と同時に
睡魔が襲ってきた
○○
気がついたら目を閉じて眠っていた
カーテンの隙間から差し込む夕日で
私は目を覚ました
○○
○○
私はガチガチになった首を押さえながら
ゆっくりと背筋を伸ばした
時計を見ると
夕方の6時だった
○○
肩を回しながら
キッチンに水を取りに行った
○○
○○
○○
昨日の出来事が、記憶の奥から
じわじわと浮かび上がってくる
隣の住人...あんな近くに誰かが住んでるなんて
思いもしなかった
というのも
引っ越してきて半年近く
一度も物音がたったことは無かった
それに私は女子という理由から
隣人への挨拶を控えていた
○○
私は頭を抱えながら考えた
○○
前にあったことあるのかな
顔立ちも、声も、雰囲気も。
確かに怖かったけど
それだけじゃなかった
どこかで見た事がある
○○
スマホを手に取り
ぼんやりしながらSNSを開いた
ふと、おすすめ欄に流れてきた
スポーツニュースのサムネが目に留まった
《MSBYブラックジャッカル逆転勝利!》
《MVPは 佐久早 聖臣!》
○○
○○
その名前に胸がチクリとした
そして貼ってあったURLに飛ぶと
プレーの映像が流れる
そして昨日の隣人の顔と重なる
○○
○○
画面の中の彼は
試合後も1人だけクールな表情で
歓声にもチームメイトのハイタッチにも
どこか距離があるようだった
私は持っていたコップを置いて
スマホを握りしめた
《それではインタビューをお願いします!》
《お疲れ様です!佐久早選手!》
マイクを向けられた瞬間
一瞬だけ見せた笑み
間違いなかった
○○の脳裏に
制服姿の私と彼が
並んで歩く記憶が、ふっと蘇る
○○
思わず声を出し
隣の部屋の方を見る
鼓動が早くなるのがわかった
だけどそれが【動揺】か【懐かしさ】なのか
私には分からなかった
コメント
2件
さくさくやー!!!楽しみすぎるー!
こんにちはきんにくまんです! 今回は佐久早くんを書いていこうかなって思ってます🥺 まだ物語を作ってる途中なので不定期にはなると思うんですけど...是非見てくれたら嬉しいです👀✨