天文十年(千五百四十一年)
信濃国 真田郷
(現長野県上田市周辺)
真田幸隆は
村上・武田・諏訪連合軍に敗れ
全ての領地を失う
真田幸隆
いつか・・・いつか
必ず我が土地を
取り戻してみせる・・・
真田幸隆
這いつくばってでも・・・
泥水をすすっても・・・
真田幸隆
草履の裏をなめても・・・
三べん回って
ワンと鳴いても・・・
家臣
殿・・・そこまで行くと
カッコ悪いっす・・・
真田幸隆
ワシに武田家に仕えろと?
真田幸隆
絶対に仕えん!!
真田幸隆
お主ら武田家が
村上家に加担したせいで
ワシは土地を失ったのだぞ
武田家臣 山本勘助
あれは先代
武田信虎様が
やった事
武田家臣 山本勘助
現当主・信晴様(信玄)は
我らに協力して
村上家を倒したら
武田家臣 山本勘助
貴殿に土地を
お返しすると
申しております
真田幸隆
よろしく
お願いしまーす!!
家臣
「絶対」どこ行った!!
武田信玄
村上義清の籠る
砥石城を攻め落とせー
真田幸隆
この戦に
勝ったら
土地土地
土地
しかし信玄は
「砥石崩れ」といわれる
人生最大の敗北を喫する
真田幸隆
くそおお!!再起まで
あと一歩だったのに・・・
真田幸隆
こうなったら!!
真田幸隆
真田家の兵だけで砥石城を落とす!!
家臣
えーー?
家臣
武田家でさえ
落とせなかった
のに?
真田幸隆
頭を使うのだ!!
真田幸隆
砥石城には
真田家ゆかりの者が
多い!!
真田幸隆
それらを
味方につけ城門を
開けさせるのだ!!
家臣
なるほど!!
真田幸隆
寝返ってください
頼んます!!
家臣
超 頭使ってるー!!
真田幸隆
しゃー
んなろー!!
武田信玄
真田
すげえ!!
その後も武功を立て
真田幸隆は再び
真田郷周辺信長地を
手に入れる
家臣
山しかない・・・
家臣
本当に山しかない・・・
家臣
もっといい土地
もらった方が・・・
真田幸隆
うるさい!!
先祖代々の土地は
大事なのだ!!
真田幸隆
小領主となった我らは
忠誠の証として
武田家へ人質を
出さなければならぬ・・
真田幸隆
よいか 武士にとって
大事なのは何よりも
真田幸隆
「家」と「土地」を守る事だぞ
真田幸隆
それを肝に命じて
行くがよい
真田幸隆
源五郎
(後の真田昌幸)
源五郎
はい!!
これは
「家」と「土地」のために
命を賭けた一族の物語ー
山手殿
お話とは
何でございましょう
お屋形様 御方様
「京の御前」とも呼ばれ
気品のあふれる女性
だったと言われる
武田信玄
話は・・・よし!!
甲斐名物の温泉で
話そうか!!
三条の方
殿 美人だからって
誘わないの
山手殿
真田家へ
輿入れ
山手殿
・・・ですか?
武田信玄
うむ そなたの父にも
話してある
山手殿
あの武勇の誉れ高い真田信綱さまですか?
武田信玄
いやその
弟だ
山手殿
では同じく勇猛な
昌輝様ですね?
武田信玄
そのまた
弟だのー
武田信玄
「真田昌幸」だ
山手殿
誰それ
知らない・・・
三条の方
顔に出るコ
ですねえ
三条の方
真田昌幸殿は
人質としてこの館にやって来ましたが
三条の方
殿が才能を見込んで
側近に取り立てたほど
有望な若者なのですよ
山手殿
もっ申し訳
ございません
無知で!!
武田信玄
武田信玄
ワシは武田家に
仕官してくる者の見定めを
その昌幸に任せている
武田信玄
ヤツの「目」は
すごいぞ!!
武田信玄
人の性格 武力
敵の作戦から何から
すべてを見通す
武田信玄
ヤツは今やこの
信玄の「目」だ!!