いつも、ひとりぼっち。
時間をかけたメイクも ラズベリー色のハンカチも、
甘いミルクの香水も くまのストラップも。
何も意味がないって 毎日わかっていて、 それでも気づいてほしくて 想ってしまう。
だけど貴方は、 私を見てくれない。
真っ赤な左腕より、 心のほうがずっと 痛むの。
あぁ、 また 傷をつけなきゃ。
なんて そんな日々が、 たったいま 壊れた。
ただでさえ沈んでいるのに、 揺らさないでほしい。
天気予報では言ってなかった。 これ以上濡れたくないから、 ひとり座りこむ。
もう、 とっくに腫れてるんだけど。
じわりと疼く痛みが、 まだ零れてこようとする。
その傷を抉るのは たぶん私自身で。 そうさせるのは、
今も消えてくれない 君への想いのせいかな。
いい加減、 終わらせたいんだよ。
どくん、と 心臓が痺れた。
そんなこと言わないで。
《晴》がスキで、 なら 《雨》はキライ?
暗い雨雲があるから、 太陽が輝いているのに。
私は《アメ》だよ。 君には必要なんだ。
だけど、今の私は あの子を飾る土台。
《太陽》なんて、 眩しいだけで どこがいいの?
それとも、 もしも君が 見てくれるなら
私が、なれるなら
自分は《特別》なんだって、 きっと そう信じていたんだと思う。
そんなものは 妄想にすぎなかったけれど。
貴方もなんだよね。
恋なんて、想像より ずっと脆くて儚くて 呆気なくて。
私の想いは勘違いで、 届きもしなかった。
だけど、貴方のほうが つらくてかなしそう。
そんな顔しないで。
私がしあわせで 満たしてあげるから。
《こころ》がみえる、なんて 私には必要なかったみたい。
貴方に酔っていたから、 変わってくれると 自惚れていたの。
知りたくなかったな。 嫉妬しちゃって。
私だったら よかったのにね。
ねえ、怯えないで。
貴方のすきな アールグレイを飲んで
そしてずっと、 おやすみなさい。
貴方のせいよ。 そうでしょ?
いつになっても 報われない。
届いても交わらない すきって気持ちは、
実らなくても 膨らんでいく。
叶わないなら せめて。
いまだけでも、 私を見て
なんて、いつもの空想。
とおり雨パンタシア
コメント
13件
毎度美しい表現の作品をありがとうございます😊☆ 自分はIIIのやつが1番好きでした。 今回も素敵でした✨✨
お久しぶりです🙇♂️ 今回も素敵なお話でした。 題名もラテン語で空想…私にはない発送です(´˘`*) 今回も素敵なお話をありがとうございます😊
初めて読ませて頂きました。最初は彼女の感覚が分からなかったのですが、読んでいくうちに分かり、表現を含め、凄いなと圧倒されました。